もともとオリジナル作品ってのは、こちら英語版になるんですね。
野田さんが、最初から英語で脚本を作っていったわけだし。

セリフはすべて英語でした。
私は外国語は全然駄目なので、当然何を言っているのかはわかりません。
一応、舞台の両端に日本語字幕がつくので、英語がわからない人はそこを見ることもできます。
でもまあ、日本版を観ているので、なんとなくセリフの想像がつくので、役者の動きのほうに集中してみることにしました。

前回は一番後ろの席だったので、舞台を俯瞰する感じでしたが、今回はかなり前のほうの席だったので、役者さんたちの表情がすごくよく見えたのはよかったです。

特に、今回は役者としての野田さんがよーく観えたのはうれしかったな。

気の強いストリッパー女性ということで、表情も口調もキツイものだったのが、だんだん儀式の繰り返しになっていくにつれ、眼がうつろに、でも何か異質なものでギラギラしてくるような、静かで恐ろしい表情になっていく。

また、物腰もはすっぱな女性らしい振る舞いだったものが、段々緩慢になっていき、ラストあたりはぐんにゃりとした女体らしく見えました。

このあたり、舞台の終了後、野田さんがカーテンコールとして裏から出てきて、挨拶をして、っていう動きが、あんまりにも一男性としての野田さんの動きだったりするのね。
それで、それまでの舞台での動きとの差として、ああ全然違う動きなんだなあ、そういうのがわかるぐらいに演じていたんだよなあ、すごいなあ…と感じられたのでした。

舞台装置も衣装も日本版とはまったく別物でした。
それで思ったのが、英語版のほうが演出としてとても完成度が高いものだったような感じを受けたのよね。

これはやっぱり再演の強みなのかなあ。
役者さんたちの動き(演技や仕草というよりも、進行にかかわる移動)にも無駄がなく感じられたし、ひとつひとつのシーンの切替もわかりやすかったと思う。

これでヒアリングが出来たら、もっとこの醍醐味を味わえたのかと思うと、とても残念でした。

英語版はどうもまだチケットが残ってるらしいです。
日本版だけでいいや、と思っていたあなた。それは大間違いですよ!

コメント

nophoto
dandan
2007年8月10日23:30

遅ればせながら、コメントを。

役者野田秀樹は本当に素晴らしかったですね。
水商売の女性らしい蓮っ葉さも色気もありましたしね。
野田さんの女形は定評がありますが、今回は鬼気迫るものがありました。
wowowでの放映も決まりましたし、またじっくり見たいなと思います。
これはこれで大好きではあるのですが、やっぱり野田作品は世界を救う(あるいは救おうとする)ヒロインが登場するような美しい作品の方が例えお涙頂戴と言われても好きです。これはロンドン、ロンドン愉快なロンドン、楽しいロンドン向け作品だと思ってしまうんですよね。
ああ、自分のとこでは褒めて、他所様で本音が・・・。

砂姫
砂姫
2007年8月12日9:44

>> dandan さん
私は今まで野田さんの女性役ってそんなに評価してなかったんです(^^;。でも今回ので、かなり認識を改めました。いや、ホント凄かったですもの。
私も野田作品全体としてみたら、過去のファンタジックな作品のほうが好きなんですよね。物語(おはなし)としてみたときは、特に。
だから、最近の野田さんの方向性は、多分彼としては必然なんでしょうけど、わがままな一ファンとしては残念に感じている部分があるのでした。
そういうわけで、年末のキルが楽しみです。堤版のエネルギッシュさは、妻夫木版では若々しさ(笑)になるのかな?

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索