ベイリ&ダニール物の長編二作目。前作は『鋼鉄都市』。

以前の事件解決により階級があがった私服刑事ベイリに、突然の呼び出しがかかる。
複雑重大な任務の気配を濃厚に感じながら出向いた彼に待っていたのは、惑星ソラリスで起こった殺人事件の捜査と解決の依頼だった。

シンプルでまっすぐで正直なベイリと、ロボットであるダニールの一種変わった友情物語(笑)、第二段です。
前回の事件解決が評価されて、今度は宇宙に飛び出してまた彼らコンビが事件解決に奮闘することになります。

今回のポイントは、地球人とソラリア人の一種の神経症じみた特徴でしょう。

地球人は、かなり長い年月をドーム型都市で過ごしていたために、囲いのない世界(たとえば自然たっぷりな野外)に出ることに、かなり強い恐怖感を持っているという設定になっています。
そのためベイリは、自動車(のようなもの)から外の景色を眺めるなどは到底できないし、建物から壁のない外(野外)に出ることに不安と恐怖を感じることとなります。

また、ソラリア人は惑星内の人口が極端に少なく、広大な敷地に基本的に単身で住み、発達した通信技術に頼った交流しかしてこなかったために、他人(自分以外の人間)との接見に強い拒否感を持つという設定になっています。
そのため作中に登場するソラリア人は、他人と面前で姿を見合うことはタブーで、ましてや接触(触れる)などもってのほかという常識を持っています。

そのような状況で殺人事件の解決だなんて、ベイリは全くもって不可能だと思わざるを得ない状況に放り込まれるのでした。

しかし、やはりそこはベイリです。
彼のあの無鉄砲さと勇気と推理力で、事態は徐々に明らかにされていくのです。

タイトルの「はだかの太陽」。原題は「THE NAKED SUN」。
この意味がわかったとき、とても巧い表現だなあと思いました。

本書はベイリ&ダニールのシリーズ物としての側面を持ちながら、またアシモフのファウンデーションシリーズとの融合を示唆する重要な物語という側面もあるのだそうです。

多分キーとなるのは、R・ダニールなんでしょう。
読み進める楽しみがまた増えてしまった(^^)。

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