これまでのアニメの常識を覆し、強烈でシニカルなギャグやパロディを盛り込んで、思いもよらぬ感動に着地させる異色CGアニメの続編。
めでたくフィオナ姫と結ばれた怪物シュレックが、姫の両親が住む「遠い遠い国」から招待を受ける。しかし、フォオナの父はシュレックの容姿に激怒。フィオナを横取りしようとするチャーミング王子と彼の母も交え、シュレックとフィオナの運命は二転三転していく。


1が面白かったので。
で、今回は字幕で見たのだけど、なんか違和感が…。
よく思い出してみたら、たしか1は吹き替えで観たのだったよ。
ハマちゃんとか紀香の声で記憶していたので、キャラの声が変に聞こえたのでした。

物語はやはり2の宿命ですなぁ。
なんかイマイチ面白みがかける、といいますか…。

つまらないとは言わないけど、やっぱり1を観たときのインパクトにはかけていたように思う。

この物語の演出は、他の映画のパロディだというのも有名なんだけど、もともとあんまりハリウッド大作映画は数は観てないので、そのあたりの面白さは感じにくかったわけで…。

あ、でも、やはり猫にはヤラれました(爆)。

クライマックス付近でシュレックたちの逃走するとき、猫が「ここはオレに任せて先に行け」的なことを言うわけですが、あの潤んだ瞳で見つめる攻撃は卑怯だ(笑)。
ああ、こういう卑怯さ加減って猫だよなぁ、と(^^;;;。

最後にテロップを何気なくみていて、フィオナの母親がジュリー・アンドリュースだったことが判明してビックリ。
思わずクライマックス付近のところまでプレイバックして、声を再度チェックしてしまったよ。

そう思って聞くと、確かに彼女の声でした。
しかし、喉を患ってからの彼女の声はやはりちょっと明瞭さがなくなっていて、悲しい…。

全体に軽い娯楽映画としては楽しめました。
今度甥っ子に見せてあげよう。

●大統領の理髪師

2005年10月11日 映画
1960〜70年代の韓国で、大統領官邸のある町に住んでいたことから、大統領専属の理髪師となったハンモ。不正選挙や軍事クーデター、北側の脅威などを背景に、彼の一家の物語が、息子が語るナレーションとともに綴られる。韓国の激動期が市井の人々の目線でとらえられ、ほのぼのとした後味に包まれる珠玉作だ。
主演のソン・ガンホが『殺人の追憶』と同様、本作でも計算しつくしたような素晴らしい演技をみせる。初めて大統領の髪を切るときの緊張感から、息子の病気を治そうと必死になる父の顔までを、さまざまな表情で演じ分け、すんなり共感させられるのだ。本作に描かれるエピソードの多くはユーモアというオブラートに包まれて描写されるため、随所で笑いを誘うのだが、描かれている事件自体は、かなりシリアス。


特別な思想も理想も抱えることなく、日常を普通に過ごしていただけの理髪店の亭主が主人公。
町に大統領が過ごすこととなり、そこでただ一軒の理髪店の亭主であったがために、大統領の理髪師として働くこととなった。

舞台が韓国なので、詳しい政治的歴史的背景はよくわからないのですが(てか、舞台が日本でもあんまり詳しくないんだけど)、映画で描かれる背景からすると、日本の学生運動が盛んな頃のような雰囲気なのかしらね。

田舎町では、政治通ぶった男が町の皆に発破をかけたりと盛り上がっていたりするんだけど、主人公は積極的にそれにかかわりたくない風。

ただ主人公は、その元気のいい男にはいつも世話になっているし、自分よりも学があるような気がするので、「あいつが言うなら、そうなんだろう」といった納得の仕方をしている、フツーな小市民なんだね。

そういう様子が、一見丹精な顔立ちをしているんだけど、飄々とした表情で普通を演じていた男優さんが、巧かったなあと思いました。

大統領の付近で働くということは、いやおうでも政治に巻き込まれるということでもあり、後半はそれによって息子に危害が加わることになろうとは。

前半の理髪師としてのコミカルな男の話が、後半は息子を助けようと必死な父親の話になり、ちょっと雰囲気の違いに慣れなかった。

気に入ったエピソードは、髭剃りのシーンでしょうか。

大統領の髭を剃るときには、一声かけてお許しをもらってからにしろ、と当初キツク言われていた主人公。
刃物を喉元近くに持っていくという行為は、たしかに命を預かっているようなものだし。

そうやって10年以上も大統領の理髪師を勤めた主人公に、その日大統領が「もう声をかけなくてもよい」といって主人公の肘に手をかけるところが、よかった。

朴訥にただ理髪師としてだけ大統領に接してきた彼のことを認めた、静かなセリフのシーンでした。

だから、クライマックスのところで息子の為に目を削るのに何度もためらった主人公の気持ちがよく伝わったなぁ。

好みとしては後半の雰囲気はあんまり好きじゃなかったんだけど、まあなかなかに楽しめました。

●皇帝ペンギン

2005年7月30日 映画
南極で皇帝ペンギンの生態を追ったフランスのドキュメンタリー。延々と行進を続けるペンギンたちが、たどり着いた営巣地でパートナーを見つける。やがて産卵を終えたメスたちは、体力を使い果たし、エサを求めて再び海へ。オスは卵を守りながら、ひたすら立ったまま2ヶ月。孵化した子どもとともに、メスの帰りを待つ。
どこか着ぐるみの人間のような立ち姿。とことん愛くるしいヒナ。ペンギンのかわいさを満喫できるが、圧倒されるのは彼らの過酷な生活である。極寒の大地で、寄り添うように固まって、何も食べずに過ごす。卵が割れて、他者の卵を奪おうとする。大自然とペンギンの本能の関係には、ただただ目を見張るばかりだ。


前評判として、フランスで「WATARIDORI」をはるかに超えた動員数を記録したとあったのでちょっと期待していたのですが。

結果としては、これはこれで楽しめたけど、個人的にはWATARIDORIのほうが面白かったかなぁ。

皇帝ペンギンのラブシーズンをターゲットにしたドキュメンタリー。
味付けはファミリー向け。

事前の情報収集に失敗して、日本語吹き替え版を見てしまった…。
てか、地元では吹き替えしかやってないみたい。残念。

まあでも、皇帝ペンギンたちが雪や風に耐えながらひたすら卵を抱く姿は、なんだかとても圧倒されました。
ブリザードの中、ひたすら足踏みして押し蔵饅頭をしている彼らの姿は、本当に孤高というか…。

チビたちの模様(ピンガちゃん!(笑))もユニークで、かわいかったなぁ。
なんだか久しぶりに動物園にペンギンに会いに行きたくなりました(^^)。

●姑獲鳥の夏

2005年7月30日 映画
昭和20年代末の東京。雑司が谷にある大病院に奇妙な噂が。なんと院長の娘が20ケ月もの間妊娠、しかも娘の夫が忽然と姿を消したという。さらにこの病院で新生児が姿を消したり、元看護婦が謎の死を遂げたりも。これらすべての事件を古本屋の店主であり陰陽師でもある京極堂が解いていくことに……。

懸念していた映画化ですよ。
評判としては、半々ですかね。原作を二時間でよくまとめたなぁという肯定派と、やはりあれは時間が足りなくて意味不明でしょという否定派の両方の意見を事前に読んでいまして、自分で映画を見た感想は、どっちもうなずけるなぁといった感じ。

もともとが長い話なので、二時間の映画にするなら何処を残すのかがキモになるんですよね。
それを考えるとあの枠の中で意外にちゃんと入ってたなぁって思いました。

事件自体は骨格部分は最低限残しました、といった感じで物足りなさも感じたのは確かだけど、所詮完全版な映像化はムリだと思うので、そういう意味ではあれはあれで巧く構成したよなぁ。

多少気になったのは、眩暈坂が自分が想像していたよりも短かかったことでしょうか。
なんか関口があそこを下りながら妄想世界にトリップしていくには、あの坂の長さが足りないと思う(笑)。

京極堂は、私のイメージだともう少しゆっくりしゃべる人だと思っていたので、堤さんの早口(あれでも押さえ気味だったらしい)に最初戸惑いました。

それから、関口@永瀬が格好良すぎです。あんまり猿に見えないじゃん!(^^;。
ついでにスタイリストさん、永瀬さんにはあの格好は似合ってるけど、関口の背中のシルエットが格好よく見えるというのは、キャラ的に失敗だと思うんだけど…。

キャスティングの時点で一番アリエナイと思っていた木場修@宮迫は、思ったよりもちゃんとしてました。体格のイイ漢という設定とはちょっと違っていたけど、江戸前なちゃきちゃきさは出ていたと思う。

そして、事前キャスティングを知らなかった内藤医師@松尾スズキと、牧朗@恵俊影は「この役で出てるのかー」とびっくりしたけど、瞬間的に納得できてしまった。
特に死蝋となった恵さんは、リアルに光っててすごかったです…。

一応映画を見るにあたって、ちょっと前に再読していたからストーリーもわかった状態でみたけど、これは知らない人が見るとちょっと不親切だったかも。

まあでも、こういう映画を見ようと思う人は、京極さんのファンがメインだろうし、実相寺監督のファンとして見るとしてもちゃんとその持ち味が出ていただろうし、そういう意味ではこういうコアな造りの映画もいいのかもしれない。

うん、もう一回みたいなぁ。
女性に全く縁がなかったおたく男=電車男(山田孝之)は、電車の中で酔っ払いに絡まれた女性(中谷美紀)を助け、それがキッカケで彼女に恋を。それをインターネットの掲示板サイトに書き込んだところ、そのネットユーザー達から熱い応援を受けることに。はたして電車男は恋を成就できるのか!?

ずっと気になっていたんだけど、タイミングをはずしてて、ようやく見てこれました。

すでにドラマは始まっていて、そちらを先に見てたせいか、山田クンの電車男ぶりがちょっと格好良すぎな気がした…。というか、伊藤淳史のヘタレぶりがそれだけハマって見えるからかもしれん…。

エルメス@中谷は気品のある人間味の少ないイイ役柄でした。
実を言うと、私は電車男の板を読んだときに、エルメスがどうも気に入らなかったんですよ。

エスメスって、天然入ってる女性だということになってるみたいだけど、私はなんか姑息なイヤミっぽい印象を受けてしまっていて。
だから、映画でどういう風に表現されるのかなぁと気になっていたんだけど、中谷さんの空気のような静かさに魅せられました。

ああ、こういう女性ならアリかも。って感じ。

ところで、この映画はTVドラマとのリンクありなので、テロップが終わるまで席をたつなといくつかの感想サイトで読んでいたので、のんびり文字のスクロールを眺めてましたが(もともと私は最後まで見るほうだけど)、途中で席をたってた女性グループはもったいないことをした(かも)。

でも個人的にはあの最後のオチ(?)は不必要だったなぁ。
ちょっと変身しずぎ。>山田クン

二時間が丁度イイ感じでしたね。
映画で長すぎず短すぎずな出来だなぁって思うことは少ないので、この点はうまく作ったなあと感じました。
前作『プリティ・プリンセス』では、サエない女子高生だったミアが、美しいプリンセスへ変身していく≪シンデレラ・ストーリー》が多くの女性たちの共感をよび大ヒット。続く本作は、舞台をサンフランシスコからヨーロッパのジェノヴィア国へ移し、プリンセス・ミアの甘く切ない恋を描いた待望の続編です。

どちらかというと私が好きではないタイプの映画(^^;。
はっきり嫌いというんでもないんだけど、わざわざ時間を作って観るほどの動機付けがないっていうか…。そういうわけで、家族のお付き合いで観たって感じ。

物語は、1で小国の王女だと判明した少女が、その後祖母である女王の退位のために即位するというところから始まる。
彼女の即位にあたり、自分の甥を王にしたいある皇族が、昔からのしきたりで女性は未婚では即位できないことを主張し、そのために主人公が結婚相手を探すというメルヘンラブコメディ。

個人的な見所は、やはり祖母のジュリー・アンドリュース。

私は彼女のファンなので、彼女がまた観られるのが本当に嬉しい。この映画を観ることにしたのは、一重に彼女を見たかったから。

物語は主人公の少女が結婚相手を選ぶというのがメインなんだけど、サイドストーリーとして寡婦である女王クラリス@ジュリー・アンドリュースと、その護衛である国保安局長ジョー@ヘクター・エリゾントとのプラトニックな渋い関係がなかなかよろしい(笑)。

1の時もメインストーリーを楽しむ相棒と一緒に、私は女王と護衛の恋愛要素を楽しみに観てたわけだしね。

2では、主人公がめでたく即位するわけですが、退位した元女王クラリスはそこでようやく護衛任務を引退したジョーとの仲を公認のものとしたのが嬉しかった。

ふふふ、クラリス女王の凛々しさ、ジョーの格好よさには惚れ惚れですわ(笑)。

また本作では、ミュージカルの女王であもあるジュリー・アンドリュースの歌声も披露されていて、この部分はファンにはたまらないですよ〜〜。

喉の手術の失敗でミュージカル女優としては引退してしまった彼女ですが、本作ではとてもおちゃめな女王を演じ、マットレスサーフィンでは華麗な滑り技とハスキーになっても魅力的な歌声で盛り上げてくれました。

正直ストーリーは個人的なツボではないんですが(いやホントに好みの問題だと思う。作品はよかったなんじゃないかしら(^^;)、このマットレスサーフィンシーンはスッゴク気に入りました。

ついでに映画の紹介記事はコチラ。
ttp://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=1184
父のいない14歳のウォルターがひと夏の間、母の親類である老兄弟の家に預けられる。どうやら母は、兄弟が隠し持つ大金を狙っているらしい。傍若無人な兄弟の生活に戸惑っていたウォルターだが、彼らの過去の冒険談を聞き、大人へと成長していく。
プロペラ機を乗り回し、街の若者を素手でノックアウト。さらにペットとしてライオンを購入するなど、老兄弟の型破りな行動が痛快。オスメントの演技はやや過剰だが、老友ふたりが、いぶし銀の名演技を見せる。ずるがしこさと優しさの両方を漂わせるケインの弟に対し、ある思いを胸に秘めながら、豪放に振る舞うデュバルの兄。ふたりの姿は、「こんな風に年をとりたい」と思わせる理想の老人像のようだ。ポイントに挿入される兄弟の回想シーンも楽しく、1960年代のテキサス州を再現した美しい自然も見どころ。


シックス・センスでハーレイ・ジョエル・オスメントを見てから、安心して見られる俳優だなぁと思っていたので。
ただ、子役のコの成長につきものなんだけど、ハーレイ君も大きくなってしまって、ちょっと寂しいよ。
ダコタ・ファニングでも、今後そんな風に思うのかしらん…。

で、さて。
この物語の楽しみ所はやはり、インディージョーンズ並みの冒険活劇部分ではないかと思うのですよ。

老人たちに群がるハイエナたちのエピソードより、彼らの若い頃の物語が面白い。

クライマックス直前、実はこれがクライマックスか?とも思われた、ライオンのエピソードと少年の帰宅するがやはり…といった展開は、これで終わりだったら正直ツマンナイ映画だなぁと思ってしまったと思うんだよね。

そこをもう一ひねりして、少年が成長し、老人たちのその後のことが語られたあと、ヘリがやってきたところで、「そうそう、これだよ!」とニンマリしちゃったのでした。
ふふふ、こういう展開は好きだなぁ。

エンディングのところで、成長した青年の描くイラスト…というより漫画かな、あれも個性的な絵でかわいくて、きっと老人たちとの生活のエピソードを基にしたお話を描いてるんだろうなぁと、ちょっと読みたくなってしまったのでした。

ハーレイ君もよかったけど、この映画の主役はやはりロバート・デュヴァルとマイケル・ケインですな。
結婚式の直前に発砲事件で婚約者を失った青年とその周囲を描いた感動のドラマ。恋人だった女優をストーカー殺人で失ったブラッド・シルバーリング監督の実体験に基づいている。出演はジェイク・ギレンホール、ダスティン・ホフマンほか。

婚約者が事件に巻き込まれて死んでしまった…。残された主人公は、婚約者の両親となし崩しに同居を始めてしまうのだが、彼には秘密があったのだ…。

主人公ジョーの主体性のなさが、最初すごく理解できなかった。
婚約者の葬式に出るのは、まあわかる。その両親を元気づけるという動機も、まあわからなくもない。でも、その後もその家に留まるってどういうことなのか。

しかも、彼は自分でそれを選択したというより、やや強引な義父(になるはずだった人)にひきづられるカタチで、本当にもう「なし崩しに」といったところなのだ。

そういったモヤモヤがあったので、前半部分のジョーの行動はどうも、ね。

ただ、後半になってジョーが本当にはどうしたらいいのか、未来を描けない、不安を抱えた青年だということがわかってくると、共感は出来ないまでも彼の戸惑いの謎が溶けたように感じられた。

婚約者が突然死んだら、普通狂乱しそうなものだと思わないでもないけど、ジョーの抱えていた秘密を考えると、理解できなくもない。

クライマックスは、死に対してネガティブな方向にひきづられていた人たちが、ようやく未来に目を向けることができた、前向きなもので希望を感じることができた。
手放しで喜べるとまでは言わないけど、しかしガンバレヨーと応援できる、そんな雰囲気。

ところで、ジョーを演じたジェイク・ギレンホール。あのファニーな笑みが、「グッバイ、レーニン!」の主人公に似ているような気がした…(別人だけど)。
やわらかい、頼りなげな笑みに、だんだん好感を持ってしまったよ(^^;。

●「海猿」

2005年6月25日 映画
すべての海上保安官の中でわずか1%の人間しか到達できない海難救助のエキスパート“潜水士”。海上保安官14名が死と隣合わせでもあるこの“潜水士”を目指して、50日間に及ぶ極限の訓練に挑んでいくことになるのだが、ある哀しい事故が起きて…。

ずっと気になっていて、結局劇場公開中に鑑賞できなかったので、TVでの放映を楽しみにしてました。

仙崎@伊藤英明の素直さは、陰陽師の博雅に通じるものがあったかも。
しかしあのふやけた笑顔の彼が、時折見せる端正な表情にはクラリときますな(笑)。

んで、前半部分の中心人物ともなる工藤@伊藤淳史のヘナチョコぶりは大したものだよ。
私は彼をロボコンで初めてちゃんと観たんだけど、やっぱり一生懸命さが似合う役者だなぁと思いました。

夏のドラマで電車男をやるそうで、そちらも楽しみです。

ストーリーは、まぁスポコン?って感じで、なんとなく予測可能な物語なんだけど、こういうのはチームワークものとして全体のノリを許容できれば、あとは安心して見られる類の映画ですね。

クライマックスの仙崎の決断とか、査問委員会シーンなんか、話がどう展開するかというのはあまり問題じゃないんだよね。
シーン毎の俳優たちの表情とか演技そのものを楽しむのが正しい鑑賞方法だと思ったのでした。

熱いドラマです。
こちらも連ドラ化でしたっけ?
とりあえず第一話チェックか。

●「恋の門」

2005年6月22日 映画
石で漫画を描く、自称・漫画芸術家の蒼木門は、バイト先でアニメおたくのコスプレOLの証恋乃と知り合う。彼女の家で飲んだ勢いでいい雰囲気になったが、恋乃にアニメのコスプレをさせられたり、アニメ歌手のファンの集いでいい感じになったが、酔っぱらって彼女の顔に吐いてしまうなど、なかなか結ばれないふたり。そんなことしているうちに門のバイト先の店長が恋乃にほれて、彼女を取り合う羽目に…。

松田龍平って、なんかイマイチ格好イイんだか、ファニーなんだか、判断のつきにくい顔をしているような気がする。
オダギリもクウガの時に似たような印象をうけた。彼はその後歯の矯正とかして顔の輪郭が変わったせいか、今はそうでもないけど。

オタク映画というと、私が見た数少ない映画の中では「七人のオタク」「ブリスター!」ぐらいなんだけど、この「恋の門」はなんか中途半端な感じがした。

多分私が、コレクタータイプのオタク属性があるってのも大きいのかもしれない。
だから「ブリスター!」でフィギュアを集めまくる主人公の感情に笑いやツッコミをいれつつ共感できたのに対し、「恋の門」ではヒロインがコスプレオタクというどうも共感しずらい(よくわからないので)属性だったのが大きかった気がする。

まあでも、なかなかにリラックスして楽しめました。

脇役が豪華キャストでした。

半分ぐらいは気がついたつもりだったけど、最後のテロップを見てかなり見落としがあったことが判明したほど。
庵野&安野夫妻も何気に楽しそうに立ってり、大竹しのぶのメーテルコスプレとか、他の作品では見られない見所(?)がたっぷり。
そういう部分でも楽しめる濃い作品でもあります。

音声ガイドは、主役組の松田と酒井若菜のよりは、監督組の松尾夫妻のほうが盛り上がってて面白いです。
テレビ修理店に勤めるアレックスの父は、10年前、家族を捨てて、西ドイツに亡命。以降、母クリスティアーネは、その反動からますます東ドイツへの愛国心を強めていく。そんなある日、反社会主義デモに参加し、警察と衝突しているアレックスを目撃したクリスティアーネはショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまう。その間にベルリンの壁が崩壊。しかし、数ヵ月後、クリスティアーネは奇跡的に覚醒するが、医師は、「今度強いショックを与えたら、命取りになる。」とアレックスに宣告する。アレックスは、母親にショックを与えないよう、東ドイツの崩壊を隠すために、ニュース番組を自主制作したり、東ドイツのピクルスを探したりと涙ぐましく奔走するが…。

嘘もつきとおせば真実になる。という物語だとも言える…のかなぁ。
ともかく、その嘘の根底が愛情である限り、その行為は涙ぐましく受け入れたくなるものではあるのでした。

全体はコメディタッチで、社会主義がどうだとか、資本主義がどうだとか、そういう政治的な重苦しさは表面にはあまりでてきません。

東で生産されていたピクルスを求めて奔走する様子とか、コカ・コーラは東が最初に発明した飲み物だったのだというTVリポートを作成するところとか、随所に笑いの種はまかれています。

しかし、やはり母を思う青年アレックスの行動は、どうしようもなく破滅的な部分もあるわけで、彼の一世一代の大嘘ニュースは、笑いながらも涙がにじんでしまう、そんな物語でありました。

ところで、アレックス役の俳優さんは、とびっきりの美男ではなかったけど、すごく表情に味のあるいい顔をした人だなぁと思ったのでした。

あと、ちょっと「みなさん、さようなら」に似てる部分があった。
どちらも気に入った映画です。
上司に怒られつつもOLライフをエンジョイしている如月ハニー(佐藤江梨子)の正体は、「Iシステム」を発動させて何でも変身できるアンドロイドであった。しかし、そんなハニ−のIシステムの秘密を探るべく、悪の結社パンサークローが動き出した。ハニーは謎の新聞記者・青児(村上淳)やガチガチの警視庁刑事・夏子(市川実日子)とともにパンサークローが送り込む刺客に立ち向かっていく!

あの庵野監督の映画なので、どういうものかと身構えていたのだけど、思ったより単純に楽しめる映画になってました。直球できたな、というか(笑)。

昔のアニメ版は一応見たことがあったので、ハニーの変身シーンだとか歌とかは知っていたものの、物語としての筋はほとんど何も知らなかったから、この映画でのパンサークローたちが原作に沿ってるのかはあんまりよくわかりませんでした。

でも、二時間弱の映画としては、勧善懲悪な娯楽映画として、秘密結社(?)あり、その手下数名の挑戦あり、ハニーと仲間たちの交流シーンありで、盛りだくさんだったと思います。

全体は、とにかくサトエリのプロモビデオばりで、もう不必要なほどのコスプレが印象的でした。

そして、このおちゃらけ映画の中にあって、篠井さんと手塚さんの主従関係にうっとりし、ミッチーのいかれぶりを堪能し、はいりさんのバカっぷりに大笑いできるのだから、なかなかにお得な部分もあるのでした。

アイドル映画だと思って斜にかまえてみてると、意外にまっとうな部分を目にして、驚くこと請け合い。

結構頑張って作った映画だなぁと思いましたです、はい。
1947年、敗戦国日本に続々と派遣される米国進駐軍。軍楽隊出身のテナーサックス奏者・広岡(萩原)は、ベースの平山(松岡)、ピアノの大野(村上)、トランペットの浅川(MITCH)、ドラムの池島(オダギリ)と共にバンド「ラッキーストライカーズ」を結成し、米兵相手に武器を楽器に変えて、自分の人生を切り開こうと演奏を続けていた。やがて音楽を通じて、かつての敵である米兵との間に友情が芽生えるが、平穏な日々は長くは続かなかった…。

ジョーが出てたので。
主演はどちらかというと苦手な俳優だったけど、まあそれなりに楽しくみることができました。

ジョー扮する青年が、どこか天然っぽいのがなんだか合ってて、面白かったですね。
物語そのものはともかく、結構キャラがたってるお話だったので、それぞれのキャラを眺めていて、気がついたら終わってたといった感じ。

ただ、自分があんまりジャズを知らなかったこともあって、彼らの音楽がジャズとしてどうだったのか(物語中でのスタンスという意味だけど)とか、ダニー・ボーイがなんであんなに作用するのか、そのあたりがちょいとノリそこなっていた気がする…。

監督は、「ぼくんち」の人だったようで、実際子どもの撮り方が同じ視線に見えました。

ジョーファンなら新たな彼に出会えてイイと思います。
吉田秋生のコミックスを映画化したもの。同じく吉田さん原作の映画「桜の園」と似た雰囲気の静かな映画になってました。

しかし、「桜〜」の映画版では女子高の独特な世界観がよくも悪くもちゃんと表現されていたのに対し、「ラヴァーズ〜」のほうは脚本が弱かったのか、散漫な印象をうけました。

単純に俳優が若手だったせいもあって演技力がイマイチだし、個人的に美形に見えない俳優が主要キャラにいたりして、どうもすっきりしないんだよね。
少女漫画の映画化ですから、やっぱり俳優は美形で行って欲しいのよ(笑)。

それと一応主役の二人が、キャラの雰囲気と役者の雰囲気が合ってなかった感じがあって、それも残念。

それでもコミックスの入り組んだ物語を、頑張って脚本に入れようとしている様子はうかがえました(^^;。

原作大好きな人だと否定したくなる部分が多く気になりそうだけど、映画単独で見るとまあこういうのもアリかなと思います。

●「老人Z」

2005年4月24日 映画
近未来、高齢化が進んだ社会に対応するため厚生省が開発した老人介護機械・自己増殖機能をもつ第6世代コンピュータ「Z001号機」。だが、このコンピュータはサンプルに選ばれた老人を取り込み暴走。ボランティア女子大生やマスコミを巻き込んでの大騒動となる…

ボランティアでおじいちゃんの世話していた春子。
しかしおじいちゃんは、マシン管理された新たな介護用ベッドの被験者に選ばれてしまう。

朦朧とした意識がほぼない状態のおじいちゃんの姿がかわいそうで、そして、ベッドに内蔵されたパソコンから春子へ助けを求める通信があったこともあり、春子たちはおじいちゃんを救うべく奮闘することになる。

介護用ベッドに内臓された第六世代パソコンの進化や、病院の老人病棟で暇つぶしにハッキングする爺さんズ、第六世代パソコンに隠された秘密の機能をモニターしたい役人たちとのドタバタ活劇です。

作成は91年だそうで、結構古いものですね。
たしかレンタル開始された当時に一回見てるのだけど、ほとんど内容を忘れていて(^^;、今回新鮮に見ることができました。

クライマックスの春さんの変形とか、敵(?)マシンの殲滅とか、どことなくパトレイバー劇場版1を思い起こせるものがありましたが、まあでも楽しいエンタメになっていたと思います。

脚本演出が大友さんだし、キャラ原案は江口さんだし、当時としては頑張ったOVAだったのでしょう。

決めゼリフは「厚生省をなめんなよ!」ですかね(笑)。
主演は「キューティ・ブロンド」のリース・ウィザースプーン。

有名なコメディエンヌというとなんとなくメグ・ライアンなような印象があったのだけど、このリース・ウィザースプーンも立派な(笑)コメディエンヌとして活躍してますね。
どことなくバランスの悪い顔をしている印象があるんだけど、でもその表情がくるくる変わるのが可愛く見えるから不思議だ(笑)。

デザイナーとして成功した女性が、高いステータスを備えた男性からプロポーズされるが、実は彼女のはそれをすぐに受けることができない理由があって…。

なかなか軽く楽しめた作品でよかったと思う。
最後にどちらの男性を選択するかは、ちょっと意外な気はしたけど。
そして、選ばれなかったほうの男性がちょっと格好良すぎだよね。笑顔で彼女を渡すより、もう少し悔しがって欲しかったなぁ。ま、それを見せないのがジェントリだと思っていたのかもしれないけど。

二時間弱、良い娯楽作品だと思います。
フランスの田舎にある小さな小学校に勤めるひとりの教師と、そこに通う13人の生徒との心温まる交流を捉えたドキュメンタリー。退職を控える教師が、生徒たちに学ぶことの素晴らしさ、人との関わりの大切さを説く姿を、詩情豊かな美しい映像で綴っていく。

ドキュメンタリー映画でした。最初、物語なのかと思って、いつ事件が起こるのか待ち構えてしまったよ(笑)。

フランスの田舎にある小学校を舞台に、13人の生徒たちと校長を兼ねるただ一人の先生との交流を描写したものです。

小学校とはいっても幼稚園も兼ねているので、ロペス先生は本当に大変だったろうと思う。
しかし、どんなに小さい子に対しても、常に会話を大切にお互いの意思や意見を口にすることで人間同士の関係性を築き上げていこうとする姿勢は、すばらしいと思う。

子ども同士の喧嘩の仲裁をしたり、小さな子たちの素朴な疑問に噛み砕いて答えたり、ママを恋しがって泣く子どもに一生懸命語りかけたりと、ロペス先生が苦心しながらもしかし愛情をもって子どもたちと接していたのが印象的。

途中、家で算数の勉強をしていた子どもへの計算の教え方で、まわりの大人のほうがヒートアップしていって、子ども自身はその迫力に置いてきぼりにされてるのが、なんだか笑えた。

大きな事件もなく、淡々と学校生活を描写する映像が静かで、この学校の雰囲気をよく現していたと思います。
←これは本の紹介だけどね。

短編集…といった感じでしょうか。
ペットであるところの犬と、それに関わる人間を描いた物語集。

個人的にものすごく気に入ったのは、最初のミュージカル仕立ての「うちの子が一番」(笑)。
渡辺えり子と佐野四郎がイイ味を出してるのよねえ。そして、その親バカぶりが笑える。
この話が一番単純に楽しめたと思う。

他の話はどうもじんわりというか、しみじみというか、涙ぼろぼろというか、しっとりしたものが多くて。

あ、佐藤隆太のはコメディだったか。あれも乙葉とのコンビがよかったな。

もともとは中村獅童を見に行ったのだけど、微妙に後味が悲しくてねぇ。
ポチの物語としては、予測の範囲内のものだったけれども、やはり…。

そして、最後の「ねぇ、マリモ」ですよ。
これはもう反則だね。あれをみて、犬好き(動物好き)がヤられないわけがない。
最初の語りから、オチというか最後が予測できるわけだけど、それでも涙がとまらないのですよ。

人間より寿命の短い生き物を家族にすることで、すでに逃れられない悲しみは控えているわけで、自分も実家での犬と別れてる経験があるから、余計にねぇ。

映画が終わってテロップが流れてる間、一人も席をたたなかったのは、映画に感動して最後までみてるというよりも、涙でぐしゃぐしゃになった表情を外で見られてもはずかしくないようにして、心を落ち着けるのに必要な時間だったっぽい(^^;。

斜め前に座っていた女性は、こっそり目の下あたりの化粧を直してたのが、テロップの明かりに照らされて私には丸見えでした(笑)。

映画館(四階)から出るエレベータでは、同じ映画を見ていた学生カップルが、「一人で観に来ていたおじさんが、ものすごい号泣しててすごかったねぇ」と笑って話しているのが聞こえた。

私の後ろにも中学生グループが座ってたけど、私も彼女たちにそんな風に笑われちゃってたのかしらんと、ちょっと恥ずかしくなってしまったのでした…。

●「ふくろう」

2005年3月29日 映画
住民がいなくなって廃屋の群落となった開拓村で、9体の白骨死体が見つかった。しかし誰もいなくなった村で真相を知るものは森の主のような梟だけ。新藤兼人が原作・脚本・監督を手がけたミステリー。

大竹しのぶ主演。家族は彼女をすごく嫌っているのだけど、私は結構この人のこと女優として巧くて好きだなぁ。
なんというか、まるで北島マヤみたいな感じがして(笑)。

不毛な地で百姓になるしかなかった女が、夫にも逃げられ、娘と二人、飢え死にしそうなほどに追い詰められた。
そこで一念発起して娘と金を稼ぐことを決心する。

なんというか、かなり理不尽なホラーなんだけど、全体に流れるブラックユーモア調のストーリーが受け入れられるなら、楽しめると思う。

最後のスペシャルドリンクを飲んだ後の男たちの声が、それぞれ家畜の声として表現されていたのは、きっと主人公たちが彼らをみる視線がほとんど家畜を見るのと同じ意味合いであるということを示していたのか。
すなわち、自分たちが生きるための必要な殺生、だと。

そう思ってみると、全編とおして主人公母娘は悪気も(個人的な)悪意もなく、淡々と処理していく様子に、なんだか納得してしまうのだ。

最後には女性のしたたかさのようなものを余韻に残していて、不条理劇としては中々うまく出来ていたのではないでしょうか。

●「クイール」

2005年3月21日 映画
生まれて間もない子犬のクイールは、すぐに親元を離れてパピーウォーカー(香川照之&寺島しのぶ)のもとで1年間育てられ、そして盲導犬となるべく訓練センターでの生活を始め、多和田訓練士(椎名桔平)の訓練を受ける。やがて、盲導犬を断固拒否していた渡辺(小林薫)が、クイールのパートナーに決まったが……。


春休み企画なのでしょうか、ゴールデンタイムに放送してたので。

クイールは単行本や絵本にもなってるし、以前TVドラマにもなっているのでストーリーは知ってたのよね。

まあでも、椎名さんとか香川さんとか気になる俳優がいたので、楽しみにしてました。

面白いなぁと思ったのは、訓練師の多和田@椎名桔平が結構クールだったこと。
NHKドラマでは多和田さんって結構厚い人情派なキャラとして描かれていた、すごく犬好きな人だったのだけど、椎名さんの演じた役はもっと知的で犬との距離が近すぎない人に見えました。

その多和田さんが、クイールに待てを指示したままそれを忘れて別の犬の訓練をはじめてしまったエピソードで、長時間じっと待ちつづけたクイールに盲導犬としての適性を感じるシーンが印象的でした。

クイールは盲導犬としてはあまりよくない血統の出だったこともあって、多和田さんは適性に確信を持てなかったのね。
このシーンの、椎名さんのハッとした表情がなんだかすごくいい感じがして、お気に入りです。

犬たちの可愛さは格別ですな。
特に最初の生まれたばかりの頃の姿には、もうメロメロ(笑)。
小さい動物ってなんであんなに可愛いんだろう(笑)。

ほのぼのとした気分になれる物語です。

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