●「トンマッコルへようこそ」
2007年6月10日 映画朝鮮戦争のさなか、韓国軍と人民軍、そして連合軍の兵士たちが偶然にも不思議な村トンマッコルに迷い込んできた。まるでユートピアのような村とそこに住む人々の純朴な温かさに、始めは反目していた兵士たちもやがて打ち解け始めていく。しかし、同胞を探しに連合軍が村へ侵入してきたことから、トンマッコルの平和は打ち破られてしまい…。
ファンタジックかつユーモラスな構えで、朝鮮半島南北分断の悲劇を描いたヒューマン・エンタテインメントの秀作。まさにユートピアとしか言いようのないトンマッコルの素晴らしさがうまく描けており、兵士たちならずとも永遠にそこにい続けたい気持ちにさせられる。
ファンタジーとして鑑賞すると、なかなか楽しめたと思う。
最初、反目する兵士たちが、次第にいくつかのエピソードを乗り越えて心を通わせることになり、最後には力をあわせて困難に挑む。
簡単に言ってしまえば、そういう映画です。
とても楽しかったのは、彼らが最初に行う共同作業としてのイノシシ退治(笑)。
あのシーンは、エピソードとしても笑い所だけれども、カメラワークだとか演出がユニークで楽しめました。
最後の戦闘シーンでは、地対空用の武器じゃないだろうことを考えてもかなり無茶というかご都合主義的にも見えるとは思うのだけれども、ファンタジーならそれもアリでしょう。
南北連合軍として戦った彼らの姿は、もしかしたら現在も引き裂かれている同一民族であるという状況を抱えるかの国の観客が願う姿、なのかもしれないなあと感じました。
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