映画の日本公開って去年だったよねぇ?
それでもうNHK放送って、随分早いなあ。嬉しいけど(笑)。

現代版シャーロックのキャストで、過去ヴァージョンをやるのかな?と思っていたら、そんな単純な話ではなかったのでした。
一応、メインな謎解きは過去版での描写になっていたけど、総合演出としては現代版の出張版というかアレンジ版というか…。

シャーロックの病的なところとか、モリアーティの狂言回しな感じとか、相変わらず効果演出がマニアックな感じ。
それでも、一応メジャーなエンタメとして成立されているあたり、巧いなあと。


子どもの頃に読んでいたファーストインパクトがアルセーヌ・ルパンだった私にとっては、シャーロックはルパンの仇で(^^;、結局馴染みのないままきてしまったけど、こういう新感覚なドラマになって接することができたのは、これはこれで面白いものですね。

TVシリーズの最新は来年になるらしいので、そちらも楽しみです。
1979年、カリフォルニア。
シンガーを夢見ながらもショーダンサーで日銭を稼ぐルディ。
正義を信じながらも、ゲイであることを隠して生きる弁護士のポール。
母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年・マルコ。
世界の片隅で3人は出会った。
そして、ルディとポールは愛し合い、マルコとともに幸せな家庭を築き始める。
ポールがルディのために購入した録音機でデモテープを作り、ナイトクラブへ送るルディ。
学校の手続きをし、初めて友達とともに学ぶマルコ。夢は叶うかに見えた。
しかし、幸福な時間は長くは続かなかった。
ゲイであるがゆえに法と好奇の目にさらされ、ルディとポールはマルコと引き離されてしまう……。
血はつながらなくても、法が許さなくても、奇跡的に出会い深い愛情で結ばれる3人。
見返りを求めず、ただ愛する人を守るために奮闘する彼らの姿に我々は本物の愛を目撃する。


映画の原題は「Any Day Now」でした。
一応ストーリーのアイテムとして、確かにチョコレートドーナツは出てくるんだけど、でもなんか原題のほうがよかったような気がするんだよなぁ…(って原題の正しい意味はわかってない…気がするんだけど(^^;)。

事前情報は、ゲイカップルがダウン症の子供を育てる、ということだけだったのだけど、物語はもっとずっと大きなものを表現していたのでした。

自分を隠して生きていくことは、とても苦しいものだということ。
皆、いろんなことにおりあいをつけて、全部が全部思い通りに過ごしている人はそれほど多くはないように思う。
それでも、自分というものの根幹にあるものを封じて日常を生きるというのは、とても大変で辛いことだ。
そんな傷をもった二人が、ただ一身に愛情だけを受け取ってくれる、そして愛を返してくれる存在と出会った。

もちろん、少年のことを思ってその愛情がそもそもであることは言わずもがなであるわけで、その上で多分主人公たちは少年からもっと沢山のものを受け取っていたと思う。
三人が一緒にいることで、三人ともが幸せに満ちることができた。のに。

結末がとても切なかった。
時代を考えると、楽観的な展開が望めないだろうとは思っていたけれども、それにしたって…。

久々に映画を見て、こんなに泣いたよ。

あとから知ったんだけど、実話ベースだったんですね。
いろいろと、納得。
現在73才のスティーヴン・ホーキング博士、その50年分の半生を描いた映画
理論物理学者の立場から宇宙の起源の解明に挑み、現代宇宙論に多大な影響を与えたホーキング博士。ALSのハンデを負いながらも研究を続け、積極的に公の場にも登場する彼だが、その偉業がひとりの女性によって支えられていたことはあまり知られていない。実在する著名人の真実の愛の物語たからこそ、この映画は刺激的で、興味が尽きない。


偶然WOWOWで予告を見て、なんとなく興味をもって録画した映画。
思ったのとちょっと違って、楽しめました。

もともと、SFが好きだということでホーキング博士の名前と、病気らしいということは知っていました。
ALSというと、近年だとアイスバケツチャレンジとかで有名になった、あれですよね。

筋肉制御が急速に衰えていくことで肉体を操れなくなり、結果的に死にいたる、という病気。
ただし、影響がおもに筋肉に対するものであるため、人間の尊厳の根源とも思われるアイデンティティというか人格というか物を思う器官は正常で、だからこそのアイスバケツチャレンジだった(冷水により体が硬直する、ただし脳は普通に思考可能)んでしょう。

ホーキング博士も、20代前半から症状が発覚し、その後急速に肉体の制御を失っていくのだけれども、頭の冴えはむしろどんどんと増しているかのよう。
宇宙に関するその発想力はイギリスのみならず世界にも影響を与えていきます。

そんな彼の人生に寄り添った女性とのかかわりあい方が面白った。
科学者であるホーキング博士は神を信じない。そんな彼とお互い一目ぼれした彼女は英国国教会の信徒。二人が、しかしその部分の価値観に違いを認めながら人として惹かれあう姿は、私はすごく未来を感じた。

現在多くの地域では宗教を発端とした戦いが存在している。
でも、お互いにリスペクトするものがあれば、人はその違いを乗り越えられるってことなのかなあって。
…あんまり映画とは関係ないな(^^;。


映画のクライマックスとしての着地点も、一般的な恋愛ものとは違ったもので、実在の人物の物語がベースだから、とはいえ、そういうユニークなスタイルでもお互いに対する尊敬と愛情が存在するというのも、私にとってはとても嬉しい気持ちになったな。
人間関係の形は、当事者たちが納得し受け入れている限り、どんな風になってもOKだと思うから。


観て、よかった。
江戸期、八代将軍・徳川吉宗の時代。1万5千石の小藩・磐城国湯長谷藩に存在するという金山略奪を狙い、江戸幕府が無理難題を吹っ掛ける。「5日以内に参勤交代しなければ、藩を取り潰す! 」。
金も時間もない湯長谷藩。参勤交代を果たし、無事に藩を守ることができるのか?! 通常ならば、準備に半年、8日はかかる道のり・・・しかも貯えも尽きている。
しかしこの命令に従わなければ藩はお取り潰しに! 藩主・内藤政醇は、忍び雲隠段蔵を道先案内役として雇い、家臣の精鋭6名を引き連れ、道中人のいないところでは山道を駆け抜ける奇想天外な作戦にでる。
しかし、老中・松平信祝も刺客の忍びを雇い、参勤交代の邪魔をもくろんでいた。金に目が眩んだ幕府に立ち向かい"とんでもない"知恵を使って参勤交代を達成しようとする貧乏小藩が巻き起こす、究極の痛快歴史エンターテインメントが誕生した!


このDVDパッケージに書いてる、「このミッション、インポッシブル(不可能)です!」がホントにその通りで笑える(^^;。

ストーリーは、弱小藩が老中にイケズされて、通常最低8日はかかる道のりを5日で江戸まで来い、と言われ、なんとか刻限までに!と江戸を目指す話。

殿様の蔵ちゃんが、とにかく格好いい!
決めセリフは腹の底から叩きつけるようにして、でも普段は方言丸出しでゆるゆる~んと田舎なお殿様の、その姿がもう愛らしくて!(笑)

ツッコミどころは満載ではあるんだけど、そのあたり白けずにコメディとして納得しちゃうつくりは、なかなか巧いものだなあと思いました。

殿の佐々木蔵之介以外にも、深田恭子、伊原剛志、西村雅彦、寺脇康文、上地雄輔、知念侑李、柄本時生、六角精児、陣内孝則、市川猿之助、石橋蓮司とキャストもかなり豪勢です。
お笑い時代劇としては、大成功だと思います。

…と思ったら、やっぱり続編ができるらしいですね。
この話は、地方の藩から江戸への話。
続編は、今度は帰り道、江戸から福島(なのかな?)の故郷の話らしいです。

次もまたバカバカしく笑える話になるんだろうと、とても期待しています。

20世紀末、レイバーと呼ばれる人間型ロボットの急速な普及に伴う犯罪に備え、警視庁は、警察用レイバーを擁する特車二課パトレイバー中隊を設立した。そして現在、レイバー衰退と共に解隊に瀕した特車二課の面前に、最新鋭の戦闘ヘリを自衛隊から強奪して、首都1,000万人を人質にしたテロリスト集団が現れる。機関砲、対地ロケット、ミサイルで完全武装をした上に、最新の熱光学迷彩を身にまとった“見えない戦闘ヘリ"グレイゴーストは、レインボーブリッジへの攻撃を皮切りに、上空500メートルに潜み、首都を蹂躙していく。警察最後の砦となった特車二課は、テロリストの暴挙を止めることができるのか!? そして、テロリストの目的とは?いま、それぞれの守るべきものを賭けて、旧型警察ロボと最新鋭自衛隊ヘリの戦いの火蓋が切って落とされる―。


地元の上演がなかったのと、ディレクターズカットが出ることが随分早くからアナウンスされていたので、早々に手に入れてみましたよ。

THE NEXT GENERATION は序盤の数枚のDVDをみただけで、コンプリートはしてないです。
ただし、劇場版だけでも大丈夫だという話だったし、DVDシリーズのテイストがあまり自分の好みでもなかったので、劇場版を楽しみしていて、堪能しました。

ストーリーは、…あー…、パト2でした(笑)。いろんな意味でパト2です(^^;。
アニメから実写にしたことで、細かなキャラ設定は変わっているのですが、結局は押井さんの脚本ですしね。
監督目当てで見たんだから、ちゃんと満足しましたよ。

とにかく、10数年前の出来事、として、劇場版パトレイバー2(アニメ)のいくつかのシーンを実写でやってくれて、それがちゃんと雰囲気をしっかり引き継いでいたのが凄い。
圧巻は、やっぱり南雲元隊長の描き方でしょう。

女優さんはほぼ無名な人になるのかな、その彼女の演技に、アニメ版で南雲さんの声を当てた声優さんにセリフをしゃべらせるというアクロバッティングな技にびっくりでしたわ。
単純にファンとしては、やっぱり南雲さんの声は榊原さん以外に考えられないので、すっごい嬉しかったけど、実現するとは思ってなかったから、びっくりだわー。

後藤田隊長と柵越しの会話のシーンは切なくてやるせなかった、、、。

クライマックスでは、ちゃんとレイバーが動いていたのがよかったです。
最後に明が「行っけェェェェェェェ!!!!」のシーンがあって、格好よかった。うん。

押井さん好き、パトレイバー好きな私には大満足なお祭りみたいな映画でした。
フフフ。

●「海街Diary」

2015年6月15日 映画
鎌倉で暮らす三姉妹の元に、自分たちが幼い頃に離婚して家を出て行った父の訃報が届いた。次女・佳乃は15年以上会っていない父の死を特に何とも思えず、三女・千佳も父との思い出がほとんどなく、佳乃と同じ気持ちだった。それでも長女・幸の頼みで葬式に出るために山形へ赴いた佳乃と千佳は、そこで年齢の割にしっかりしている中学1年生の異母妹・すずと初めて出会う。


原作が好きなので映画は見るつもりだったのよね。
そろそろ上映してるよなあと、偶然週末に時間が作れたので行ってきました。
ら、公開初日だったよ。

原作は既刊が6巻。
その中でいくつかのエピソードをつまみ食い的にひろって、主軸は四姉妹が出会って馴染んでいく一年の流れを描いていました。
うん、たしかにこの物語を映画にするなら、こういう構成にするしかないかー、って感じ。
ひとつのエピソードをじっくりやるより、じわじわと姉妹の距離が近づいていく様子そのものが、とても美しい景色と空間と共に表現されていて、なかなかよかったと思う。

しかし、キャストが豪華。
四姉妹に、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず。
脇役に、樹木希林、大竹しのぶ、堤真一、加瀬亮、リリー・フランキー、風吹ジュン、鈴木亮平、キムラ緑子などなど。
いやあ見事に脇が私が大好きな人ばっかりだわ(笑)。

特に、リリー・フランキーの福田さんが最高に原作のキャラに似合っててよかった。飄々とした雰囲気、合うね~。
あと、1シーンしか出てこないけどキムラさんは、長女の上司である看護師長さんで、こちらもイメージにあってたわー。
そして、相変わらず姿のない「アライ」さんもいい味を出してました(^^;。


風太@前田旺志郎クンは、すずが主人公の青春映画ではなかったせいで(笑)、あんまり出番がなかったけど、あの桜のトンネルシーンが印象的だったね~。

エンディングテロップで、音楽が菅野よう子さん、フードスタイリストが飯島奈美さんという、個人的お気に入りな人が関わってたのがわかるのも嬉しい感じ。

今回はホントに自分の好きな人たちが沢山出ていたので、なんだかそれだけでお腹一杯な感じ(笑)。
物語の筋だけだと、ちょっと物足りない感じがあるかもだけど、映画としては景色カットいろいろ混みで、雰囲気のいいものになっていたと思います。
派手さはないけど堅実な、生活を描いた物語でした。
数千万人が犠牲となった異星人との戦いにより、人類は次の攻撃に備え優秀な少年たちを選び軍事訓練を続けていた。
国際艦隊のグラッフ大佐は、宇宙戦争を終わらせるものとして若き戦士エンダーを次世代の指揮官に育てていくが…。


結局映画館に行けなかったので、WOWOWで視聴。
原作が大好きすぎて、多分この映画もツッコミどころ満載だろうなと半分諦めつつ見たんですが、コレが思ったよりよかったからびっくりですよ。

大抵の長編小説を原作とする映画って、エピソードの取捨選択と構成で失敗することが多いと思うんですが、エンダーの場合はもともとは短編作品として発表されたものが長編化してその後シリーズ化しているので、短編原作が効いてたんじゃないかなあと想像。
まあでも、最終決戦でエンダーの部下になるキャラのいろいろは長編寄りの構成になってたし、完全に短編の映画化ではなかったわね。

概ね好感触ではありましたが、あの濃い内容の物語を二時間ぐらいに収めてるから、多分原作を知らない人には説明が足りない部分はあったとは思います。
特に短いなと思ったのが窩巣女王のくだり。
この物語の最後にエンダーが選択する人生に影響を与えた、という役割のわりに映画では軽んじられてましたねぇ。まあこの辺りはほかとのバランスで削られちゃったんだろうな…。巨人を倒した後にエンダーが遭遇する印象的なシーンをもうちょっと観たかったんだけど…これは贅沢か(笑)。


映像表現としては、冒頭エンダーのモニターが取り除かれる部分からして雰囲気たっぷり。
戦闘ゲームでの無重力場だとか、ドラゴン隊の部屋とか、まあそれなりに描写されてたしね。
最終決戦でのモニターによる戦術描写も頑張ってたと思います。
心理ゲームのねずみと巨人たちにいたっては、小説を読みながら思い描いていたシーンに近くてびっくりするぐらいでした。


原作を読んだ人が、映像補完として観ることもできる映画になってると思うので、原作ファンはとりあえず一回見ておくといいかもです。
かつて、日本で戦争があった。

大正から昭和へ、1920年代の日本は、
不景気と貧乏、病気、そして大震災と、
まことに生きるのに辛い時代だった。

そして、日本は戦争へ突入していった。
当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?

イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、
後に神話と化した零戦の誕生、
薄幸の少女菜穂子との出会いと別れ。

この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く─。


日本で飛行機を作った人の話、ということだけ知っていた(ほとんど知らない、とも言う(^^;)ので、なかなか新鮮にみることができました。

冒頭、主人公の少年時代から青年時代へのプロローグ描写が、すでに宮崎駿らしい演出だなあと感じました。
少年の見た寝てた時にみた夢が、少年の人生の目標となる夢へとスライドしていく部分とか、上手いなあ。
日本の少年がイタリア人(だよね?多分)のおっさんと飛行機の夢を語らうところとか、ユーモラスでいいねぇ。
宮崎さんってもう70は超えてるんだっけ?空想力=少年力に衰えがないなぁ。

その後、主人公が電車に乗ってるときに関東大震災が起こって、ここの地震表現にまたびっくりですよ。
波打つ地面の誇張表現が面白かった~。

…という具合に、物語のストーリー部分はともかくとして(笑)アニメ表現の凄さにただただ感心しながら見てました(^^;。

ポニョのファンタジックさというのは、あれはあれでアリなんだろうけど、映画のストーリー展開は破たんが多くて、私はあまり好きなほうではなかったんだよね。
今回の物語も、好きかっていわれるとそういう種類ではないんだけど、「堀越二郎の半生」としてみると、一貫性はあるんじゃないかなあ。
子供の頃に憧れた仕事につき、人生の途中でパートナーと巡り合い、密度の濃い時間を過ごした青年期の物語。


満足のいく仕事にがむしゃらにかかわれるのは10年だ、というカプローニおじさんの言葉は、多分監督の実感なんだろうなあと思いながら聞きました。

TVシリーズから好きで見てたので、映画もやっとみてきました。
地元の映画館ではやってなくて、丁度出先でやってることが分かって嬉々として(笑)。

作中の時間としては 1期→2期と流れて、映画は2期の一年半後?ぐらいだったようです。
執行官は2期の最後の二人にプラス新人二人が入るんだけど、今回の映画では活躍はみられませんでした。

物語のエッセンスとしては1期の続き感が強いですね。
当然、1期の最後で姿をくらました狡噛慎也が出てくるからね。そして宜野座伸元がポニーテイルになってるのが、一瞬誰かわからなくて笑った(^^;。

キャラクターたちがちゃんと成長しているのがよかった。
もともと常守朱の成長物語でもあるわけですけど、周りのキャラもちゃんとそれぞれ影響を請け合って成長してる。2期ではどうにも好きになれなかった新人の霜月監視官も映画ではまた違った強さ(というか、したたかさ)を見せてくれて、頑張ってるなあと(笑)。


物語の舞台は、外国になってます。
東京からシビュラシステムが輸出された世界が描かれるわけで、ああいった社会の仕組みを輸出する、というシチュエーションが単純に面白いと思うし、物語世界としての社会を考えると、またSF的にも面白い。
アクションシーンも多く、R15が付いてるのも納得なバイオレンスです。

なんか、まだまだ広がりを持てる、魅力的な世界観の物語でした。
久々にちゃんと楽しんだSFでした。

ほとんどタイトルだけで鑑賞を決めた映画。
「100歳の老人が施設を抜け出して冒険する」ってだけの事前情報で見てきました。

漠然と、静かなロードムービーかなあと思ってみてきたら、これが予想外の冒険コメディで(笑)。
100歳の主人公が施設を抜け出して事件が発生して~という現代パートと、主人公のこれまでの数奇な人生を語る過去パートが交互に描かれてるんですが、過去も現在も、まあとにかく壮大な物語です。

とにかく主人公が100歳ということで、20世紀の世界動乱の中、何故か主要な場所に彼がいた、ということになってました。
スペイン内戦では革命家フランコを助け、アメリカではオッペンハイマーと一緒に爆弾を作り、トルーマンと酒を飲み交わし、スターリンとコサックダンスをした後に強制収容所に入れられて、脱出後はフランスでCIAのエージェントになりモスクワを再訪、そこで今度はKGBのエージェントになってしまい、なぜか二重スパイとして生きることに。

何という波乱万丈、というか壮大なホラ話の連続です。
主人公には明確な意思も目標も思想もないのだけど、なぜかとぼけた性格とシチュエーションと運に助けられて、転がる石のようにとどまることなく流され動かされて人生を生きることになったのでした。

そのあらゆることに無責任な主人公がチャーミングに見えるのは、演出と俳優の持つ雰囲気によるところが大きいように感じました。
何度も声を出して笑っちゃったよ。

原作はスウェーデンの小説だそうです。
主人公の冒険は、映画では半分ぐらいしか描かれていないようで、小説のほうはもうっと荒唐無稽な経験多数だとか。
ちょっと読んでみたくなりました(笑)。

--
原作:「窓から逃げた100歳老人」ヨナス・ヨナソン
100歳の誕生日パーティーを目前に、おしっこ履きのまま老人ホームを逃げ出した主人公アラン。お酒(とくにウオッカ!)が大好き、宗教と政治が大嫌い。ひょんなことから手にした大金入りスーツケースをめぐってギャングや警察に追われることとなり、途中で知り合ったひと癖もふた癖もあるおかしな仲間とともに珍道中を繰り広げる。
一方、過去のアランはというと、爆発物専門家としてフランコ将軍やトルーマン、スターリンと日夜酒を酌み交わしては、エポックメイキングな人物として世界史の重大シーンにひょこひょこ顔を出す。アランの逃避行と100年の世界史が交差していく、二重構造ならぬ「百重構造」のドタバタコメディ!
全世界で800万部を突破した驚異のベストセラー、待望の日本語版。2014年、日本での映画公開予定。

●「宇宙兄弟」

2012年5月31日 映画
日本人初の宇宙飛行士という夢を追いかける兄弟の姿を描いた小山宙哉の人気コミックを、小栗旬&岡田将生の主演で実写映画化。幼い頃から2人で一緒に宇宙飛行士になることを夢見てきた兄ムッタと弟ヒビト。2025年、ヒビトはその約束どおりに宇宙飛行士となり、月面長期滞在クルーの一員として世間の期待と注目の的だった。一方、挫折して無職のムッタは弟との落差に落ち込んでいたが、ある日、JAXAから宇宙飛行士選抜試験の選考通過を知らせる手紙が届く。ムッタは夢に向かって再び歩みはじめるが、そんな時、月面でヒビトの乗った探査機が消息を絶ち……。


四月からアニメが始まったので見てます。
で、コミックスはとりあえず一巻を読みました。
という状態で、映画。

原作がまだ連載中のものなので、映画の後半はオリジナルなんだろうなあというのは覚悟していったつもりですが、それにしても駆け足な映画になってましたよ。
なんというか、美味しい部分だけ取り出して映像化しちゃったよ!みたいな。

そういうわけで、ストーリー部分そのものはあんまり期待しないほうがいいと思いました。閉鎖訓練のあたり、知ってる人は知ってる内容だしね。
あと後半は月シーンがありますが…どう見ても1/6重力の世界には見えなかったよ…(^^;。こういう部分、期待してはイケマセン。

というわけで、この映画で着目すべきは、やっぱり小栗クンと岡田クンでしょう。

ちょっといじけて拗ねてる兄ムッタ@小栗クンが、弟に再び挑んでいく姿。格好よかったです。ムッタの、ちょっと弱虫だったりズルかったりという情けない部分が、ちゃんと表現されていて可愛かったなあ!

そして、宇宙飛行士ヒビト@岡田クン。
底抜けに明るくてポジティブで前向きで元気一杯な若者をさわやかに演じてました。実はとても努力家で、兄ムッタの一番の理解者という立ち位置をしなやかに表現してたのが、凄いなあ。

それから、全然チェックしてなかったけど、堤さんと吹越さんが個人的サプライズですっごい嬉しかったなあ。大好きなのよ~。特に吹越さんが、シビアな試験管という立場で、三枚目役の多い彼にしては真面目な姿がちょっと笑えた(笑)。

最後に。
月面着陸といったら有名なのはアームストロングとバズですが、そのバズが本人役で出てます。
演技のほうもなかなかで、見ごたえありましたよ。

宇宙好きなら、見て損はない映画だと思います(^^)。
結局地元のシネコンでは上映期間が短くて見られなかった映画なので、やっと見られて嬉しい。

全編、キャストが英語で話すので、字幕で見ました。
普段から外国語の映画は字幕で見てるので、この映画が字幕なのもすんなり受け入れられました。
でも確かに日本人映画監督の映画だってわかってて、見てみたら字幕ってのは、苦手な人には辛いかも。

母をなくした三兄弟が、文化も言葉も違う母親の母親「ばーちゃん」を中心に再び前を向き始める物語です。

ものすごく大きなカタルシスがやってくるわけではないのだけれども、少しずつ積み重なって出来上がっていく三兄弟と祖母の繋がりがとても愛おしい作品でした。

足踏みミシン、エアギター、そしてウォッシュレット。

三兄弟のバックにあるもの(パニック障害のきっかけだとか、はじめて手にしたロボがどういう状況だったのか、とか)は、ほんのりと漂わせるだけで、カチっとした説明がないのも雰囲気があってよかったと思います。

私が好きだったのは、次男とその同僚インド人の関係性というか距離感だわねぇ。
少しずつ親しくなっていく(…といっていいんだろうなぁ(笑))のが、なかなか笑えるわ~。
電話でイキナリ「a girl and $3000!」とか、便器の絵とか(笑)。

一番最後のトイレシーンでは、最後の最後で爆笑しちゃったよ。
レイの「ばーちゃん!!」のシーンで、泣き笑い必須。

相変わらずの飯島さんの餃子も鮭ジャガも美味しそうでした。
DVD…いやBDか、買っちゃおうかな~(^^)
映画館で見そこねていたので、見られて嬉しい。

Facebookの創設者の話(ただしフィクション。エンタメ)というのは知っていたけど、どういう物語になっていたのか知らなかったので、興味津々で見ました。

主人公マークのキャラクターが最初からすっごいエキセントリックに描かれていて、まずそこからググっと入り込んで行きました。
ある意味病的にも見えるし、他方ではギークってこういう傾向あるよな~っていうようでもあるし。

そんな彼が自分の才能を思う存分発揮して、またその才能を認めてついてきてくれる友人エドゥアルドと物凄い加速で時代を作っていく前半は見ていて爽快でしたねぇ。
だからこそ、途中から彼らの間に入り込んで亀裂を広げていく人物・事件が、とても哀しく残念に感じました。
まあちょっとセンチメンタルな感想ですけど(^^;。

ラストシーンも、凄く物語的でよかったです。
何度もリロードしてノートパソコンを覗き込むマークが、愛らしかったな。

では、また。
三谷さんの映画、もう五作目になるんですねぇ。

主人公弁護士が幽霊を法廷で証言者として立たせる、というコメディ。
まだ始まったばかりなので、細かいストーリーに関しては省略。

主演が深津さんと西田さんなので、まあもう鉄板というか、間違いないというか。
演技力には揺るぎない安定感があります。

しかし、近年の三谷映画の悪いところがやっぱりまた出てますねぇ。
大物キャストが多すぎて、登場人物の細かな背景が描ききれてなくて勿体無い。
小日向さんとか、佐藤浩市とか、市村正親とか、それぞれ私は俳優として大好きだけど、この映画の中にはいなくても成立するキャラクターだったように思います。

三谷さんは、舞台をみると、脚本も構成もかなりしっかりした物語を提示出来る人なんですよね。
それがわかってるから、余計に彼の映画作品のお祭り騒ぎ的ノリだけが先走りがちな造りが、勿体無いと思う。

ちょっと厳しい感想になるのは、それだけ期待があるということですわ。
不特定多数にまんべんなく笑いを届けるためには、これだけ希釈が必要だ、ということなのかもしれないんだけれども。
…ううん、残念。



いやいやいや、でも普通にエンタメ映画としては、十分及第点な作品だとは思うんですよ!?
…今更遅いか?(^^;
松山ケンイチがダイキチをやるってんで、楽しみにしていたのでした。
子役は最近めちゃめちゃ売れてるあの女の子だったので、まあそれほど下手ではないでしょうし…ぐらいな気持ちで。
しかし、見る直前になって監督がSABUさんだと知り、嫌な予感が…。

映画の前半は原作通りの展開。
いきなり子どもを引き取ることになって、子どもに全然免疫のない青年が全力で子育てに関わりあうことになる。緊急一時保育のこととか、通勤電車に子どもを連れて乗ること、残業と子育てについて悩んだりすること、などなど。

後半は、映画的盛り上がりを作るためでしょうけど、ちょっといきなりすぎて…どうかなぁ。子どもは社会全体で育てるもの、という理想論はわかるけど、職場の人とか遠方に住んでるハズのダイキチの家族が一緒に探すとか、あんまりリアリティがなさすぎると思いました。うむむ。

というストーリー展開もイマイチ感があったわけですが、やっぱり一番の気に入らない展開は、やっぱアレですよ、ダンスシーン。
ストーリーには全然関係ない演出だし、ダイキチがああいう雑誌を眺めるような人ではない(少なくとも原作のダイキチは)し、唐突すぎるしで、さすがに監督が付け足したシーンだけあるわ~。杞憂が杞憂で終わらずに展開してしまった例だわさ。

ただし、この物語、という部分から離れてみた場合、あのダンスシーンの松ケンは格好よかった!!!!!(笑)
スラっとした体型で背が高いから、ああいった衣装とかダンスの動きが、かなり綺麗に映えるんだよねぇ。
今回、松ケンはサラリーマン役で衣装は基本スーツ→作業用ジャンパー→ジャージ上着なシーンばかりだったので、サービスカットだと割り切れば、面白かったと思いました。

余計といえば、高畑さんだよなぁ。
いや、私は高畑さん好きなんだけど、この映画の中ではちょっといらない演出に見えました。あれがなくても、ダイキチが社会の中で頑張って育ててるのはわかるし、逆にあまりリアルにああいう役柄を登場させちゃうと、せっかく青年が勢いで子どもを引き取って育てる、というファンタジーが崩れちゃうっていうか。

そんなわけで、私としては半分ぐらいしか満足ではないのでした。残念。
でも見てよかったけどね。見たかったし。

妄想ですが、8年後ぐらいかな、子役のコが高校生ぐらいになったら、原作の第二部をやってもらいたいかも。
もちろん、ダイキチは松ケンで。
ペベンシー兄妹のエドマンドとルーシーは、いとこのユースチスとともに船の絵画を見ているうちに、ナルニアの世界へと引き込まれる。気づくと彼らは、懐かしいカスピアン王子やもの言うネズミの騎士、リーピチープたちの乗る帆船に乗船していた。待ち受ける魔法、不思議な生き物や邪悪な影からナルニアを守るため、そして、友であり、ナルニアの保護者でもあるアスランとの再会を果たすため、彼らは海の果てを目指す ――。


原作タイトルは、「朝びらき丸 東の海へ」でした。
確かに映画タイトルとしては地味だし、朝びらき丸っていう瀬田さんの訳語は私は好きだけど、一般的には耳馴染みのないわけわからん言葉だろうから使えないのは仕方ないとして、…しかしねぇ、アスラン王って…う~ん。

で。
ストーリーが…うううう、ちょっと残念。
もともと原作でも、この三作目はちょっと説教臭いエピソードのオムニバスになっていて(^^;、だから流れに入り込みにくいってのはあります。

また、映画ではカスピアンが青年なので、エドワードとの感情的ないろいろがちょっと違う~って感じで。原作だと少年同士なので、嫉妬したり悔しかったりという子どもらしい感情が諍いになっちゃう流れがすんなり納得できたのに、映画は一方が青年だからねぇ。子ども相手にそんな大人げない(^^;みたいに見えちゃうのがね…。

ていうか、そもそも青年カスピアンがナルニアを放って国を出てきちゃうのが、納得できない。
少年王であれば、父王に仕えた7人を探すという正義感からだというのは子どもらしく思うけど、青年王はそれやっちゃダメでしょう。国に対する責任とか、そのあたりどうやってなだめて出発してきたのか、映画では全然描かれてないけど。

まあでも、ユースチスの嫌な男の子ぶりは最高にハマってました(笑)。
たしかにエドもルーシーも、苦手なのがわかるわ。
そこに教師役として立つリープの格好良さも最高だわね。

クライマックス、白い花の浮かぶ海を行く一行の船。
一面の白い水面は、原作で読んで想像したよりも、花の数が少ない気がしましたが(笑)、概ね満足。
小舟に乗って出立するリープの勇姿が美しかったし。

あの、波の逆立つ様子は、さすがにグラフィック技術の粋ですねぇ。
モーセの海のように割れる様子とか、映画館で3Dで見たら、また違った感想になったかも。


今回から配給がディズニーから20世紀FOXに変わったり、監督が変わったりで、続編というには少しだけニュアンスが違うような…。

さて、この続編は作られてるのかな?
原作では4作目は今作の続きになっていて、カスピアンの息子を探す冒険です。ユースチスも出てくるし(ペベンシー家の兄弟姉妹はでないケド)、役者さんも続行可能な物語。お気に入りの泥足にがえもんがどう描かれるのか、観てみたいな~。

●「告白」

2011年6月30日 映画
ある中学校、雑然とした教室。
終業式のホームルーム。1年B組、37人の13歳。
教壇に立つ担任・森口悠子が語りだす。
「私の娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、
娘は事故で死んだのではありません。
このクラスの生徒に殺されたのです」
一瞬、静寂に包まれる教室。
物語は「告白」から始まる。


原作は既読。
丁度映画化されたタイミングで知人が持ってたのを借りて読みました。

発生する事件、主人公の置かれた中学校という場、未成熟な人間の吐露する自己完結した我欲などなど、一つ一つにインパクトのあるものが並べられるので、映像化されると殊更そのあたりが強調されてました。
第一章ラストで先生が犯人に仕掛けた罠は、これ以上ないインパクトがありますしね。

物語の筋は、小説をかなり綺麗にまとめていて、脚本が頑張ってるなあという印象。
ただし、演出が好みからすると若干…。
この監督のは下妻は結構好きだったけど、松子とかパコとか、どうにもラメっぽさ(?)と唐突なミュージカル風ダンスが苦手て、そのあたり気になったのだけど、まあでも見られないほどでもなかったし。

中学生役の子たちも頑張ってましたけど、やはりピカイチは主演の松さんでしたね。

クライマックスで涙を流す彼の頭を持ち上げて、眼力強く睨みつけ、涙を流し、その後恐ろしいほどの笑みを浮かべるあの表情!
あのシーンだけで、「やられた!」って思いました。スゲェ。
トレイラーで見たときに、最初に気になったのは、黒人の女性が世界的なトップモデルになった、という部分。
きっとサクセスストーリーなんだろうなあと思って、ソマリアにいた少女がどうやってトップモデルになったのか、単純にそれを楽しみに観に行った。
の、ですが。

内容は、モデルになる話がメイン一本ではなくって、並走してもう一本メインとなるべき主題がありましたよ。
FMG、女子割礼の問題です。

そういえば、以前女子割礼についてのルポタージュ的な読み物をいくつか集中的に読んだ時期があって、だから知識はあったのよね。
で、それら読み物の中で今思えばこのモデル(実在の人物。ワリス・ディリー)について書かれていたものがあったのでした。
…映画を見終わってから気がついたけど(^^;。

映画そのものは、実在の人物が記した自伝を原作としているので、その波乱万丈な半生だけでも十分にドラマチック。
それに加えて、ソマリア(というかアフリカ)での慣習となっている女子割礼がストーリーに練りこまれていて、単純に娯楽映画として見ると、展開が中途半端な感じはありました。
でも恐らく多くの日本人はまだこれら慣習について知らないだろうし、そういうことがあり得る世界があるというのを知るには、入り口として映画ってのもいいのかもしれないですね。

映画の中で気に入ったキャラクターは、ワリスのモデルエージェント@ルシンダ。
常に大声で誰かと話し、てきぱきと指示を飛ばし、強気でプライド高い女性。電話口でフランス語で畳み掛けるシーンとか、格好いいわ~(笑)。

脇役に愛すべきキャラクターが沢山配置されていたのも、重いテーマを含む映画を見やすくしていたように思います。
同居人のマリリン始め、宿の受付女性とか偽装結婚の相手とかワリスを見出したカメラマンとか。

物語としては、ワリスの国連でのスピーチがちょっと唐突な感じはありました。
でも、ソマリア時代とモデルへと駆け上がっていくヨーロッパ時代の描き方は中々分かりやすく演出できていたようにも思います。

アフリカの砂漠の景色が綺麗でした。
荒廃地が美しいって感じるのは、何故なんだろうなぁ。


追記。
FMGについて知りたいからは、まずはこの映画の原作から入るのもいいかもしれません。
ずっと観たいと思ってたのに、タイミングを外しまくって、ようやく終わりそうなところを滑りこみセーフで見られましたよ。間に合ってよかったわ。

吃音症にコンプレックスを抱えていたヨーク公(のちのジョージ六世)が、自分の障碍と向き合う物語。

さすがにオスカーとっただけあるなあと思ったのは、主演のコリン・ファース。
吃音の様子(言葉に詰まって、ひきつった表情になって、空気ばかりが喉から漏れて…といった)が素晴らしい。とっさに言葉がでない苦しみがよく伝わってきました。

それと、ヨーク公の治療に当たったライオネル・ローグのキャラクターが愛らしくて、造形が好きでしたね。
看板に「言語聴覚専門」という注意深い(笑)表記をするあたり、ちょっとしたユーモアと誠実さが現れていると思いました。

彼らが、治療を通して次第に心を通わせていく様子が丹念に描かれているので、クライマックスでの彼らの共闘(といっていいでしょう)では、一緒になって手に汗握って成功を祈ってしまいましたよ。

あと、この映画は英語がわかるほうが楽しめるのかも?と思いました。
早口言葉のセリフとか、言葉にまつわるジョークなどが多くあることが伺えたのよね。
字幕だと微妙に音と笑いのタイミングが合ってないのが何となく感じられて、ちょっと残念だったのでした。


余談ですが、イトイさんがこの映画について「三谷さんのお芝居みたい」(要約)とツイッターしていたのですが、観てみて確かに…と頷けました。
バレエダンサーの物語。
ということだけの前情報で見たので、序盤から立ち上るスリラー調の演出にびっくり。
サイコホラーっていうか、かなり怖い類の映画でした。

ダンサー、特にバレエダンサーっていうのは人生そのものをバレエに捧げることが求められているように見える。
沢山食べず、酒もタバコも嗜まず、毎日何時間も練習練習に時間を割いて、踊ること以外にさける時間がほとんどない、ストイックな人生。

そんな人生を送る人の多くは、どうしても精神的なバランスを崩すことが多いらしく、映画は主人公がバレエの役に重なりながら、次第に崩壊していく精神世界を描いてみせました。

多様される鏡と、耐えることのない肉体的苦痛。
何度も、見ているだけで痛くなるようなシーンが出てきて、(映像として)見るのが辛かった。
途中目を背けちゃったよ。…見てられないんだもん。

映画のクライマックスに向かうにつれ、破滅へと加速していく様子が恐ろしく、ああ誰か彼女を救って欲しい…と願いながら観てました。

ラスト、主人公が見つめ続けた白いライトのにじむ様子に、ただただ圧倒されました。
…完成度の高い映画だと思います。


蛇足。
パンフに乗ってる映画批評(一番最初のヤツ)が、最悪。
表面的なこの映画との類似映画の羅列、自分が見つけたとでもいいたい映画内の暗喩の自己中な解説など、駄文にも程がある。
誰だよこんな文章、パンフにのっけたやつ(怒)。

1 2 3 4 5 6 7 >

 

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索