不良少年たちに蹂躙され死体となった娘の復讐のために、父は仲間の一人を殺害し逃亡する。世間の考えは賛否が大きく分かれ、警察内部でも父親に対する同情論が密かに持ち上げる。はたして犯人を裁く権利は遺族にあるのか?


先週立ち読みしてから衝動買いした文庫はコレでした。

被害者の父親が主な登場人物だけれども、でも結局は群像劇っぽかったかな。マスコミとか、別の被害者遺族とか警察とか協力者とか、キャラクターの背景の書き込みのあった人物が多かったし。

しかし、衝撃の結末、というよりは、なんだかやりきれない物語だったように思います。
特に主人公がクライマックス付近で一旦は考えを変えるシーンがあって、その直後、結局元の意思に戻ってしまうシーンが。

だって、あの電話の主は、遺族という立場への同情(だけじゃないけど、その感情が強かったんだと思った)を動機に電話をしたわけだよねぇ。
けれども、結果的にあの電話があったからこそ、彼は後戻りをしない道を選んでしまい、その結果があのクライマックスなわけじゃないですか。

まあ一番やりきれないのは、協力者となってしまった女性なんでしょうね。
自分の一言が引き金になった、と思うだろうし。

この物語が今、映画化されるってのは、多分、裁判員制度が始まったからでしょう。
映画では、どうなるのかな~。
薄味エンタメになりそうでもあるんだけど、出来れば重厚な感じなのを見てみたいかも。

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