■「ウルフ・タワーの掟―ウルフ・タワー〈第1話〉」タニス・リー
2007年7月22日 小説、活字本重厚な壁で外界と隔絶された国“ハウス&ガーデン”で、奴隷として育ったクライディは16歳の孤児。ばかげた「儀式」が全てを支配する階級社会の中で、貴族からいじめの標的にされながらも、日記に憂さを綴ることにより、日々をやり過ごしている。そんなクライディの日常は、ある日何かのお告げのように現われた熱気球によって一変することになる。乗っていたのは、異国の地からやってきたハンサムなプリンス、ネミアン。“ハウス&ガーデン”の老婦人に「お前は本当は貴族の血をひくプリンセスなのだ」と告げられたクライディは、出生の秘密を探るため、自由の地を信じ、荒地への果敢な一歩を踏み出すのだが…。英国幻想文学大賞作家、タニス・リーによるヤングアダルト・ファンタジー。
パイレーティカを読んでから、どうやらリーのヤングアダルトが他にも訳されていると知り、早速まずは一巻をゲットしてみました。
閉鎖された街で奴隷として育った少女が、その狭い世界から旅立ち、いろんなことを知りながら成長していく物語。
先日読んだのも少女の日記形式だったけど、この物語も日記形式なのでした。
確かに、少女の目線で綴られた日記というのは、世界やキャラクターの成長を記すには適した形なのかもしれないですね。
シリーズのうちの一巻、ということもあって、本書は世界設定の導入ともいえるお話でした。
育った小さな世界を飛び出して、ガリバー旅行記のように、新たな世界に接し、そこから出会いを体験していく様子が、少女の活発なエネルギーと共に綴られます。
最後、主人公の持ち前の強さと無知と思い切りの良さにより一つの都市を再生させたところで終わってますが、さて、次巻はどんな展開になるのかしらん。
全四巻のこのシリーズ、続きが気になります。
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