新作でSF。
もともと私は演劇に娯楽性を求めたいほうなので、今回の野田さんの作品はとても嬉しかった。

もちろん、近年野田さんが作品にこめているメッセージは今回も変わらずあったんだけれども、それでもその表現の仕方が、やっぱりこちらのほうが私は好きなんだよねぇ。
その意味では、私は野田MAPよりも夢の遊眠社のほうが好きだといえるかもしれない。

舞台が始まる前に、パンフをちらりと読んでしまった。
そこで松さんが妹、りえさんが姉、と知る。
個人的なイメージとして姉妹が逆に感じた。女優さんたちの実年齢的にも松さんのほうが下でしたっけ?

このギャップ、なんだか、「二人の王女」のマヤと亜弓さんのキャスティングみたいだ(笑)。結果的に見終わると最初の印象とは違って、この組み合わせてよかったんだわね、と納得するあたりも似ている(^^;。

ともあれ、舞台での発声はいつもハスキーな印象の強いりえさんは、これはこれで力強い姉で、なかなかにすばらしいものでした。
イノセントのようでいて、実は結構俗物的な(でもだからこその逞しさ)ってのにも松さんの存在感に相まって妙な安定感を感じた次第。

今回キャストに美味しい方が多くって、主演女優さんたち以外にも見所が沢山でしたねー。
絶対的な安心感のあった橋爪さん、「し」を見たことがないのがとても悔しい、と再確認。

また、今回はアンサンブルによる群像がとても綺麗だった。
エネルギーと雰囲気でみせる人海戦術の迫力のみならず、コンドルズによって制御されたであろう美しい動きは、見ていて本当に感動ものでした。
一人の人間による肉体表現とはまた違った存在感と芸術性があったと思います。

舞台は休みなしの二時間。あっという間でした。

火星に咲く花を魅せる野田さんのロマンチシズムは、近年のシニカルな英国舞台劇にはみられなかったもので、だから私はやっぱりこちら側が好きなのよね。
まあでも、TheDiver日本版も絶対観たいんだけれども(笑)。

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