●「宇宙戦争」

2007年1月8日 映画
H・G・ウェルズが1898年に発表した小説を、スティーブン・スピルバーグ監督が映画化。世界各地で異常気象が発生するなか、港湾労働者のレイが住むアメリカ東部の街でも奇怪な雲が立ちこめ、稲光が落ちると、地底から巨大ロボットのような物体が現れる。異星人の襲来だと知ったレイは、別れた妻から預かったふたりの子どもを守りながら、必死に逃走。しかし、異星人のパワーは予想以上で、街はどんどん破壊されていく…。
オープニングから静かに恐怖が高まり、いざ異星人の攻撃が始まると、畳みかけるような迫力映像の連続。この前半には息をのむ。60mものトライポッド(異星人が操る兵器)がビルやフェリーをいとも簡単に破壊し、人間を一瞬に消し去る光線を発射するのだが、このあたりのパニック映像には、スピルバーグの真骨頂が発揮される。中盤からは、生け捕りにされた人間の悲惨な運命や、ついに姿を現す異星人など、スリリングな場面も配置。これらを2時間以内にまとめた手腕もさすがだ。


原作はウェルズ。ってことは、物凄く古い時代、SFの初期に作成された物語だってことです。
ということは、あの有名なオチの元ネタがコレだってことだよな、きっと。

映画そのものは、パニック映画ですので、恐怖に震える登場人物たちの挙動だとか、それらの演出、そして宇宙人の描写だとか、そういうところを見るものなんでしょう。

現代においては、物語の出来としては、かなり不十分というか、ツッコミどころ満載なんだけど、それは言わないのがお約束でしょうね(笑)。

ダコタ・ファニングの叫び声は、しかし、凄かった。
耳に張り付いて、頭が痛くなること必至(^^;。
水泳中毒、持続勃起症、強迫神経症・・・。
ヘンな病気とヘンな精神科医による気分開放ムービー。
「さあ、ストレスを笑え!」
伊良部総合病院の精神科医・伊良部一郎。彼はいつも白衣の下にヒョウ柄のシャツとブーツを合わせ、テキトーな診察でお気楽に過ごしている。だが何故か彼のもとには、その不思議な魅力に引き込まれるように患者が次々と訪れるのだった。そしてまた、徹夜仕事の合間でもプールに通うプール依存症のエリート管理職・大森和雄、24時間勃ちっぱなしという継続性勃起症の営業マン・田口哲也、確認行為を極度に習慣化してしまう強迫神経症のルポライター・岩村涼美ら、ストレスが原因による奇妙な病気に悩まされる患者たちが伊良部の診察室に駆け込んでくる。


ジョーが出てるしー、というわけで鑑賞。
しかし思いのほか、他のキャストもハマっていて面白いコメディだった。でもかなり人を選ぶ、かもしれない。

松尾スズキがはじけてますねえ。
彼の独特の挙動ってかなり不思議な感じがあるのだけど(笑)、それが伊良部というキャラクターに物凄く合っているような気がする。
原作は未読なのだけど、多分映画とはまた違った人物造詣なんだろうなあと想像します。おそらく松尾スズキだから、こういうキャラになったんだろうな、という造詣なんだもの。

その他、ジョーも市川さんも田辺さんも、俳優さんたちの持つ雰囲気と役柄が合っていて(そう感じられて)、だから巧いなあと。

私、田辺さんって特別好きっていう俳優でもないんだけど(^^;、でも彼がやる役で合ってないなーとは思ったことがない。
それだけ役を選んでいるのか、キャスティングの人が上手なのか、彼の演技が巧いのか、そのあたりは謎だけど(笑)、彼の役は大抵好きだな。
今回も、プールにのめり込んでいく男性を雰囲気たっぷりに演じていました。

脇役にも、岩松了さんとかふせえりさんとか出ていてイイ味を出してます、時効警察が気に入った人には、感性が合う、かも。
1950年、スウェーデンの家庭研究所では、ノルウェーの独身男性の台所での行動パターンの調査を行うことになった。調査員のフォルケは、老年の独身男性イザック宅へ。調査対象とは決して話をしてはいけないという規則だったが、ふたりいつしか話をするようになり、ゆっくりと交流を温めていく。
同じ部屋にいるのに無言でいるときの気まずい空気の妙なおかしさ、会話をかわしてから、ゆっくり広がっていくほのぼのした空気が心地よい。50年代の北欧のインテリアや車など美術にもセンスが感じられ、冬の景色は、しんしんと寒さを感じさせるものの、人間たちは品よく温かくて思わず笑みがこぼれてしまう。『卵の番人』でも斬新でユニークな世界観を披露したベント・ハーメル監督がつくり出した、幸せ気分にしてくれる上質のヒューマンコメディー。


キッチンでの動線を研究する、という目的にも興味を持ったけれども、とにかく私が最初にこの映画を見てみたいなーと思ったのは、他人の家のキッチンの隅で背高な椅子に座って観察する人、という場面を見たから。

ただでさえ狭いキッチンに、高みに座って、キチンと背広を着てノートとペンを手にした観察者、という構図。
シュールというかコメディというか。

一体どういうシチュエーションでこうなったのか、キッチンの動線研究?、しかも独身男性の??、あらすじを知る毎に興味は大きくなっていくわけでありまして、で、ようやくの鑑賞です。

映画はノルウェー・スウェーデンで作られたもので、普段目にする欧米の映画とは、雰囲気が違っていたのも面白かったですね。
雰囲気がたんたんとしていて、映画の舞台となっていた雪深い冬がとてもいい効果を作り出していたと思います。

登場人物は基本的に、研究対象となった老人と、それを観察する男性。
最初は拒絶、それが譲歩になり、小さな親切になり、交流となって、友情となっていく。
その流れがとても自然で、ゆっくりした物語の展開もあわせて、しみじみと伝わってきます。

クライマックスで初めて映しだされる春の緑は、彼らのパートナーシップの芽生えも伺えて、ほっこりと心穏やかになりました。

そうか、彼らは水鳥ではなくクマを選ぶ者同士だったんだな〜と。
金城一紀が原作・脚本を担当。彼の小説ではおなじみの高校生集団「ゾンビーズ」も活躍する熱いドラマだ。堤真一が演じる中年サラリーマンの鈴木が、娘に大ケガをさせた男に復讐するため、岡田准一演じる高校生、スンシンからケンカを習うという物語。やがて鈴木とスンシンには、年齢を超えた友情が育まれていく。プロットからして現実離れしているが、「作り物」として観れば、鈴木の不屈のがんばりに共感できるはずだ。真っ青な空や海など、全編に散りばめられた夏らしい爽やかな映像も、物語の嘘くささを薄めていく。


堤さんだしー、と思って鑑賞。

物語はかなり絵空事で、リアリティとかを求める物語じゃないですね。
ただし、描かれている小さなリアルや、散りばめられた笑いが好きなタイプには楽しめるお話となっていると思う。

ちょっと情けない感じの父親役が堤さん。彼は、年齢からいって父親役をやってもおかしくないのだけど、どうも私は彼に父性を観ることができない。

まあ、だからこそ動機の点で多少違和感を感じたものの、夏休みをかけたトレーニングシークエンスは、その彼の子どもっぽさというか、大人ではない低い目線での頑張りには、とても似合ったものを見ることが出来た気がする。

で、かなりイイ雰囲気を出していたのが、岡田クン。
私は彼を特別好きではないのだけど、この映画での彼はとっても独特の雰囲気をかもし出していて、惹かれるものがあった。

孤独感をまとっているのに、どこか寂しげな人恋し気な佇まいがあって、よかった。

大人と子どものセイシュン物語、といったところ。
出来れば夏に見ると、よりのめり込めそう(笑)。
ゲイ専用の老人ホーム。それだけでも、すでに異例の舞台。しかし、本作が語るのは、優しい愛の物語だ。ホームのオーナーであり、末期ガンで死が間近に迫るヒミコ、彼を見守る恋人の青年・春彦、そしてヒミコの実の娘・沙織。3人が織りなす人間関係は、屈折しまくって複雑だが、ホームの住民らとの交流で、沙織が人を愛そうとする過程が、感動的に綴られる。


オダギリのシャツ姿にそそられました(笑)。
あと、柴崎のブスさ加減にも感心しましたね。さすが女優ってか。

ゲイの老人たちの描かれ方が、誇張が大きくてちょっと辟易した部分もありましたけど、おおむねは許容範囲内ってところでしょう。

最後、ルビィのために泣きながら叫ぶ沙織@柴崎のシーンは、気持ちがよかったです。
マイノリティがお互いの傷をなめあっているような環境に対する沙織の苛立ちと愛情が感じ取れました。

それにしても、相変わらず西島さんのあの無表情が、演技なのかへたくそなのかが微妙…(^^;。
キャラとしてはまあアリな描かれ方だったけどねえ。

それと、やっぱり迫力があったのは卑弥呼@田中泯でしょうね。
末期ガンのわりには健康そうな外見でしたが(笑)、でも芯のある生き方を貫く、それゆえにある意味不器用な卑弥呼を力強く表現できていたと思います。

最後の最後の展開が、ちょっとなし崩し的な感じがあって、そこは残念だったけど、まあこの話としてはこれしかなかったのかなあ。
ちょっと勿体無かったかも。
かつてスーパー・ヒーローが活躍していた時代があった。しかし、彼らのパワーは時に破壊をまねくこともしばしで、やがてその活動を禁止された。それから15年、今はしがない保険会社の一社員として働く鬱屈した日々の中、けなげに妻子(彼女らもまたスーパー・ヒーロー)を養うボブのもとにスーパー・ヒーローとしての仕事が密かに舞い込んだ…。


劇場公開している時から気になっていたので、見れてよかった。

ヒーローものの物語をみていると、派手なアクションものになればなるほど、あの壊した建造物たちにたいする責任ってどうよ?、とかちょっと思ったりしたことがあったので、この物語の序盤では何だか凄く納得しながら大笑いして見ることができた。

前半はお父さんの悲哀、後半は家族愛な物語。
いやあ、お母さん、素晴らしいです(笑)。

ストーリー展開は、単純っていえば単純なんですが、一つ一つの運びがとても丁寧なので、飽きることもありませんでした。
子どもの目線でも楽しい話だろうし、大人の鑑賞にも十分堪える出来っていうのは、さすがピクサーだなあ。

今日は吹き替えで見たので、微妙に声が浮いた印象のキャラもいたのよね。
後日字幕でまた見てみたいです。
出張で少年時代を過ごした北九州・門司を訪れた鈴谷は、そこで20年前の自分に出会う。そして自分が1986年にタイムスリップしていることに気づく。そこで彼は、かつて手術を拒否して、難病で亡くなった憧れのお姉ちゃんを救おうと決意するが…。
タイム・トラベラー映画は、歴史を変えてはいけないというのがお約束だったが、本作は未来から来て、人の運命を変えてしまう物語。大切な人を救いたいという一途な気持ちに貫かれた作品。主演は伊藤秀明、ほかミムラ、勝地涼、そして人気脚本家の宮藤官九郎も役者として出演している。少年がそのまま大人になったような、まっすぐな性格の鈴谷を演じる伊藤秀明が好演。


だいたい過去へタイムスリップする話っていうのは、過去を変えてはいけないという基本姿勢があって、交差する人間関係に葛藤する姿を描くことが多いのだが、この映画はそのあたりばっさりいっちゃってます(^^;。
えええ、いいの、そんなに簡単に過去を変えて。みたいな。

メインは、バイオリン弾きの彼女とその彼女を救おうとする青年の話。
そこに、チンピラになるしかなかった青年だとか、過去の過ちをずっと胸に潜めて後悔していた青年だとかが出てくるのだけど、ちょっと映画としては蛇足だったかなあ。

タイムスリップした状況(理由)を考えた場合、メインとなる青年ひとりだけがそういう状況になったというより、近くにいた数人も一緒に、というのはわからなくもない。

でもさあ、少なくとも映画では、他のキャラたちがうまくいかされてなかったような気がする。
こういうエピソードもありましたよ、みたいな、なんだかとってつけた脇筋みたいで。
特にクドカンの話がね。勿体無かったなあ。

ともあれ、最後までみて思ったのが、歴史を変えたことで人生の変わった彼女が、あれで本当に幸せだったのかなあ?ということ。

彼女に対する感情を昇華させた青年は、そりゃ自己満足みたいな部分はあったんだろうけど、最後に青年が誰だったのかをしった彼女の表情からは、満足感というよりも諦めというか、幸せそうには感じられなかったんだよね…。

そして、クライマックスで描かれるあの世界で、本当に安らいだ表情で口付けを交わす彼と彼女の姿が、あまりにも現実世界での彼女の表情とは違って見えて、結構シニカルなイメージを受けました。
少なくともハッピーエンドだったようには見えなかったのよね…。

原作はもうちょっと各キャラクターたちが細かく表現されてるのかしらん?
交通事故にあって以来、記憶障害で短期の記憶を維持できず、一晩眠ると忘れてしまうルーシー。そんな彼女に恋したヘンリーは、毎日彼女にアプローチしてはフラれる日々を繰り返す。しかし、彼女の中に変化が訪れていた。恋はルーシーの病を治すことができるのか…。


ラブコメはあんまり好きじゃない私でも楽しめました。
甘々なだけじゃない設定がよかったのかな。
あと、主人公二人が、美男ー!美女ー!って感じ「じゃない」のが、イイ(笑)。←いや、格好いいとは思うけどね。

毎日、自分のことを忘れちゃうルーシーに、毎日アタックするヘンリーの、その毎日のアプローチ方法がコミカルで楽しめます。
私が好きなのは、やっぱりペンギン危機一髪なシーン(笑)。
ヘンリーの職場でのセイウチとか、動物も頑張って演技してたのも気に入りました。

短期記憶障害ということで、ラストがどうなることかと思っていたけど、これもまた御伽噺としては申し分のないハッピーエンドでした。

ところで。
ルーシーの弟役、今調べたらショー・アスティンだったことが判明。
ぜ、全然気がつかなかったよ〜(^^;。
サムとは全然違いましたけど(笑)、いい演技してました。
2019年、リンカーンは大気汚染から救いだされ、完璧に管理された味気ない都市空間のコミュニティで暮らしている。安全で快適だけれど、退屈な日々。唯一楽しみは女性の居住棟で暮らすジョーダンとの心はずむ会話だけ・・・。ここで暮らす人々の夢は、地上最高の楽園「アイランド」へ行くこと、ときどき行われる抽選会が彼らの最大の関心事だ。しかしリンカーンはある日ふとしたことから、この都市空間の恐るべき真実を知ってしまう。逃げることだけか生き延びる手段と知った彼はジョーダンとともに決死の脱出に挑む!二人を捕獲するために組織された大規模なセキュリティーチームの容赦ない追跡、陸・空を駆け巡る息詰まる攻防!果たして彼らは、生き残るために、そして仲間を救うために逃げ延びることができるのか!?


ハリウッドの作品に多大な期待はしてないからいいんだけどね。
いや、質がどうこう…ってことより、自分の趣味から外れてることが多いっていう意味で。

で、上映しているときから、設定が某漫画にソックリだという話もいろいろ見かけていたので、さて、どんな塩梅になってるのかなと気楽に鑑賞してみました。

SF的には、細胞培養でクローン人間を作ると成長には人間と同じぐらいの時間がかかってしまうので、20歳の人間のクローンを作った場合に本体の年齢に近づいてしまうクローンは作成できない(同じように年をとるから)という設定のものが多かったと思うのだが、この映画ではそのあたりの説明はなかったように思う。
てか、そういう細かいツッコミをし始めるときりがない展開ではありました(^^;。

そういえば、ハリウッドSFってネバネバベトベトが好きだよなあ。
今回のクローン誕生時の育成用液体もどろどろでした。
ああいうの、見てるだけで気持ち悪いよう。嫌いなんだもん。

前半の施設生活は楽しかったけど、後半のアクションは眉唾。
運だけで乗り切った主人公にあんまり魅力を感じられなかったのが原因でしょう。

ま、こんなものでしょうかねえ…。
なんとなくTVをつけたら、偶然WOWOWで始まったところだったので、思わず最後まで見てしまった…。

映画は、修道女として弱者を救うことで神の意思に沿おうと行動し続けてきた、一人の女性のドキュメンタリー風ドラマという感じでしょうか。
彼女の長い一生と偉大な功績を表現するには二時間は短いように思いましたけど、こういうことを成し遂げた人がいたのだ、ということを知るには(つまり入門編)丁度いいのかもしれません。

私自身は、自分の中に特定の宗教を持っているわけではないこともあって、「それが神の意思であるのならば」という言葉(を言う人)に、どことなく無責任さを感じていることがあります。

この映画の中でも、何度かマザー・テレサのセリフとしてこのようないいまわしがあるのですが、しかしこの映画をずっと観ていくと、後半になって同じこのセリフがちょっと違った意味合いとして聞こえてきたのには、我ながら不思議に思いました。

マザー・テレサの生き方の中に、このセリフにこめられた想いの説明が表現されているように見えたのかもしれません。

稀有な人であったと感じました。

●「NANA」

2006年9月1日 映画
カリスマ的な人気を誇るコミックを、原作ファンの期待を裏切らない、ぴったりのキャスティングで映画化。描かれるのは原作の5巻までの物語で、ナナと奈々の出会いと再会、それぞれの東京での新生活と、複雑な恋のドラマが展開する。2人が共同生活する「707号室」のインテリアや、ナナが愛用するヴィヴィアン・ウエストウッドのファッションなど、原作の世界が無理なく映像に溶け込んでいるのが成功の理由だろう。


春からの深夜アニメ版を見ていて、なかなか面白いな〜と思ったのでした。
その後コミックスを四巻ぐらいまで読破、の状態でWOWOWでやってた映画版をチェック。

二人のナナを主人公にした恋愛物語なんだけど、演出が巧いですね。原作の。
一見普通の物語展開に見えているのに、途中で挟まれる奈々のナレーションという形のモノローグが入ることによって、後に何らかの悲劇(アクシデント?不幸??)が予感できるよう描かれていて、そのあたり魅せ方が巧いというか、ズルイというか。

コミックスは現時点では15巻ぐらいが最新だったはず。
噂ではすこしどろどろしてきたそうなのだけど、実際どうなんだろう。ちょいと気になります。

深夜アニメのほうは、八月末でようやく映画版のラスト付近まできた感じ。
ってことは原作の五巻ぐらいかな?
アニメ版で原作のどこまでをやるのかわからないけど、結構楽しみです。

あ、そうそう、映画版の感想をちょこっと。

ナナの役の中島さん。メイクも衣装もバッチリ「ナナ」って感じでハマってたけど、ひとつ残念なのは背が低いことかな〜(^^;。
ナナは、すらっと長身で、ハチの飼い主なんだから、もう少し背が高く見えるように演出して欲しかったです。残念。

●「United93」

2006年8月23日 映画
AmazonにはまだDVDはでてなさそうだったので、映画のURLを。
ttp://www.united93.jp/top.html


突然思い立って、鑑賞してきました。

9.11のテロでハイジャックされた飛行機は四機あり、そのうち建造物にアタックしたのは三機。
最後に落ちた一機だけは、ターゲットにたどり着く前に墜落したのです。
映画は、この最後に落ちたアメリカン航空のUnited93についてのドキュメンタリー風ドラマです。

あのテロは、日本時間では夜22時ぐらいでしたね。
丁度仕事から帰ってきて食事が終わった直後ぐらいだったでしょうか。家族で何気なくみていたTVがいきなり切り替わって、事故のレポートになったのを覚えてます。
二機目がWTCの南塔にささったところで、事故じゃないという確信に至った衝撃が、未だに忘れることなく残っています。

映画を観終わって印象的だなあと思ったのが、クライマックスにいたるまで、機内にいた全員(もちろんテロリスト含む)が「神」にすがるようにしていた姿。

結局のところ、ハイジャックを行ったテロリストたちの動機は、自分たちの神を強く信じる、その信仰心だったのだと感じました。

そのやり方(行動)は認めることは出来ませんが、しかしそこに至った「個人の理由」には、部分的であれ、理解あるいは共感できるのだなあ、と。

遺族の方の心情として、テロから五年後である今公開されることが妥当であるのか、早すぎるのか。
私にはその判断はつきませんが、しかし、あの出来事を大袈裟に美化することなく表したこの映画を作った人たち・公開した人たちには、観せてくれてありがとうと言いたい。

ありきたりな言い方だけど、
「忘れてはならないもの」のうちの一つだと思うから。

リンクは、United93に乗っていた乗客トッドの妻が書いた本。彼女は、夫からの電話で機内の様子を知ることができた。
乗客たちが、いかにテロリストと対峙したのか、その一部をうかがうことができるようだ。

←リューク、格好エエ…(笑)

気がついたら、LastWeek上映になっていたので、慌てて観てきました。

やあ、なかなか頑張って作ってたな〜というのが感想ですねえ。

ただねェ。
漫画的表現…って言うのかなあ、漫画の中では許される特異な表現みたいなものがあると思うのね。
それを実写映画でも忠実になぞらえようとしているのが、一部ちょっとしっくりきてないなーと思ったけれども、まあその比重は少なかったのでヨシ。

FBI捜査官の彼女の復讐エピソードまでで前半が終わってました。
後半はL編の最後までって感じでしょうか。

しかし、原作はL編の後、メロとニアが出てきて、で、クライマックスを迎えていたわけで。

映画として、L編で終わっちゃうと、これから月はどうなるのーとか、キラ様の世界征服は?とか、謎が未回収になるよねえ。
ってことは、L編の最後に、原作のクライマックスを絡ませて、映画の決着をつけるのか?
それとも、オリジナル展開で、クライマックスにしちゃうのか?

その辺りが、後半の見所(というか、楽しみ)になりそう。
ただし、願わくば、単純にLが勝っちゃうのだけは勘弁して欲しいなあ。
巧く魅せて欲しいですな。

そうそう。
全CGだったリュークは、ちょいと馴染んでなかった気がする。

動きが気持ち悪いぐらいにCGで(笑)、最初のうちはかなり違和感を感じた。
まあでも、だんだん見慣れてくるに従って、これらの微妙な目の動きだとか肌の質感だとか、「死神だから、人間のキャストたちと違うっていう感じがしてもアタリマエ…かも」と許せるようになってしまったのでした(^^;。

とりあえず、続き(後半)も観たいな。

余談。
パンフに載ってたスガシカオの文章で、笑った。
コミックス派の彼が、ジャンプ派の知人にクライマックスをネタバレされたって話。
たしかに、この話で最後ネタバレされたら凄く嫌だよなあ。

●「ゲド戦記」

2006年7月31日 映画
気になっていたので、見てきました。

公開してまだ数日のうちに映画を観るなんてのは、私にしてはかなり珍しいです。

特に待ち焦がれていたわけでもないのに何故かというと、ジブリは公開されると物凄い勢いで情報流出がされるので、すぐに観ないと逆にもう観なくてもいいかな…みたいなお腹一杯状態になっちゃうんだよね。

すでに公開直前の時点で、テルーがアレンに名前を告げるシーンがCMで流されてて、あのシーンの重みが一気に(私の中で)地に落ちてしまったということもあるし…。

20時台の上映ということで、私がいつも見るような時間に比べると人が多いだろうなとは思いましたが、それにしてもホントに多かった(笑)。
しかも、子ども(小学校低学年以下)が結構いたのには驚き。
いくら夏休みとはいえ、終演が22時前後になる映画を見せる保護者にびっくりですよ。…頭、固いかなぁ?

とはいえ、満員状態の客入りだったわりには、静かに鑑賞できました。
比較的マナーのいい客が多かったのが幸いだったね。

公開されて間もないので、内容に関する詳細は書きませんが…。
原作のファンには、おすすめできないと思います。

なんかね、好意的に観れば、そして初監督作品であることを考えれば、まずまずの出来なのかなあ?とも思うけど、でもあれだったら、ゲド戦記じゃなくてシュナの旅の映画化にすれば?ってのが本音。
原作をゲド戦記にした理由が、理解できない。

いえね、宮崎両監督のゲド戦記への思いだとか、鈴木プロデューサの戦略として、タイミング的にゲドが使えたからってのがあるんだとは思うのですが、出来上がったあれをみて、ゲド戦記ってああいう話なんだーと思われるのが、とても悔しい。

ジブリの原作クラッシャーぶりは有名だから、別に全く同じものを期待していたわけじゃないんだよね。

ハウル(先日TVでやってたので観た)だって、原作のほうが私は好きだけど、映画単体で考えた時、あれはあれで一つの作品だなあって思えた。
原作とはストーリーがかなり違うけどね(くどい!(笑))。

でも、これは…ねえ。

正直定価で観たい映画じゃなかったです。…とか書いて、1000円で観たんだけどさ(^^;。

ジブリの熱狂的なファンならともかく、逆に原作が大好きな人には、向かない作品になっていると思います。

自分が原作よりなので、かなり否定的なことばかりかいてるので、以下気に入った部分を。

映画オリジナルのウサギがいいですねえ。

宮崎作品にはお馴染みな敵キャラ造詣がされていて、とても可愛い。ナウシカのクロトワそっくりで(笑)。
声も、私が好きな香川さんだったので、登場シーンがラブリーで好きになりました。

あと、思ったよりもアレン@岡田クンの声がしっくりきてましたね。若々しい雰囲気が出てたように思います。

テルーの声は…声そのものは綺麗で役にあってたと思うけど、さすがに新人なのでヘタだった。ま、そのヘタさが、テルーの頑なさに通じるものがあったかも…ってのは、かなり甘い評価ですけど(^^;。

さて、公開終了してから、この映画がどう評価されるのか、そのあたり気になりますなあ。
10歳の少年が繰り広げる冒険の数々を、子どもの目線で描いたハートウォーミング・ストーリー。初恋や、初めての海外、そして日常の冒険など様々な出来事をユーモラスに描く。


少年の視点から世界を覗くと、こんな感じなのかな、と思わせる作品。

前半はおとうさんは何処に?事件、後半はおとうさん探し冒険の二本立て(笑)。

子どもが主人公の物語なんだけど、アメリカ映画とは違い、ところどこにシニカルなエピソードが含まれていて面白い。あ、この映画はフランス製です。

10歳半っていうのは、そろそろ自我が強くなってきて、大人社会を覗きたくなる年頃…ってことなんでしょうか。
でもその考えの根っこがまだまだ子どもで、そんなアンバランスな自分を持て余しつつも、毎日にチャレンジしている様子が伺えました。

セザールくんが、可愛くていいですねえ。
D.C.7(2005)年12月26日に国際フォーラムで行われた恐怖の復活祭FINALをDVD2枚に余すことなく収録予定。感動のラストシーンが今蘇る!

←今回の毎月聖飢魔II作品(笑)のAmazonの写真がほとんど全部一緒ってのは残念だなあ。まあこのショットも綺麗で結構好きですけどね。

ああ、毎月聖飢魔II月間も、これで終わりです。
Finalミサの最終日、丸ごと入ってます。
MCもほぼ全部。

もともとサービス精神旺盛な彼らですけど、最後の最後まできっちりしっかりと演出してくれました。

解散の時の完璧な演出とはちょっと違い、構成員全員がエンターテイナーに徹し、楽しみながら楽しませようとする姿が、こちらまで嬉しくなります。

ミサではおなじみの「紅玉」の唱和とか、信者と一緒に悪魔組曲♪とか、見ていて参加できなかったのが本当に悔しくなりました。

そうそう。
今回の再集結では、過去の構成員も参加していて、もともと聖飢魔IIはツインギターで音が派手目に鳴るグループだったのだけど、ここにジェイル元代官とゾット親分まで入ったので、最後はギター三本にベース二本の大迫力!

ちゃんとそれぞれのギターソロが演出されていて、あんまりギターに詳しくない私でも、個々の特徴が感じられて圧倒されました。
う、巧いよ〜〜。

トークでは、イェーイのおじさんが最高に面白かった。うくく、和尚、大好き!(笑)

これで、また暫く(?)彼らの新しい音が聞けなくなるのは残念です。
もしまた次の機会があれば、絶対チケ戦に負けないゾと気分も新たにしました。
地球デビュー20周年を記念して、期間限定再集結した聖飢魔2に迫ったドキュメンタリー作品。全国ミサツアーやリハーサル映像、各構成員のインタビューなどを収録。


再集結ツアーでのドキュメンタリー。

すでに人間として活動している構成員も、お約束通りに人間姿の時にはモザイク(笑)がかかっていました。

六年ぶりの変身をしていた構成員の方々の様子が興味深かったですな。
私服姿でやってきて(もちろん下半身の映像しかない)、その後変身すると、あのお姿ですから。
ギャップというか、インパクトというか…。

それにしても参謀、久々だからって、変身済みの構成員と一緒に写メールって…(^^;。
それってまるで一般人な反応ですよ(笑)。

仲たがいして分かれたバンドじゃないので、再会にあたっては皆さん和やかで、見ていて安心できるのもいいですな。

一般向けではないとは思いますが、いまだ信者であるなら(笑)ゲット必須でしょう。
←パッケージの神木クン、可愛い〜(笑)。
母親が他界し、父親と素直に向き合えない息子と、息子との信頼関係を築き上げたい父親の二人を描いたハートウォーミングストーリー。


公開中に偶然本屋でポスターを見たのよね。で、なんとなーくタイトルと宇梶さんの姿が記憶に残っていたのでした。
たまたまWOWOWでやると知ったので、チェック。

舞台は1980年。ちょっとだけ昔。
売れない、もういい年になったプロレスラーのお父さんと、母を亡くした少年との、オーソドックスなドラマ。

ストーリーは何のひねりもなく、ありがちなパターンをふんで、最後にはまあ父と息子が通じ合うことになるのですが(^^;、そのわりには楽しく見れました。
いや、こういうパターンものって、個人的にあんまり楽しめることが少ないので、我ながら珍しいとは思うのだけどね。

宇梶さんの頑張りが、ちょっと情けなくて格好いいなあと思います。金髪にしちゃうところとか、一度腹を決めたときの潔さとかね。

神木くんは、相変わらずかわいらしい顔をしておりますなあ。
このぐらいの年齢の少年が、一番美人さんだと思うのよねえ。オトコノコって、育っちゃうと変化するからねえ。
そして、イイ方向に変換する確立は、結構低い(^^;。
神木くんはどっちに変化するかな?

脇役の南果歩が結構よかったです。
最初、犬山さんと間違えてたってのは内緒(笑)。
いや、あの、派手な化粧はちょっと見間違えますって。

ところで、プロレスの興行って、町の体育館とかでやってたような覚えはなんとなくある(ポスター見たことがあるし)のだけど、プロレス舞台から手作り組み立てしての興行ってのは始めてみました。
昔はそういうものだったのかな??

とりあえず宇梶ファンと神木くんファンなら、一見するべし。
1959年、ニューヨーク。かつてはブロードウェイで栄光を極めたものの今やすっかり落ち目のプロデューサー、マックス・ビアリストック。製作費を集めるため、今日も有閑老婦人のご機嫌とりに悪戦苦闘。そんな彼のもとにやって来たのは、異常に神経質な小心者の会計士レオ・ブルーム。さっそく帳簿の整理を始めた彼は、ショウが失敗したほうがプロデューサーは儲かる場合もあるという不思議なカラクリを発見する。それを聞いたマックスは、大コケ確実のミュージカルを作り出資金を丸ごといただいてしまおうとレオに協力を持ちかける。一度は拒否したレオだったが、小さい頃からの夢だったブロードウェイのプロデューサーになるチャンスと思い直し、マックスのもとへと舞い戻る。かくしてレオとマックスは史上最低のミュージカルを作るべく、まずは史上最低の脚本選びに取り掛かるのだが…。


近年日本に輸入されたミニュージカルの映画化っていうと、「シカゴ」とか「オペラ座の怪人」などがあるわけですが、この映画もそれらのミュージカル映画に並び立つ面白コメディでした。

でも個人的な好みからすると、この作品はちょいと下ネタが多くて下品だったなあ…。
あんまり大画面で下品な作品は見たくないので、その点がちょっと…と思ったけど、これは完全に好みかもしれないですね。そのあたりを笑い飛ばすことができるなら、楽しいと思います。

一番のお気に入りは、カルメン役のロジャー・バート。
もう大ファンになっちゃいましたよ!

受話器を手にとるときの小指の立て方は基本ですが(爆)、それを抜いても、あの黒衣装での立ち姿だけでゲイってわかりますから!!
彼が出てるシーンは、主役の二人そっちのけで目が釘づけ状態でした(笑)。

あとは、演出家ロジャー@ゲイリー・ビーチ。
彼の初登場シーンのドレスもゴージャスでしたけど、必見はやっぱりクライマックスでの劇中劇での姿でしょう。

どことなくナヨっとしたあの役…(^^;。
当初のキャスティングだったら、主人公たちの企みは成功しただろうけど、…でも実際代役だからこその爆笑劇になったわけだしね。

こういうコメディを見るときは、一緒にみてるほかのお客のノリも結構大事で、今回はしっかり爆笑してくれる客が多かったのもよかった。

そうそう。
この映画は最後のテロップまで席を立っちゃダメですよ〜(^^)。
歌も終わって、長ーいテロップまで終わってから、メインキャストたちが再登場しますから。
これも面白い仕掛けで、コメディを十分堪能した〜って感じました。
←絵が出るので、本のほうをリンク。
美しいワイオミング州の山々。ふたりのカウボーイが羊を放牧している。ワイルドで牧歌的な風景に奏でられるのは、彼らの愛の物語。男同士の関係を描きながら、これほどまでに万人を感動させる映画は、過去になかったかもしれない。イニスとジャックは、ブロークバック・マウンテンで燃え上がった愛を、その後、失うことはなかった。ともに妻を迎え、子どもを授かっても…。
物語は1963年に始まり、舞台は保守的な中西部なので、当然、厳しい現実が待っている。そして、妻たちの悲しみもある。アン・リー監督は、それらすべてを過不足なく描き、主人公ふたりの愛を際立たせていく。


地方の公開なので、開始も終了も遅いのよね。
っちゅーわけで、今頃見ました。

トレイラーとか、公式Webページとか、アマゾンとかでは、二人の間に友情が芽生え、やがてそれが愛情になり…と紹介されてますけど、友情のシーンはあったんでしょうか?(^^;
ゲイの映画だっていう先入観があったからでしょうけど、ジャックなんかは一目惚れっぽかったような…。

あと、やっぱり映画っていうのは最後に(感情が)沈むのって、どちらかというとあんまり好きじゃないなあと自覚しました。
「ミリオンダラー・ベイビー」もそうだったけど、映画の凄さとか評価とか、そういうのとは別で、重いのって辛い…。

そうそう。
映画のパンフって買わない人が多いらしいのだけど(私は必ず買うタイプ)、このパンフは、映画を見て気に入った人だったら、絶対読んだほうがいいと思う。

映画だけでは細部がわからなかった私は、頭が悪いのかもしれないんだけど、パンフを読んで情報を補完しちゃったよ(^^;。
…それともそういう細部はわからなくても、映画だけで感じればOKという監督の意図なんだろうか。

ともかく、ラリーンとイニスの電話で明かされる理由が、実は嘘だったんだって気がつかなかった自分が情けない…。
いやね、少しは疑ったんだけど、まさかね…って思っちゃったんだもん。あんまりに酷すぎて。

あと、イニスがアルマに代償行為をしてたってのも、気がつかなかったよう。後ろからって…胸が嫌だったのかなとか、見当ハズレ?な想像してました…(^^;。ダメダメだな、私…。

それにしても、イニス。
ヤツは一体何なのよう!(怒)
トラウマだとか、時代背景だとか、いろいろあるんでしょうけど、それにしてもあの煮え切らない姿が許せない。

ジャックがあまりに可哀想すぎる〜〜〜(涙)。

最後にクローゼットとして生きる決意をした…らしいけど、彼はそのぐらいの十字架を背負って生きて欲しいと思ってしまいました。
そのぐらいジャックのためにも、してあげて欲しいもの。

役者さんは、個人的に好きなジェイク・ギレンホール@ジャックが可愛くて嬉しかったな。
あの可愛さで老いを表現するためには仕方ないのかもしれないけど、あの髭はちょっと笑ったが(^^;。

ヒース・レジャー@イニスって、いくつぐらいの俳優さんなんでしょう。
ジャックとのつりあいを考えた時、なんだか年が上過ぎ…に見えない??(^^; 外見だけなんだけどさ。
内に熱いものを秘めつつも、寡黙な男の演技が格好良かったですね。

最後に出てきたジャックの母親役の人(女優さんの名前わからん)。
しみじみとした演技と、イニスとの最後の目線での会話が、雰囲気が出ててイイ感じでしたね。

とりあえず、もう一回ぐらいは見たいなあ。
WOWOWでやるかな?

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