トレイラーで見たときに、最初に気になったのは、黒人の女性が世界的なトップモデルになった、という部分。
きっとサクセスストーリーなんだろうなあと思って、ソマリアにいた少女がどうやってトップモデルになったのか、単純にそれを楽しみに観に行った。
の、ですが。

内容は、モデルになる話がメイン一本ではなくって、並走してもう一本メインとなるべき主題がありましたよ。
FMG、女子割礼の問題です。

そういえば、以前女子割礼についてのルポタージュ的な読み物をいくつか集中的に読んだ時期があって、だから知識はあったのよね。
で、それら読み物の中で今思えばこのモデル(実在の人物。ワリス・ディリー)について書かれていたものがあったのでした。
…映画を見終わってから気がついたけど(^^;。

映画そのものは、実在の人物が記した自伝を原作としているので、その波乱万丈な半生だけでも十分にドラマチック。
それに加えて、ソマリア(というかアフリカ)での慣習となっている女子割礼がストーリーに練りこまれていて、単純に娯楽映画として見ると、展開が中途半端な感じはありました。
でも恐らく多くの日本人はまだこれら慣習について知らないだろうし、そういうことがあり得る世界があるというのを知るには、入り口として映画ってのもいいのかもしれないですね。

映画の中で気に入ったキャラクターは、ワリスのモデルエージェント@ルシンダ。
常に大声で誰かと話し、てきぱきと指示を飛ばし、強気でプライド高い女性。電話口でフランス語で畳み掛けるシーンとか、格好いいわ~(笑)。

脇役に愛すべきキャラクターが沢山配置されていたのも、重いテーマを含む映画を見やすくしていたように思います。
同居人のマリリン始め、宿の受付女性とか偽装結婚の相手とかワリスを見出したカメラマンとか。

物語としては、ワリスの国連でのスピーチがちょっと唐突な感じはありました。
でも、ソマリア時代とモデルへと駆け上がっていくヨーロッパ時代の描き方は中々分かりやすく演出できていたようにも思います。

アフリカの砂漠の景色が綺麗でした。
荒廃地が美しいって感じるのは、何故なんだろうなぁ。


追記。
FMGについて知りたいからは、まずはこの映画の原作から入るのもいいかもしれません。

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