●「茄子 アンダルシアの夏」
2008年8月24日 映画「プロって言うのは仕事以上のことをやっちまうやつだって!」。名セリフが心地よい。ペダルのひと漕ぎは、人生を変える、ネジのひと巻。スペインのアンダルシア地方を駆け抜ける自転車ロードレース「ブエルタ・ア・エスパーニャ」を見事に描いた、大傑作。自転車レースは決してひとりだけで走るものじゃない。チームメイトと協力し、ライバルと駆け引きをしながら、人々の想いと願いを背負って走るのだ。生まれ育った土地から抜け出したいと思っている、地元のロードレーサーのぺぺ。彼はレースの駆け引きの中で、いつの間にか集団の先頭を単独で走ることになる。はたしてゴールまで実力あるベテラン勢から逃げ切ることができるのか。彼はアンダルシアから逃げるように、実力以上の速度で駆ける、駆ける、駆ける。先頭をはたしてたったひとりで走る彼をつなぎとめるものは……? スペインに暮らす地元の人々の生活を丹念に描くからこそ、彼の想いが痛いほど伝わってくる。クライマックスとなるゴール直前のスプリントシーンのド迫力は、アニメーションならではの興奮にあふれる。一瞬もまばたきを許さない、実力派アニメーターたちの競演となる47分。監督はスタジオジブリ作品でも大活躍し、自転車マニアとしても知られる高坂希太郎。
ジブリ作品はほとんど見てるのだけど、それでもいくつか見逃しているのがあって。
そのうちのひとつがコレでした。
自転車レース(?)の話でした。
既に始まっているレースの序盤?ぐらいから、主人公がゴールするまでの短い時間の物語。
その物語の中に、主人公のそれまでの人生とか兄弟関係だとか恋人との話とか、コンパクトに綺麗にまとまっていて、短編映画(一時間ないぐらいかな?)として質の高いものだったと思います。
自転車レースに関する知識は全然なかったので、集団からトップグループが抜け出していく様子だとか、走者が斜めに移動していく描写とかチームプレイとかサポート車とか、そういう部分をみるだけでも面白かったな。
絵の崩れもなく、黒猫は可愛く(笑)、スリリングなレース展開もイイ感じでした。
地味といえば地味なんだけれどもね(^^;。
続編が作られたってことは、地道に評価された作品なのでしょう。
そちらも見る予定。
●「ベルナのしっぽ」
2008年8月6日 映画突然の病で視力を失った女性が“ベルナ”という盲導犬との触れ合いを通して、絶望から希望を見出し再生していく姿を描いた、郡司ななえ原作のヒューマン・ドラマ!24歳の時、病で視力を失ってしまった元永しずく。建築デザイナーという夢を絶たれ、悲嘆にくれる彼女。そんな彼女に希望の光をともしたのは、“ベルナ”という盲導犬だった…。盲導犬と共に未来を切り開こうとした一人の女性を、さりげなくも温かい視点で映し出す。
盲導犬ベルナの物語。
原作になった本はもちろん読了済み。
お仕事犬って私にとって特別な魅了があるのよね。
昔一時期だけ電車通勤だった頃があったんだけど、そのとき利用していた電車で盲導犬を連れた女性を毎日見かけた。
お仕事中の盲導犬に話しかけるのはご法度だったので、毎日その仕事振りを眺めていたのだけど、さすがにプロだなあと思ってみておりました。
さて、映画。
もともと犬が苦手、という使用者さんは結構多いみたい。この話に限らず、結構「目のかわりに仕方なく」という方は実際に多いと本で読んだことがあります。
それでも、自分の身体の一部として毎日接することになる動物ですから、その後の関係性も濃厚なものになるであろうと想像するのは難しいものではなく…、だからこそこの手の物語には、分かっていても感動しちゃう何かが潜むんだろうな。
主演の白石美帆さんは、我が家では陣釜さん@電車男として強烈なインパクトのある女優さんだったのですが、とても静かで芯のある女性をきっちり演じていて、すごかったです。
夫役の田辺誠一がまた地味ながらも地に足のついた印象があって、じわじわと雰囲気が感じられました。
こういう映画は小学校とかを上演して回ったりするのかしら。
子どもにも分かりやすく、みてもらいたいなあと感じました。
●「スカイ・クロラ」
2008年8月4日 映画 コメント (2)
素晴らしい!
原作のファンで、それの映画化だっていうのに、ここまで好意的に見ることができた映画は初めて。
まあね、原作者のブログチェックするほどのコアなファン(なほうだと思う)で、しかも監督のファンでもあるんだから、当然っちゃ当然な反応ではありますけれども(^^;。
いやあ、でも、これはかなりな部分で原作ファンにも納得できるつくりになっているんじゃないかしら。
映画全体に流れる雰囲気が、原作での独特な空気感に反してないのが凄いよね。
映画の最初の1、2分…ぐらいかな、いきなり迫力のある空中戦で感動ですよ。
思わず涙出ちゃった(笑)。
文章を読みながら空中戦を思い描いていたりはしたんだけど、そういえばそのとき「音」は頭の中で鳴ってなかったんだ、ということに気づかされました。
映画館での大きなサウンドは前後左右からエンジン音が迫ってくるし、重低音が戦闘機の重さを示していて、迫力という表現だけでは足りないぐらいのリアリティ(いや、本物の音は私は知らないけどね)を感じることが出来たよ。
ティーチャの圧倒的なまでの戦いは、実は原作読みからすると冷淡すぎるような気はしないでもないんだけど、映画のキャラとしての描かれ方としては正しかったんじゃないかなと思った。
一番の懸念事項だった声の問題は、事前に何度も押井さんの主張を聞いていたせいもあって(笑)、それほどの違和感にならずにすんだ。
キルドレの未熟さを、声優としては未熟である俳優にやらせることで表現していた。という主張は、そう思ってみれば許容範囲内であったしね(^^;。
ただ、思ったよりもすっごくしっくりきてたのは、土岐野@谷原さんでした。俳優が声を当てるときの妙な違和感がとても少なくて、ちょっと軽めでいい加減な雰囲気のある土岐野として、馴染んだ雰囲気を出していたと思う。
あと、三ツ矢@栗山も思ったよりよかったかな。
さすがに笹倉@榊原の貫禄はどっしりと安定していて、物語としても笹倉っていうのは物語の底辺を支える役回りであることもあって、押井作品でははずせない声優としてだけでなく巧くハマっていたように思いました。
後半、三ツ矢に一瞬だけ声を荒げるシーンの、あの感情の告白シーンはさすがベテランだわ。
一つだけ作品として違和感を感じたのは、3DCGメインの飛行機とアニメ絵の差異、かなぁ。
こういう映像表現っていうのは、どちらかというと慣れの部分もあったりするので、例えばもう一回見たりしたらそんなに気にはならないのかもしれないんだけどね。
映画の序盤で空中戦があって、その後飛行機が基地に戻ってきてから、主人公が地上に降りるシーンの一連の中で、絵の種類の違いが少し気になったのは事実。
全体に、ちゃんと押井作品であり森博嗣作品でありました。
事前に京極さんのコメントに、両者の作品であることがわかる造りになっている、というようなことを言っていて、それは読んではいたんだけど、本当にその通りで。
エンディングテロップ後のあのシーンは、これまでの押井作品で繰り返し示されていたものに重なるし、キャラクターたちの独特な生き方やセリフの数々は森作品だなぁ、と。
これは少なくとももう一回は映画館で見たい作品だね。
音と迫力は、一般家庭のAV視聴環境じゃ足りなさすぎるから。
原作のファンで、それの映画化だっていうのに、ここまで好意的に見ることができた映画は初めて。
まあね、原作者のブログチェックするほどのコアなファン(なほうだと思う)で、しかも監督のファンでもあるんだから、当然っちゃ当然な反応ではありますけれども(^^;。
いやあ、でも、これはかなりな部分で原作ファンにも納得できるつくりになっているんじゃないかしら。
映画全体に流れる雰囲気が、原作での独特な空気感に反してないのが凄いよね。
映画の最初の1、2分…ぐらいかな、いきなり迫力のある空中戦で感動ですよ。
思わず涙出ちゃった(笑)。
文章を読みながら空中戦を思い描いていたりはしたんだけど、そういえばそのとき「音」は頭の中で鳴ってなかったんだ、ということに気づかされました。
映画館での大きなサウンドは前後左右からエンジン音が迫ってくるし、重低音が戦闘機の重さを示していて、迫力という表現だけでは足りないぐらいのリアリティ(いや、本物の音は私は知らないけどね)を感じることが出来たよ。
ティーチャの圧倒的なまでの戦いは、実は原作読みからすると冷淡すぎるような気はしないでもないんだけど、映画のキャラとしての描かれ方としては正しかったんじゃないかなと思った。
一番の懸念事項だった声の問題は、事前に何度も押井さんの主張を聞いていたせいもあって(笑)、それほどの違和感にならずにすんだ。
キルドレの未熟さを、声優としては未熟である俳優にやらせることで表現していた。という主張は、そう思ってみれば許容範囲内であったしね(^^;。
ただ、思ったよりもすっごくしっくりきてたのは、土岐野@谷原さんでした。俳優が声を当てるときの妙な違和感がとても少なくて、ちょっと軽めでいい加減な雰囲気のある土岐野として、馴染んだ雰囲気を出していたと思う。
あと、三ツ矢@栗山も思ったよりよかったかな。
さすがに笹倉@榊原の貫禄はどっしりと安定していて、物語としても笹倉っていうのは物語の底辺を支える役回りであることもあって、押井作品でははずせない声優としてだけでなく巧くハマっていたように思いました。
後半、三ツ矢に一瞬だけ声を荒げるシーンの、あの感情の告白シーンはさすがベテランだわ。
一つだけ作品として違和感を感じたのは、3DCGメインの飛行機とアニメ絵の差異、かなぁ。
こういう映像表現っていうのは、どちらかというと慣れの部分もあったりするので、例えばもう一回見たりしたらそんなに気にはならないのかもしれないんだけどね。
映画の序盤で空中戦があって、その後飛行機が基地に戻ってきてから、主人公が地上に降りるシーンの一連の中で、絵の種類の違いが少し気になったのは事実。
全体に、ちゃんと押井作品であり森博嗣作品でありました。
事前に京極さんのコメントに、両者の作品であることがわかる造りになっている、というようなことを言っていて、それは読んではいたんだけど、本当にその通りで。
エンディングテロップ後のあのシーンは、これまでの押井作品で繰り返し示されていたものに重なるし、キャラクターたちの独特な生き方やセリフの数々は森作品だなぁ、と。
これは少なくとももう一回は映画館で見たい作品だね。
音と迫力は、一般家庭のAV視聴環境じゃ足りなさすぎるから。
東京地検・城西支部に6年ぶりに戻った検事の久利生公平。そんな彼が担当することになったのは容疑者が罪を認めた傷害致死事件の裁判。ところが初公判で容疑者はあっさりと無罪を主張。容疑者の弁護士で刑事事件無罪獲得数日本一の敏腕弁護士・蒲生一臣に、次第に久利生も追い詰められていく。が、やがて久利生は、この事件が大物代議士・花岡練三郎の贈収賄事件に関連していると知り…。
録画してあったのをやっと見た。
一応TVシリーズは見てたし、TVでのドラマ版(?)も見たしね。
なので、大物代議士(?)との因縁っていうか、対決みたいなのもあるんだろうなあと勝手に想像してたんだが、これが全然思ってたのと違ってびっくりした(^^;。
主役はまあいつもどおりなのでいいとして。
コミカルな部分とシリアスな描写とのバンランスのとれたエンタメだなあという印象でした。
これって映画にしなくてもTVドラマで十分じゃ…?というのは、ここ数年のフジの映画全般に言えることなので、ことさらこの映画だけにいえることではないしね。
それにしても、タモリって悪人に見えない…。
●「崖の上のポニョ」
2008年7月19日 映画
公開当日に映画見たなんて、始めてだよ。
でもなんか気になったのよねぇ。
しかし、人ごみ嫌い、映画館での子ども嫌いなので、見たのはオールナイト上映をやってる映画館で0時過ぎ開始のレイトショーを狙っていきました。
初日だけあって、そんな時間でも結構客は入ってました。
これはココ最近のシブリ映画の中でも最高に面白い映画だと思いました。
手書きのアニメーションでここまで描かせるというのは、多分もうジブリ以外じゃ無理だろうなあ。
その意味でも、水の表現とかあの質感は、他の誰にもマネの出来ないものだと思う。
ストーリーは単純といえば単純なんだけど、とにかくアニメーションの力ってのはこうだ!と挑戦状でもたたきつけるような、そういう強いプライドと技術を感じることができました。
アニメ(絵)の表現の多彩さと改めて感じることができます。
ひとつの映画として、かなりオススメできる作品だと思います。
以下、余談。
宮崎さんのロリっぷりもまた最高に感じられました(^^;。白いカボチャパンツは、今回も大活躍(笑)。
懐かしい風景、ちょっとレトロな街、少年と少女の大冒険…。
よくも悪くも同じ話しか作れない(というか、作る気がない)んだろうなぁ…。
いやまあ、ファンはもう知ってるから、いいんだけどね…。
でもなんか気になったのよねぇ。
しかし、人ごみ嫌い、映画館での子ども嫌いなので、見たのはオールナイト上映をやってる映画館で0時過ぎ開始のレイトショーを狙っていきました。
初日だけあって、そんな時間でも結構客は入ってました。
これはココ最近のシブリ映画の中でも最高に面白い映画だと思いました。
手書きのアニメーションでここまで描かせるというのは、多分もうジブリ以外じゃ無理だろうなあ。
その意味でも、水の表現とかあの質感は、他の誰にもマネの出来ないものだと思う。
ストーリーは単純といえば単純なんだけど、とにかくアニメーションの力ってのはこうだ!と挑戦状でもたたきつけるような、そういう強いプライドと技術を感じることができました。
アニメ(絵)の表現の多彩さと改めて感じることができます。
ひとつの映画として、かなりオススメできる作品だと思います。
以下、余談。
宮崎さんのロリっぷりもまた最高に感じられました(^^;。白いカボチャパンツは、今回も大活躍(笑)。
懐かしい風景、ちょっとレトロな街、少年と少女の大冒険…。
よくも悪くも同じ話しか作れない(というか、作る気がない)んだろうなぁ…。
いやまあ、ファンはもう知ってるから、いいんだけどね…。
●「クライマーズ・ハイ」
2008年7月19日 映画
原作は未読。
数年前に、日航機この事故の際に検死を担当した人のルポタージュを読んだ。
そのときの生々しさが、この映画ではどんな風に表現されていたのかなあというのが、観賞の動機だったのよね。
でも、どうもこの話はそういう部分が主軸ではなかったようで、丁寧で重厚な作りの映画ではあったけど、期待したのとはちょっと話が違ったな(^^;。
さすがに堤さんですね。
安定して見られる巧い役者の一人ですよ。
結構大事なときにブレる役柄なんだけど、そのあたりを器用に表現していたように思います。
そして、堺雅人さんですよ。
いやあ、これは…うならされました。
山から帰ってきてから堤さんに凄むシーンの迫力はなんともいえず圧倒されました。
他にも、新聞社の人として多くの個性的な俳優が起用されていて、見ていてとても安定した映画に感じました。
私としては堀部さんがアクセントとして気に入ったなあ。
…原作、読んでみよう。
数年前に、日航機この事故の際に検死を担当した人のルポタージュを読んだ。
そのときの生々しさが、この映画ではどんな風に表現されていたのかなあというのが、観賞の動機だったのよね。
でも、どうもこの話はそういう部分が主軸ではなかったようで、丁寧で重厚な作りの映画ではあったけど、期待したのとはちょっと話が違ったな(^^;。
さすがに堤さんですね。
安定して見られる巧い役者の一人ですよ。
結構大事なときにブレる役柄なんだけど、そのあたりを器用に表現していたように思います。
そして、堺雅人さんですよ。
いやあ、これは…うならされました。
山から帰ってきてから堤さんに凄むシーンの迫力はなんともいえず圧倒されました。
他にも、新聞社の人として多くの個性的な俳優が起用されていて、見ていてとても安定した映画に感じました。
私としては堀部さんがアクセントとして気に入ったなあ。
…原作、読んでみよう。
●「ザ・マジックアワー」
2008年7月16日 映画
いやあ、笑った。
正しいコメディの楽しみ方は出来たと思う。
ただ、ちょっとストーリーにノリ損なうと、途端に楽しめなくなるような、そういう類の話だったように思う。
一番気になったのは、設定の無理やりさかな。
誰にも顔を知られていないという設定の伝説のスナイパーが、複数人と一緒に食事するシーンがあったりとか。
ガス爆発ネタが二回通用しちゃうとか。
夜中に機材を簡単に盗みだせちゃうとか。
銃撃戦に飛び出して中断させるヤツだとか。
些細なことだと思う人もいるんだろうけど、あんまり頻度が高いので、私は気になったな。
でも、コメディシーンの面白さはやっぱり最高に笑えた。
ナイフ舐めのシーンももちろん、ああいうキャラの立場のズレから生じる笑いがこの映画のキモになるわけで、そのあたりの組み立て方はさすがだよね。
クライマックスの主人公の大活躍シーンは、ネタバレってたってやっぱり笑える。
ああいう爽快感は大事でしょう(^^)。
映画に対する監督の溢れんばかりの愛情はわからんでもないけど、そんなに映画狂でもない私としては、ちょっとばかりうっとおしく感じた部分があったのも確か。
うーん、あんまりにも見るまでに期待しすぎちゃったのかしらん。
いやまあ、普通に面白いと思います。
正しいコメディの楽しみ方は出来たと思う。
ただ、ちょっとストーリーにノリ損なうと、途端に楽しめなくなるような、そういう類の話だったように思う。
一番気になったのは、設定の無理やりさかな。
誰にも顔を知られていないという設定の伝説のスナイパーが、複数人と一緒に食事するシーンがあったりとか。
ガス爆発ネタが二回通用しちゃうとか。
夜中に機材を簡単に盗みだせちゃうとか。
銃撃戦に飛び出して中断させるヤツだとか。
些細なことだと思う人もいるんだろうけど、あんまり頻度が高いので、私は気になったな。
でも、コメディシーンの面白さはやっぱり最高に笑えた。
ナイフ舐めのシーンももちろん、ああいうキャラの立場のズレから生じる笑いがこの映画のキモになるわけで、そのあたりの組み立て方はさすがだよね。
クライマックスの主人公の大活躍シーンは、ネタバレってたってやっぱり笑える。
ああいう爽快感は大事でしょう(^^)。
映画に対する監督の溢れんばかりの愛情はわからんでもないけど、そんなに映画狂でもない私としては、ちょっとばかりうっとおしく感じた部分があったのも確か。
うーん、あんまりにも見るまでに期待しすぎちゃったのかしらん。
いやまあ、普通に面白いと思います。
●「舞妓Haaaan!!!」
2008年7月12日 映画東京の食品会社に勤めるサラリーマンの公彦は、熱狂的な舞妓ファン。なんと舞妓さんのHPも作成している。そんな彼に京都支社への転勤話が。狂喜乱舞する公彦。ついに夢にまでみたお茶屋体験ができる! 彼は恋人の富士子をふって、いざ京都へ。公彦は“一見さんお断り”という敷居の高いお茶屋を、仕事で結果を残して、社長に連れてってもらうことで突破! しかし、舞い上がったのも束の間、野球選手がお金にモノをいわせて豪遊しているのを見て、ライバル心が沸いてくる。そんなとき富士子は「舞妓になって見返してやる!」とこっそり京都で舞妓修行を始める…。
人気脚本家・宮藤官九郎とTVドラマ「恋の魔法使い」の水田伸生監督がタッグを組んだ、爆笑コメディ。注目は舞妓オタクを演じる主演の阿部サダヲ。全編“阿部サダヲ劇場”といっても過言ではないほど出づっぱり。ハイテンションの芝居で圧倒する彼の魅力をたっぷり堪能できる。また舞妓の世界に乱入するオタクという突拍子もない設定ながら、お茶屋のあり方、とりまく人々、家族の絆をていねいに描き、爆笑させつつ、最後は温かい気持ちにさせてくれるクドカンの脚本も秀逸。共演は柴咲コウ、堤真一、伊東四郎など。野球選手を演じる堤の阿部に負けないキレっぷりも必見!
脚本クドカン、主演阿部サダヲだもん。
面白くないわけがない(笑)。
映画初主演なのに、冒頭から白ブリーフ姿を惜しみなくさらしてくれたサダヲちゃんの魅力満載の映画でした。
序盤のミュージカルも馬鹿馬鹿しいんだけど、ちゃんとミュージカルスタイルになっているのが凄くって、コメディってのは真面目に作ってるからこそなんだよなぁと思いました。
駒子さんの舞妓姿が、地味なせいで(笑)凄くリアリティがあるように見えて、そのあたり面白いキャスティングだなと感じました。
脇を固める吉行さんとか伊東四郎さんとか真矢さんがしっかりシメてるので、サダヲちゃんのはっちゃけぶりが余計に可笑しく見えるのよね。
堤さんは、ちょっと大人しめだったかな〜。
いやでも、相手がサダヲちゃんだからそう見えただけなのかも??
クライマックスで着ていた黒い着物姿、堤さんが妙にイヤイヤ踊っていたように見えたのは、役のせいだけなんでしょうかね(^^;。
それにしても、「舞妓しか愛せない男」なんてのを主役に持ってくるクドカンには、またまたやられちゃいました。
南の島の小さな街。プロペラ機でこの地に降り立ったタエコはハマダという宿泊施設にやってきた。宿の主人はユージ。ほか高校教師のハルナや海辺でかき氷屋を開くサクラが、この宿に出入りしている。タエコは観光をしようと名所を聞くが「ここは観光する場所はない。たそがれるだけです」と説明される。独特の空気が流れ、やさしいような、なれなれしいような不思議な人々にとまどうタエコは宿を変える決意をするが、新しい宿泊施設はとんでもないところだった…。やがてタエコを「先生」と呼ぶ青年が、ハマダを訪れる…。
『かもめ食堂』の荻上直子監督が、再び小林聡美主演で描くヒューマンドラマ。『かもめ食堂』同様に、ゆっくりと心地よく気持ちいい時間が流れていく、やさしくておかしな映画だ。海、空、緑、土が美しく映し出され、その楽園のような島で人生を徐々にリフレッシュしていくタエコの心の変化を追ってゆく。何も起こらないけれど、タエコとともに、見る者の心も解き放っていく演出がうまい。『かもめ食堂』同様に、ハマダの料理もいわゆる家庭料理でおいしそう。こんな島があったら、休みごとに行ってみたいと思わせる、心をやさしく包み込むようなファンタジーだ。共演はもたいまさこ、光石研。市川実日子、加瀬亮など。
「かもめ食堂」がイイ感じだったので、こちらもずっと見たかったのよね。
やっと観れました(^^)。
もともと小林さんとかもたいさんが大好きで、彼女たちのフランクな姿が羨ましいぐらいに気持ちよさそうなのよね。
この映画も、そんなゆったり感漂う物語でした。
お話としては、特別大きな起伏もないし、登場人物は一体どういう生活をしている人なのかの説明も全然ないし(多少はうかがえるけど)、観る人によっては退屈でつまらないものだって思うのかもしれない。
でもその流れる時間の贅沢さと芳醇さと寛容さには、見習うところがあるんじゃないかしら。
ハリウッド超大作の対極にあるような、こういう映画の良さもわかれるようでいたいなぁと思ったのでした。
●「西の魔女が死んだ」
2008年6月25日 映画「西の魔女」とは、中学生の少女・まいの祖母のこと。学校へ行けないまいは、田舎の祖母のところで生活することに。まいは、祖母の家系が魔女の血筋だと聞く。祖母のいう魔女とは、代々草木についての知識を受け継ぎ、物事の先を見通す不思議な能力を持つ人だと知る。まいは自分も魔女になりたいと願い、「魔女修行」を始める。この「魔女修行」とは、意志の力を強くし、何事も自分で決めること。そのための第一歩は規則正しい生活をするといった地味なものだった。野苺を摘んでジャムをつくったり、ハーブで草木の虫を除いたりと、身近な自然を感じながらの心地よい生活が始まる。次第にまいの心は癒されていく。魔女はいう。「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」
そしてまいは、この「西の魔女」から決定的なメッセージをうけとるのだった……。
原作が大好きで。
映画化って大抵不満が残るんだけど、この映画は比較的綺麗にちゃんと作られていたと感じました。
主演の少女役は、素人さんなのかな。
演技が達者という感じではなかったんだけど、でも彼女のちょっとした戸惑いとか、素直な顔が役に近かったと感じました。
ちょっとデコちゃんに見えたシーンがあって、それも愛嬌(笑)。
おばあちゃん役のサチ・パーカー、実は役柄より若いってことですけど、映画の中ではしっかりおばあちゃんだった(笑)。
綺麗な日本語を話す姿は、現代ではちょっと珍しいぐらいだけど、外国人が日本語を話すからというだけでなく、彼女の人柄も言葉に出ているように感じられて、雰囲気がありました。
原作で好きなシーンの一つが、ラベンダーの上にシーツを干すところ。
ここは是非みたかったので、嬉しい(^^)。
ほかにも、素朴な生活の様子が丁寧に描かれていて、森と雨と空の描写が美しかったです。
クライマックスのシーンは、分かっていてもやっぱり号泣ものでしたよ。
他に客がいたから、出来るだけ静かにしてたけど、ハンカチぐしょぐしょ(^^;。
以下、ちょっとネタバレ。
そんな涙涙のシーンだったのに、頭の片隅は妙に冷静で、あの感動の硝子に書かれた文字が、微妙に下手だったのが気になった(笑)。
純粋にファンタジーとしてなら、もちろんおばあちゃんが書いたってことなんだろうけどさ、現実的にはやっぱりゲンジさんが頼まれて書いたのかなと、あの字の下手さから想像してしまいました。いや、わかんないんだけどね。そういう考えもアリかなと。
歌、意外に映画の雰囲気にあってましたね。
手島さんの声が独特で、清涼感があって、綺麗でした。
映画のサントラが欲しくなったぐらい、珍しく音楽も気に入りました。
●「最高の人生の見つけ方」
2008年6月25日 映画
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが主演。
余命宣告された二人が、その残りの人生をどう生きるか、っていう物語。
これはもう面白くないわけがない、と思ってしまったよ。
しかしまあ、ジャック・ニコルソンのクソジジイぶりって、こんなに最高に似合う人は他にいなそうだよねぇ(笑)。
嫌味で、金持ちで、嫌われ者で、でもウィットたっぷりな愛嬌と茶目っ気が可愛いなんて、もう詐欺!
そしてまた、モーガン・フリーマンの実直で真面目で素朴風なのもまたイメージを損なわず、これだけ二人の印象から外れない役だっていうのに、そのあたりに違和感も面白みのなさも感じさせずに、普通に楽しめる映画になっていたのは、なんだか凄いと思ったよ。
性格も境遇も何もかも正反対の二人が、人生の最後に出会うことで親友となりえた。
最後だからこそさらけ出すことができたし、最後だったからこそ真摯に謝ったり本音を語ることが出来たんだろうね。
棺おけリストは、それぞれお楽しみポイントはあるんだけど、やっぱり最大のは「世界一の美女にキスをする」だと思う。
あれは反則だよ(笑)。
そして、「荘厳な景色を見る」が叶えられたのを見たとき、しみじみとこういう人生の終わりっていうのもいいものだなあと感じるんじゃないでしょうか。
余命宣告された二人が、その残りの人生をどう生きるか、っていう物語。
これはもう面白くないわけがない、と思ってしまったよ。
しかしまあ、ジャック・ニコルソンのクソジジイぶりって、こんなに最高に似合う人は他にいなそうだよねぇ(笑)。
嫌味で、金持ちで、嫌われ者で、でもウィットたっぷりな愛嬌と茶目っ気が可愛いなんて、もう詐欺!
そしてまた、モーガン・フリーマンの実直で真面目で素朴風なのもまたイメージを損なわず、これだけ二人の印象から外れない役だっていうのに、そのあたりに違和感も面白みのなさも感じさせずに、普通に楽しめる映画になっていたのは、なんだか凄いと思ったよ。
性格も境遇も何もかも正反対の二人が、人生の最後に出会うことで親友となりえた。
最後だからこそさらけ出すことができたし、最後だったからこそ真摯に謝ったり本音を語ることが出来たんだろうね。
棺おけリストは、それぞれお楽しみポイントはあるんだけど、やっぱり最大のは「世界一の美女にキスをする」だと思う。
あれは反則だよ(笑)。
そして、「荘厳な景色を見る」が叶えられたのを見たとき、しみじみとこういう人生の終わりっていうのもいいものだなあと感じるんじゃないでしょうか。
天竺への旅の途中で、三蔵一行が寄ったのは“虎の民の国”。ここは金角大王と銀角大王という兄弟妖怪が王と王妃を亀に変え、国を乗っ取っていた。難を逃れた王女の玲美は、三蔵たちにその妖怪の退治を依頼。玲美の案内で妖怪の住み家に向かうが、そこにはとんでもない罠が仕掛けられていたのだった…。
去年だったかな、香取クンが孫悟空をやったヤツです。
オープニングの草薙クンとナンちゃんは友情出演ってやつでしょうが、しかしあの偽三蔵一行の中の偽三蔵役が女性というのは、もう日本で西遊記といったら三蔵法師は女性というお約束が出来上がってるのかって感じでした。
というか、小さなお友達はもしかして三蔵法師は女性なんだ、という間違った認識を持ちそうだよ。
いいんだろうか。
映画は、さすがフジテレビ製作だけあって、二時間ドラマじゃ駄目だったんですか?な内容。
いや、軽めで分かりやすくて、これはこれでアリだとは思うけどね。
どうでもいいけど、多部未華子さんが出てくるたびに「あ、鹿女」と思ってしまったよ。
●「トランスアメリカ」
2008年5月31日 映画かねてから男性であることに違和感を持つ"トランスセクシュアル"のブリーは、LAで女性として慎ましく暮らしていた。そして念願だった"本当の女性"になるための手術を控えた彼女に、ある少年がNYで警察に捕まったという連絡が入る。それは、ブリーがかつて"スタンリー"という男性だった17年前に生まれたという実の息子・トビーだった。想像もしなかった自分の子供の存在に戸惑うブリー…。
この件を整理するまでは手術が受けられなくなったブリーはNYへ。顔を合わせた2人はひょんなことからNYからLAへの大陸横断の旅に出ることになる。ブリーは女性として自分が父親であることを隠したまま、トビーは俳優という夢を追いかけ、そしてまだ見ぬ実の父親を探すために…。
ずっと気になってたんだけど、こういうのってレンタルDVDを探すのが難しい。Webで借りるタイプなら検索も簡単だろうけど、町のレンタル屋は置いてある確立からして低いし、あるとしても一体どんなジャンル棚に並べられるのか想像もつかないよ。
なので、WOWOWでやってくれて凄く嬉しい。
一週間後にSRSを控えた彼女の元に、息子の保釈人になれという一本の電話がかかってくるところから物語は始まる。
親子の物語であり、人間の自立の物語でもあります。ロードムビーらしく、いろんな町を移動しながら、主人公たちが心を通わせる過程が丁寧に描かれていてよかったな。
作中、GIDに対するいろんな見解が出てきて、否定する人もいれば受け入れる人も目をつぶってやりすごす人もいて、一方的でない分、見ているこちら側も「自分だったらどう感じるのか」「どう接することがいいのだろうか」と考えるきかっけになれるんじゃないかなと思った。
一番好きなシーン。
若い彼に殴られて罵られたのを見た主人公の母親が、それまでずっと頑なに主人公の生き方を否定していたにも関わらず、すぐに抱きしめて癒しを与えたところ。
あんなに強く否定していたのも、全て結局は彼女なりの主人公への愛情だったんだな、というのがとてもよく現れていたと思う。
SRS後の主人公の落ち着いた自信のある表情が印象的でした。ようやく本来の生き方ができることになった喜びと、普通に生活することへの安心感がそうさせたのか。
エンディングテロップを見ながら、受け入れるということはこういうことをいいのか、と思いました。
反発しても泣いても喚いても、心の底にある感情がしっかり根を張っていれば、何があっても大丈夫…なのかな。
勇気をもらいました。
西アフリカの小さな村。そこは古くからの伝統で“割礼”(女性性器切除)を行うことが仕来りになっていた。しかしある日、4人の少女が割礼を嫌がり逃げ出したことをきっかけに、少女の為に、未来の為に、母親たちが立ち上がる。
女子割礼を扱った映画。一応フィクション…だよなあ。
でも近年、似たようなことは実際にあっただろうとは思う。
アフリカなどの村ではまだ実際に行われている女子割礼。その儀式から逃げ出した少女たちを匿った一人の女性を支点に、割礼の是非、女性の人権、文明社会との対話など、そのあり方について表現した映画。
映画そのものは、何かを強く推奨しているわけでも非難しているわけでもなかったように思う。
一種ドキュメンター映画といえなくもないかな。
クライマックスにて燃やされるラジオと、英雄になった彼女、父の元を去る息子、そして命を失った少女。
見終わってからいろんなことを考えることを要求していました。
しかし、この映画に対しリアリティというか、主人公女性に共感(そして村の女たちに共感)するには、女子割礼というのが、どういうことをするのかを正しく知らないと、恐怖も残酷さも感じるのが難しいんじゃないかなぁ。
映像として、そのもののシーンは描写できない(し、多分知るためだとしても見たくないし、見せたくもないだろう)から、仕方ないんだろうけど…。
普通映画のスタッフロールは見ない人が多いらしいんだけど、この映画はエンディングテーマの歌詞が字幕に出ているので、これは見たほうがいいですよ。
●「カウントダウン・オブ・「スカイ・クロラ」count.2」
2008年5月21日 映画
夏の映画に向けた、宣伝DVDの第二段が本日発売です。
内容は監督をメインに、映画の情報を小出しにしていて、期待感も高まるというもの。
個人的にお得だなと思ったのは、原作者の森さんが動いてしゃべってる姿を見られたことでしょうか(^^)。
昔、NHKの番組に出てられたのを拝見して以来なので、ちょっとお年を召した姿もまた興味深かったです。
トレーラー映像にようやくキャラクターと声が入りました。
カンナミの声が好みからはかなり離れていたんだけど(^^;、でもこんなものなのかなぁ。
クサナギの声もトレーラーだけみるとかなり不安なんですが、物語としてちゃんと見てればまた違うのだろうか…。
やっぱりアニメの声は声優さんにやってもらいたかった…。
まあでも、監督としては結構新たな心境として自信あるようなので(宣伝DVDでそう見えないとヤバいんでしょうけど(笑))、楽しみです。
内容は監督をメインに、映画の情報を小出しにしていて、期待感も高まるというもの。
個人的にお得だなと思ったのは、原作者の森さんが動いてしゃべってる姿を見られたことでしょうか(^^)。
昔、NHKの番組に出てられたのを拝見して以来なので、ちょっとお年を召した姿もまた興味深かったです。
トレーラー映像にようやくキャラクターと声が入りました。
カンナミの声が好みからはかなり離れていたんだけど(^^;、でもこんなものなのかなぁ。
クサナギの声もトレーラーだけみるとかなり不安なんですが、物語としてちゃんと見てればまた違うのだろうか…。
やっぱりアニメの声は声優さんにやってもらいたかった…。
まあでも、監督としては結構新たな心境として自信あるようなので(宣伝DVDでそう見えないとヤバいんでしょうけど(笑))、楽しみです。
●「しゃべれども しゃべれども」
2008年5月5日 映画古典を愛する二つ目の落語家、今昔亭三つ葉。
思うように腕もあがらず、悩んでいる彼のもとに、「落語を、話し方を習いたい」とワケありの3人が集まってくる。
すこぶる不愛想で口下手な美人・十河五月、勝気なためにクラスになじめない大阪から引っ越してきた少年・村林優、毒舌でいかつい面相の元プロ野球選手・湯河原太一。
ひょんなことから「話し方教室」を開くことになった三つ葉だが、3人は集まるごとに言い争い、なかなか落語も覚えない。
想いを寄せていた女性には結婚相手がいることを知り、ますます落ち込む三つ葉。
しかし、「落語が好きだ」という強い気持ちに突き動かされ、師匠・小三文の十八番「火焔太鼓」に挑戦することを決意する。
はたして、それぞれの気持ち、本当の想いは、伝わるのだろうか…。
これもベストセラー原作だよね。たしか本屋大賞受賞作品。
落語というと、私は「タイガー&ドラゴン」が記憶に新しいのだけど、そういえば、あちらは長瀬が噺家だったっけ。こちらは太一。
駆け出し噺家の三つ葉@太一が、不器用な生徒にしゃべることを教えていくことで、自分もひとつ階段をのぼる、そんな成長物語。
さわやかなお話でした。
作中披露される「火焔太鼓」という話は私は始めて聞いたのだけど、面白いのね。
いや、タイガー&ドラゴンの時から、落語っていうのもちょっと面白いよなあって興味はあったので、また楽しむ機会が持てて嬉しい。
ちょっと原作を読んでみたくなったなぁ。
弟の大学の学費のために盗みに入った邸宅で、誤って女性を殺してしまった剛志。千葉の刑務所に服役中の彼の唯一の支えが弟の直貴から来る手紙。しかし、兄が受刑者というだけで、差別され、仕事も転々とし、恋人にもふられ、夢さえ打ち砕かれてきた直貴。兄を思いながらも、その存在の大きさ、罪の大きさに彼は押しつぶされそうになる。そんな彼が所帯を持った。守らなければならない妻、子どものために、直貴はある決心をした。
直木賞作家・東野圭吾が描いた小説をTVドラマでおなじみのヒットメイカー生野慈朗が映画化。加害者の家族を主人公にする大胆な試みだが、登場人物の心情にきちんとよりそい、ときには心にグイグイと入り込む演出は、罪を背負って生きる兄弟のドラマに見るものを釘付けにする。陰のある役がよく似合う山田孝之が、兄への思いと妻と子への愛の間で苦しむ直貴を熱演。意外にもさわやかなイメージの玉山鉄二が受刑者の兄を淡々と演じながら、最後で泣かせてくれる。ひとりの人間の犯した罪により、家族がどんなに苦しむか。そこから生まれる差別との闘いのドラマは確かにヘビーだが、弟の怒り、哀しみ、諦めなどの感情がうなりをあげて見る者の感情をゆさぶり、目が離せない 。まさに感動作だ。
原作は読んだので、映画のほうもチェック。
ストーリーは基本的にかなり原作に忠実だったと思う。
主人公が芸能界に入る手段(?)が、原作は歌だったけれども映画ではお笑いに変更されていたのが大きな違い。
でもこの「お笑い」が、映画のクライマックスに物凄くうまく生かされていて、びっくりした。
俳優さんたちはそれぞれ巧かったですね。
重要な役どころとして、主人公が就職する電気店の会長さんがイイ味を出していたと思う。
あと、主人公がお笑いをやってるってことっで、練習シーンやTVでの活躍シーンで使われていたネタが、十分面白かったのもよかったな。
あれがあるから、クライマックスでの兄ネタでうるうるっときたよ。
あの涙のシーンにかぶさる小田和正の「言葉にできない」が場面を盛り上げてくれました。
うん、いいですねえ。
地球の運命があやういバランスをかろうじて保っている中、本作は最も先見の明がある重要なドキュメンタリー映画だと言えるだろう。「ほんの一瞬大統領になりました」と冗談をとばす作者アル・ゴアは、政治家としてのキャリアを通して、人々の関心を地球に迫る温暖化の危機に向けることを使命としてしてきた。この作品は、彼がパワーポイントを使って世界中で続けてきた(本人によると千回を超える)講演内容をそのまま映画化したものだ。図表やグラフ、統計、写真を駆使して温暖化が地球の究極的な環境問題であるという現実(「理論」ではない)に疑う余地を与えず、わかりやすく控えめなアプローチを展開している実直な映画であるにもかかわらず、その内容は大変興味深く、説得力をもって聴衆のもとに届く。2000年に行われた大統領選選挙運動の頃の硬さがとれたゴア。彼の人格形成に多大な影響を与えた出来事(姉の死、息子を交通事故で亡くしかけたことなど)についても触れながら、政党を超えて常識と道徳的な率直さに訴え、温暖化のもたらす悪影響を覆すという断固とした決意と使命感を抱いた一人の人間像が見えてくる。温暖化問題を民主党の政網に利用しているという非難の声も聞かれるが(温暖化についての圧倒的な証拠や反駁を許さないゴアのメッセージによって、自分自身の利益が脅かされる人もいるのだろう)、『不都合な真実』に関してはゴアの誠実な信念が伝わってくるし、それに文句があるのは鈍感で頑固な人間だけだろう。作者は正道を行きながらもジョージ・W・ブッシュ政権(のらりくらりと「不都合な真実」を一貫して避け続け、石油産業優先の政策をとり続けている)に対する全面的な攻撃は控え、政治的見解の差を巧みに乗り越えながら、子どもたちの未来に厳しくも希望に満ちた目を向ける。
ずっと気になっていたので、ようやく見られて嬉しい。
地球温暖化という言葉(というか概念)は、私はかなり最近(10年ぐらい?)になって認識されてきたのだと思っていたんだけど、データを見るかぎり既に70年代には警鐘は鳴らされていたんだと、この映画を見て知りました。
アメリカの大統領戦にはあんまり興味はなかった私ですら、アル・ゴアという名前は知っていたのだけど、でもその彼がこんなにも長いことこのこと(人間による自然環境の破壊)について研究し、勉強し、これら人間による破壊を可能なかぎり止めようと活動していたなんてのは、知らなかった。
映画は、彼の講演の模様をメインに紹介しつつ、データを視覚化し、彼の活動の動機や信念などを交えたドキュメンタリーとなっています。
映画を見終わると、多くの人間が「変えよう」と決心しない限り、明るい未来は望めないと思い知らされます。
だからこそ、最後に提示される、誰にでも出来る第一歩としての行動を、少なくとも一つは実行しなければいけないなと、決心しました。
とりあえずクーラーの設定温度を一度上げよう。
●「父親たちの星条旗」
2008年4月8日 映画太平洋戦争末期、硫黄島に上陸した米軍は日本軍の壮絶な攻めに苦戦をしいられつつも、圧倒的な戦力で山の頂上に星条旗を立てた。その写真は米国の勝利を映し出し、旗を立てた3人は、帰国すると英雄となっていた。しかし、そこには写真に映らない事実があり、それは政府の都合で封印されてしまう。戦費のために米軍の広告塔になった生還者たち。しかし、彼らは硫黄島で仲間を多く亡くし、死と背中合わせの体験をし、その精神的なダメージは大きかった。そんな彼らだったが、国は彼らを徹底的に利用しようとする…。
硫黄島での米国と日本の闘いを、米国側と日本側から描いたクリント・イーストウッド監督による2部作の米国編。戦争シーンのすさまじさは、『プライベート・ライアン』を彷彿させるが、戦争によって傷ついた兵士の心をエピソードの積み重ねでていねいに綴り、戦争がもたらした悲劇をあぶりだす。硫黄島であった悲惨な経験と、帰国後、彼らが政府から受けた扱いの醜さ、それがどんなに兵士たちを苦しめたかという事実が、激しさと静けさをバランスよく配した演出で、見る者の心に静かに浸透していく。出演はライアン・フィリップ、ジェイミー・ベル、アダム・ビーチ、バリー・ペッパーなど。本作を見ると必ず日本編『硫黄島からの手紙』を見たくなること必至。これだけでの十分傑作と呼べるにふさわしい作品だが、『硫黄島からの手紙』を見て、初めてこの闘いの真意が明らかにされる作りになっているところは、さすがイーストウッド監督。うまい!とうなるばかりだ。
以前、「硫黄島からの手紙」は見てあったので、それじゃあ対になってるこちらも観ておこうかな、と。
硫黄島が日本軍視点だったのと反対に、こちらはアメリカ視点。
戦争で実際に戦っている兵士たちと、アメリカ本国に残った要人たちの乖離がとてもわかりやすく描かれてましたね。
実際戦争にお金がかかるのは事実で、そのお金を集めるために、また戦争に携わる兵士たちの士気を高めるためにも英雄は必要なわけで、そんな只中に投げ込まれた一兵士たちの戸惑いや反感。
映画は時間軸が何度か往復したので、最初外人の顔が見分けられない私なんかは、誰が何をしてるのかを把握するのがちょっと大変でした(^^;。
この映画と「硫黄島〜」が対だというのは、凄くよくわかる。
見るなら両方みたほうがいいと思います。
●「エラゴン 遺志を継ぐ者」
2008年4月6日 映画運命は、一人の少年とドラゴンを選んだ…。遥か彼方の帝国アラゲイジアは、かつてエルフ、ドワーフが人間と共存する平和な土地だった。ところが今、邪悪なガルバトリックス王の圧制の下、帝国は大きな混乱の中にあった。 17歳の少年エラゴンは、ある日、森の中で光を放つ青い石を見つける。その石こそは、世界の命運を握るドラゴンの卵だった!卵からかえったメスのドラゴン、サフィラを密かに育て始めたエラゴンは、邪悪な王が放った魔物に叔父を殺され、自らの運命を悟る。彼はかつて偉大な力を持ち、国を守っていた伝説の種族、ドラゴンライダーとして選ばれたのだ。大きな使命を負い、サフィラ、語り部ブロムとともに旅立ったエラゴンを襲う危機……!
映画になる前から、原作に興味はあったんだよね。
しかしハードカバーはやっぱり扱いづらくて躊躇していて。
その後ソフトカバー版も出たんだけど、本屋で序章部分を立ち読みして挫折。どうも文章との相性が悪い。物語そのものは面白そうだなあって思うのに、こういう作品が翻訳物の場合は、すっごく残念だ。翻訳者さんが違う人だったら読めたかもって思うから。
ま、そんなわけで映画化されたので、楽しみにしていたのよね。
んがしかし…。
相棒と一緒にみたんだけど、序盤からブーリングの嵐。曰く「これじゃスターウォーズのぱくりだよ!(怒)」。
あんまりうるさいんで「そんなに気に障るなら一人でみるよ」と言ってみたんだけど「いや、見る」(興味はあるらしい)といって、結局最後までみた。
選ばれた少年が、肉親を殺されたことでふるさとを出奔、悪=王の手先の部下に追われつつも反乱軍に合流し、最終的には悪を倒す(映画では倒すところまでいってないけど)。
こう書いてみると、陳腐なまでにお約束な映画でした(笑)。
いやあ、これは多分物語(原作)が面白くないってよりは、脚本がダメだったんじゃないかしら。あと物語を表現するのに予算が足りなすぎた気がする。ついでに時間が足りなすぎ。ああそうか、予算と時間のせいで脚本がダメになったって順序なのかも。
なんかね、勿体無いなあってずっと感じながら見てました。
原作がかわいそう。…読んでないけど(爆)。
うーん、やっぱり多少文章の好みを譲っても読んでみようかなあ。
私、ドラゴンってモチーフ、好きなんだよねぇ(笑)。