●「ツォツィ」

2008年9月14日 映画
南アフリカ、ヨハネスブルグ。世界で一番危険なスラム。アパルトヘイトの爪跡が今も残る街に生きる一人の少年。本名は誰も知らない。ツォツィ=不良(ギャング・犯罪者を表すスラング)と呼ばれるその少年は仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返し、怒りと憎しみだけを胸に日々を生き延びていた。名前を捨て、辛い過去を封印し、未来から目をそらし…。しかし、ある出逢いによって、ツォツィの人生は大きく変わり始める。奪った車の中にいた生後数ヶ月の赤ん坊。生まれたばかりの小さな命に、ツォツィの封印していた様々な記憶を呼び覚まされていく。やがてツォツィは「生きること」の意味や命の価値に気づき、希望と償いの道を歩み始める。


不良少年が偶然赤ん坊を手に入れたことで、愛情というものを知る。というようにまとめてしまえば、ありきたりな映画だということになるのかもしれない。
実際、映画のストーリーだけを見れば、そういう映画になるわけだし。

物語としては単純な展開だと思う。
しかし、その描き方がとても雰囲気があったように思う。

足の不自由な浮浪者(?)や、裕福な生活を営む黒人、スラム街でしか生きるすべを持たない少年たち…。
行き場のない怒りや破壊衝動を発散させる場を渇望する子どもたちの姿が切ない。

主演の少年が、とても存在感がありました。
なんというか「目力」があるっていうんでしょうかね、表情が物凄く雄弁なんだよね。

それは、赤ん坊に乳を与える若い女性にも言えました。最初、暴力的に従わされることとなるんだけど、そのときのツォツィを睨み付ける目がとても強い。圧倒されてしまいそうに。

この映画は音楽もとても効果的でよかったです。
アフリカの音楽というのは、私はよく知らないんだけど、独特なものを感じるんだよね。
その曲の持つ雰囲気が映画の場面に似合ってました。

どうやら原作の小説があるようなので、読んでみたいです。

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