江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること--日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描く傑作時代小説!!


時代小説、になるのかな?
徳川初期に、日本オリジナルの暦を作った人の物語です。

もともと時代物はあまり読まないほうなのですが、作者が書いた他の作品がSFで、それが面白かったので、こちらも手をだしてみました。
どうやら文庫の表紙でわかったのですが、映画化するらしいですね。
読み終わってからキャストをみて、だいたいの配役も想像できたし、ちょっと興味あるかも。

物語は、主人公の渋川晴海の半生が描かれてます。
もともと将軍のための碁打ちが仕事の晴海ですが、碁よりも算術に興味を持っていました。そしてこの時代まだ知識も教育も足りなかった天文の分野にも好奇心があって、そんな彼に暦を作る仕事が舞い込んできたのでした。

ストーリーは、そういう一大事業を扱っているわりには、意外に淡々と進んでいきます。
それは主人公・晴海の性格によるところが大きいのでしょう。
情熱も熱意も有り余るほどあるけれども、社会的な地位といった方向への野心がほとんどないから、俗っぽくならないのかな?と思いました。

脇役で出てくるキャラクターも個性的で愛すべき人が多くて、魅力的です。
文庫上下の二冊ですが、結構薄いし、集中すると一気に読めると思います。

余談ですが、下巻解説の養老孟司さんの文章が結構イイ感じでした。好きだな。

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