■「セカンド・セレナーデ」木原音瀬
2009年5月3日 小説、活字本「初めてだと言うわりには、まあまあよかったよ。相性も悪くなかったしね」一途に好きだった高校時代の先生に大失恋してしまった大学生の掛川。しかも先生の秘密の恋人は、自分の友人だった。なかばやけっぱちに誘った年上の男・橋本は、顔は極上だが性格は最悪。カラダで失恋の痛みを慰めてもらうには、うってつけの相手だったが…。木原音瀬のデビューノベルズ、幻の商業誌未発表作から書き下ろし作品まで含めた完全収録版で登場。
本屋で珍しくBL棚を眺めてたら、木原さんので持ってない本を発見したので、購入しました。しばらく積読だったのを、やっと読了。
久々に木原作品でググっと来ました。
作品自体は古いもののようなので(初版2005年らしい)、ということは私は木原さんは古いもののほうが引っかかる(良くも悪くも、自分の中に残る)ってことなんだと自覚したのでした。
タイトルになってる作品以外に短編中編あわせて6作ぐらい収録されてたかな。二組のカップルの話がありました。
相変わらず、酷い・狡い・悪い男を書かせると木原さんは巧いと思います(笑)。
小説って、一つ一つのエピソードの積み重ねがリアリティになったり魅力になったりするわけですが、木原さんの場合はそのエピソードっていい方向の魅力に繋がることより、ダークな方向の魅力(?)になっていることのほうが多い気がします。性格が悪いとか、悪人であるとか、鈍感であるとか…。
この作品でも、橋本というキャラに目が釘付け状態(笑)。ああいう懲りない人って、私は結構好きだわね。リアルに近くにいて欲しくはないけど。
BLって、私はほとんどの場合、読み終わったら忘れちゃうぐらいにあんまり印象に残らないものが多いのだけど、木原さんのってやっぱりインパクトを感じるのよねぇ。
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