ある日突然すべての建物が崩れ、多くの人間が死に、地上は真っ白な砂漠に変わった。そして生き残った少数の人間たちには、過酷な現実が待っていた...。地下にいたせいで助かった亮介と幼馴染みのしのぶは、食料もなく、飢餓状態に陥りながら死を待つように生きていた。「亮ちゃんが一緒ならいい」と言うしのぶに、死にたくない亮介は苛立つが...。


舞台設定にびっくりした。
世紀末的な世界で、女性がすべて死滅。残された男たちの、シビアな生き様が綴られてました。

人間の尊厳だとか、崩壊した世界での倫理、愛するというエゴなどなど、およそBLとは思えない話が続きました。
てか、全然BL要素ないようなものだし。

救いは全然ないので、かなり好みは別れるみたいですね。

読了して思い出したのが、「ずっとお城で暮らしてる」(シャーリイ・ジャクスン)でした。
「ずっと〜」の主人公メリキャットも、本書の主人公(の一人)しのぶも、多分本人はとても幸せに生きてるんじゃないかな。

狂気を抱えた人間本人の中では幸福として完結している場合、それを他人がどれほどに不幸であるとか異常であるなどと評価しても、本人には全然関係ないことなんだよね。

これも、一人の人間の中での幸せの形、だと思うと、怖いような、ある意味では羨ましいような、そんなことを考えました。

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