クラッシュ・ブレイズになってから、久々に面白かった(笑)。

やっぱり登場人物の均衡があまりに崩れてると、物語としての面白さがなくなっちゃうんだよねえ。
今回は金銀黒トリオがそれほど突出したエピソードではなかったのが、勝因とみた(^^;。

もともと海賊&女王シリーズの中では、私は結構ジンジャーが好きなのよね。
ジャスミンがジンジャーを認めることとなったエピソードなんかは、「ベニスの商人」のシャイロックや「女吸血鬼カーミラ」のカーミラなどにみられる、役の解釈による発想の転換なわけで、それ自体目新しいものでもないんだけど、…やっぱり好きでさ。

あのジンジャーが、女王が眠っている間もこつこつと築き上げていった結果が現在の地位なわけだから、もともとの身体能力であったり精神性であったりがメインの武器である主人公グループとは、ちょっと違った強さだと思うわけ。
特に地位に関しては、海賊や女王に比べると、「一代で築き上げた」という表現がぴったりなぐらい頑張ったわけだし。
海賊や女王がその地位に相応しいかとか、彼ら本人はきっとありがたくもないって思ってるんだろうなとかいうのは、ここでは関係ないわけで。
その意味では今回のもう一人の主役である黒スケも努力な人であるわけで、この二人メインの物語だから面白かったのかも。

序盤、アイリーンが学校側と交渉するシーンはかなり無理があったと思う。
少なくとも掃除女というバックボーンしかない女性が、あれだけ場を仕切っちゃうって、おかしすぎるでしょう。

あと、クライマックスでサイモンが指輪を渡すのは、ちょいと造りすぎな演出だったかな。
少なくとも作中で彼が彼女に好意を感じたというシーンが明確に書かれてないから、かなり唐突に感じた(というか、逆にお約束的展開として納得しちゃった)。

それ以外は、それほどの違和感もなく読めたと思う。

私は茅田さんの作品ではデルフィが一番好きなんだけど、やっぱりそれは主人公級のキャラ以外にちゃんとキャラ設定が出来ていて、それら設定がシリーズ通して一貫したものがあって、「生きて」いるように感じられたからだと思う。

クラッシュ・ブレイズのほうは割合として主役級キャラが多すぎるから配置されるザコ(笑)が少なくなって、結果書き込みが少ない薄っぺらい(あるいはあまりに典型的過ぎるステレオタイプな)キャラになっているのが、面白さを下げる要因になっていると思うのね。

そろそろ巻数も増えてきて、いい具合に脇役も配置されてきていると思うので、これらを生かしたちょっと大掛かりなお話も読みたいなと思うのでした。

次作も期待してます。

コメント

りなりん
りなりん
2008年3月26日16:51

今回は面白かったですよね。シリーズに波があるというか、この前によかったと思ったのはパピヨンかなぁ、私は。全員満遍なく出てるより、女王大活躍!って方がのめりこめたりして。

砂姫
砂姫
2008年3月27日8:47

パピヨンもよかったですね。特に小心な三兄弟が私は好きでした(^^)。

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