奈良県東部の山間の地。旧家を改装したグループホームに暮らすしげき(うだしげき)は、亡くなった妻の想い出とともに静かな日々を過ごしている。ここに新任介護福祉士としてやってきた真千子(尾野真千子)もまた、不慮の事故で子どもを亡くした喪失感を抱えて生きていた。失った者への想いとともに生きる者として、介護する側、される側という立場を超えて、少しづつ打ち溶け合っていくしげきと真千子。
ある日、二人はしげきの妻が眠る森へ墓参りへと出かけていく。原初のエネルギーあふれる盛夏の森で彼らを待ち受けていたものとは…。


ちょっと前に、今注目されている日本女性映画監督の特集みたいなのをやっていて、そのときこの映画の監督も取り上げられてたのね。
で、この映画をとった河瀬監督が、幼い子どもを託児所に朝預けてから、撮影現場に行っていたっていうのを見て、ぼんやりと興味を持って、見てみました。

深い痛みを奥に持つ人が、物静かに描かれていました。
セリフは聞き取りにくく、音楽もかなり抑え目で、淡々と物語が進んでいくので、序盤で入り込み損ねると辛いかも。
あと、主人公の一人は素人さんだってこともあって、俳優の演技を堪能するってよりは、空気感、雰囲気、全体から漂う何かを味わう種類の映画になっていたと思う。

終盤、号泣する主人公のシーンは圧巻。
あの「泣き」は、問答無用に胸を打つものがあった。
「あちら」へ行こうとしていた彼が、歩みを止め、戻ってくるだけの説得力があったと思う。

奈良のけぶるような森が印象的でした。
緑の稲穂を渡る風も美しかったです。

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