原作は実際に南極ドームふじで料理人として越冬した西村さんの面白エッセィ、になるのかな。
タイトルぐらいは本屋で見たことはあったけど未読。
今回は、主演が堺さんだったのと、フードスタイリストが飯島さんだったので、是非見てみたかったのよね。

南極というと昭和基地が有名でしょうけど、そこから1000キロ離れたドームふじは料理人合わせて8人という少人数で一年間越冬する。
そういう少人数だからこそ、密な関係が築かれることとなり、男たちの愛すべき馬鹿丸出しな生活が料理人の目線から描かれるのでありました。

映画はひたすら生活の中心である食事を軸にして、越冬隊の様子を切り取っていく、地味な展開でした。
でもその地味さにとても味があって、こういうの好きだわ~。

最初、基地についたばかりの主人公料理人は、周囲の人のアクの強さやなれない環境に対して、ちょっとぎこちない感じ。
それが、日々を一緒に過ごすにつれ、段々と皆との関係性が出来上がっていき、リラックスしていく様子が、ちゃんと食事シーンに反映されていて、そういう細かな部分が見逃せないのよね。
調味料を取って、と声を掛けることととか、食事の食べ方とか、服装とか。

相変わらず料理そのものもとてもおいしそうでした。
感動のラーメンとか、絶句のエビフライとか、貪り食う中華とか、シチュエーションに漂う雰囲気と料理が絶妙に組み合わさって、面白いのよね。

隊員一人一人にも、大小さまざまなエピソードが用意されているのだけど、一番好きなのは、KDDインマルサットオペレーターの清水さんと兄やんのエピソード。

当時はKDDの交換をへて日本との長距離電話をしてたのよね。だからこそ生まれた事実だよねぇ。
今ではすでにインターネット環境が整ってるから、隊員は E-mail を使えるんだとか。…人間の力って凄いわ。

あえて、南極という極地での仕事という視線を真正面には捕らえずに、料理人の目線から愛すべき男たちの姿をコミカルに描写した、そのバランスも巧かったと思います。

私の居住地ではかなり遅れての上映だったので、もう都心では終わってるのかも?
でもおすすめですわ。

コメント

りなりん
2009年12月1日12:32

私は、劇場での上映を見逃してしまって残念なのです。やっぱり見たかったわ~。
ほぼ日の食べながら対談も面白かったですね。

砂姫
2009年12月1日12:37

>> りなりん さん
この映画、実はほぼ日の対談連載が始まったときに存在を知ったんですよ(笑)。
そのときは近くのシネコンではやってなくて悔しかったんですが、ようやくこの時期にやってくれて、早速見てきたのでした。
いやあ、やっぱり美味しそうでよかったですよ~(笑)。堺さんのおむすび、形も綺麗で、私も食べたくなりました(^^)。

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