NHKでアニメが始まってから、ずっと読みたいと思っていたんだよね。
しかし、児童向けハードカバーの本を読むのは気がすすまず、児童向け新書ではひらがなの多さが気になり…、やっと今月文庫本となったのを期に、読み始めました。

読み始めると一気ですね。
文章が平坦なこともあるのだけど、物語の面白さが推進力となって、ぐいぐいと先を読ませます。

作者が文化人類学者だけあって、異世界での暮らしぶりの詳細さはさすがですね。
ハイ・ファンタジーなのに、リアリティがあるというのは、一つ一つの描写が丁寧で嘘がないということなんだと思う。
闘蛇とか王獣とか、実在しない動物の描写でも、彼らの生態が細かく描写されることで、まるで本当に目にすることができる動物であるかのように読めるのが凄い。

ただ一点、難を言うと、物語に絡まってくる政治の話が、少し弱いかなぁ…というところでしょう。
主人公の少女と、彼女がかかわる動物の生態が、ある掟に抵触し、それが国や政治に影響をもたらすこととなるのだけど、政治の部分の物語への介在の仕方がぎこちなかったかな、と思ったのね。
元となった神話…というか歴史についても、その明かされ方が多少あっけないかなあという印象もあったし…。

エンディングで主人公のその後が具体的には描写されていないけれども、しかし著者は物語として終わったものだと言っていたし、確かにそうだな、とも思いました。

んが、文庫本が発売されたのと時を同じくして、なんと続編が単行本で刊行されました。
探求編と完結編。今度こそ完結…でしょうね。
文庫になるのは、いつ頃だろう…(^^;。

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