すべての人間の職業が、幼児期のテストで決定される時代。クリスチャン・ハラルドスンは生後6ヶ月のテストでリズムと音感に優れた才能を示し、2歳のテストで音楽の神童と認定された。そして、7歳の時、両親と別れて、森の中の一軒家に移り住む。そこで自分の音楽を作り、演奏すること。それが彼に与えられた仕事だった。彼は「メイカー」となったのだ、メイカーは既成の音楽を聞くことも、他人と接することも、禁じられていた。ところが、彼が30歳になったある日、見知らぬ男が森の中から現れた。男はクリスチャンにレコーダーを差し出して、言った。「これを聴いてくれ。バッハの音楽だ……」


「夏への扉」を見てから、キャラメルボックスのDMが届くようになりまして。
相棒は気に入ってその後何度か観てるようですが、私は以降ご無沙汰していた状態。
そこに「無伴奏ソナタ」ですよ!オースン・スコット・カード大好きな私が見ないわけにはいかないでしょう!(笑)。

脚本の成井さんの好きなSFって結構私の好みとかぶってるのよねぇ。先の「夏への扉」もそうだし、今度やる「アルジャーノン~」もそうだし。過去にやった「スキップ」とか…ねぇ。

まあそんなわけで、期待しての観劇でした。

東京グローブ座は初めての場所でした。
名前はよく聞く有名なハコなのは知ってたので、実際に言ってみて、思ったよりも小さめの劇場でちょっとびっくり。
今回二階席でしたが、パブリックシアター並みに高低差のある座席で見やすかったです。
舞台を俯瞰してみられたので、俳優さんの細かな表情と引き換えに、ストーリー全体と演出を堪能できました。

物語は短編を元にしてあるだけあって、かなり忠実。
もともとカードは物語の中にテーマを分かりやすく見せる人なので、そのあたり舞台でも鮮明になっていました。
舞台設定が古いアメリカSFにありがちなのも、学生時代から翻訳SFにハマっていた私にはくすぐったい懐かしさでしたね(笑)。

最後には落涙、目がはれちゃってどうしようかって思ったわ(^^;。
帰り道、同行者とまともに顔を合わせるのが恥ずかしくって、まいった。

短い期間の公演ですが、見られてよかったです。
原作をもう一回読みたくなりました。

追記:
紹介文はキャラメルボックスのWebページからひっぱってきたのですが、(句読点がおかしいのはともかく)あらすじが間違ってるよ。
クリスは二歳で両親と離れて暮らすことになり、その後28年間メイカーとしての人生を歩みました。二歳の子どもを手放す両親の嘆きと子どもへの責任と人生の選択肢についての考え、なかなか印象的なシーンでした。

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