松尾さんの公演はこれで三回目。

それで大体好みの方向ってのがわかってきたかな。主催している大人計画の舞台だと、私の好みからいうとちょっとエグすぎて、見るのがちょっと大変。見れば面白いと思うし、見てよかったって感じるんだろうけど、途中途中どうしてもいたたまれない気分になってしまうっていうか(^^;。
その意味では、コクーンでのプロデュース公演だと、多少大衆向けを意識してるってこともあるんだろう、見てる最中のあのどうしようもなくうずうずする感覚が少なくなっているような気がする。
大好きな人はそういう部分こそが大人計画臭って感じでイイんでしょうが(笑)、私は大衆向け薄味が好みなんでしょう。
そんな風に自覚できた本公演でありました。

さて。
前評判もなかなか好印象だってことを漏れ聞いていたので、安心して期待してみてきました(笑)。

大人になった主人公が、高校時代に複雑な関係にあった女性教師と再会するところから世界が渦を巻き始めます。
思いがけない再会と大きな希望、そして事故と事件、暴露。
最初、ドタバタ劇なのかと思っていたのだけど、これがだんだんとサイコな展開になっていって、最後はかなりシリアスなところに落ちていきました。

過去にあった出来事と、現在の出来事がリンクしながらあかされていくのだけど、そのやり方(演出というのかな)が巧いなぁ。
ナレーションの使い方がしっくりきていて、長い舞台でも途中で意識が散漫することもなく自然に集中できた。

大竹さんはやはり巧い。
いまさらですけどね(^^;。基本的にヤバい雰囲気をずっと感じさせるあのしゃべり方が凄いよ。発声だけでキャラクターの精神状態が想像できる。
あと意外に(笑)歌が巧かったな〜。ちょっと古いタイプの曲が、キャラクターと声にも合っていたように思った。

染五郎さんは、私の中では大竹さんのエキセントリックさに沈んでしまって、今回あまり強いインパクトがなかった(^^;。
いや、多分それはそれで巧かったんだと思う。だって巧い人の隣に下手な人がいると、浮かび上がってみえるもんね。そういうのはなかったし。
しかし彼を舞台上でパンツ一枚にするあたりが大人計画の松尾さんだなーと思ったよ。

そして、始終ハイテンションな阿部サダヲ!
彼はねぇ、やっぱり凄い。今回特に、染五郎さん相手に歌舞伎役者という役をやるんだもんなあ。客側だってそういう部分、どうしても感じずにはいられないわけじゃん?
もともと彼も巧い人だとは思っていたけど、結構ふられる役が役自体ぶっとんでることが多かったりするから、その役の印象ではじけてる感じがしちゃうけど、実際はとても演技が巧い人だよなあとしみじみ思ったよ。
緩急というかハイローというか、そういう切替が素早くて、メリハリがちゃんとしてて。
もともと好きだったけど、ますます興味が出てきました。

パンフを読んでわかったんだけど、これは三部作の二部にあたるみたいですね。
一部が小説「クワイエットルームにようこそ」(去年かな、映画にもなりました)で、二部がコレと。三部はまた小説になるようです。いつになるのかわからないけど、読みたいなぁ。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索