●「博士と彼女のセオリー」
2016年3月13日 映画現在73才のスティーヴン・ホーキング博士、その50年分の半生を描いた映画
理論物理学者の立場から宇宙の起源の解明に挑み、現代宇宙論に多大な影響を与えたホーキング博士。ALSのハンデを負いながらも研究を続け、積極的に公の場にも登場する彼だが、その偉業がひとりの女性によって支えられていたことはあまり知られていない。実在する著名人の真実の愛の物語たからこそ、この映画は刺激的で、興味が尽きない。
偶然WOWOWで予告を見て、なんとなく興味をもって録画した映画。
思ったのとちょっと違って、楽しめました。
もともと、SFが好きだということでホーキング博士の名前と、病気らしいということは知っていました。
ALSというと、近年だとアイスバケツチャレンジとかで有名になった、あれですよね。
筋肉制御が急速に衰えていくことで肉体を操れなくなり、結果的に死にいたる、という病気。
ただし、影響がおもに筋肉に対するものであるため、人間の尊厳の根源とも思われるアイデンティティというか人格というか物を思う器官は正常で、だからこそのアイスバケツチャレンジだった(冷水により体が硬直する、ただし脳は普通に思考可能)んでしょう。
ホーキング博士も、20代前半から症状が発覚し、その後急速に肉体の制御を失っていくのだけれども、頭の冴えはむしろどんどんと増しているかのよう。
宇宙に関するその発想力はイギリスのみならず世界にも影響を与えていきます。
そんな彼の人生に寄り添った女性とのかかわりあい方が面白った。
科学者であるホーキング博士は神を信じない。そんな彼とお互い一目ぼれした彼女は英国国教会の信徒。二人が、しかしその部分の価値観に違いを認めながら人として惹かれあう姿は、私はすごく未来を感じた。
現在多くの地域では宗教を発端とした戦いが存在している。
でも、お互いにリスペクトするものがあれば、人はその違いを乗り越えられるってことなのかなあって。
…あんまり映画とは関係ないな(^^;。
映画のクライマックスとしての着地点も、一般的な恋愛ものとは違ったもので、実在の人物の物語がベースだから、とはいえ、そういうユニークなスタイルでもお互いに対する尊敬と愛情が存在するというのも、私にとってはとても嬉しい気持ちになったな。
人間関係の形は、当事者たちが納得し受け入れている限り、どんな風になってもOKだと思うから。
観て、よかった。
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