アシモフって有名で、だから学生当時は結局手をださなかったんだよねえ。単なる天邪鬼であったわけですけど(笑)。
ま、学生の頃は、今よりファンタジーにのめりこんでいたので、SFはおざなりだったというのも一因ではありましたケド。

それはともかく、ここ数年スローペースではありますが、古典SFを好んで読んでまして、アシモフを手に取るんだったら、やっぱりまずはロボットシリーズだよねえということで、順調に「われはロボット」→「ロボットの時代」と読んできました。
ので、次!ということで、本書。

舞台は、かなーり未来の地球。
はるか昔に地球を飛び出し、宇宙で生きるようになった人々がいます。その彼らが、回顧ってわけでもないんでしょうが、地球にまた戻ってきて、地球から外に出たことのない地球人たちを宇宙に導きたいと思っていた、そんな背景のある、未来。

面白いなーと思ったのが、宇宙人、と呼ばれている、元を辿れば地球人である人々と、古来から地球に居続けてきた地球人たちとの、感情的ないさかいの描かれ方。

大抵のSFで地球人と対立する宇宙人というのは、生命としての起源がそもそも違っていて、その点で互いに異質さを持ち合わせるがゆえの反発と対立が描かれていることが多いと思うのよね。
その点、この物語では、根っこは同じ地球人なんだよねえ(でも、互いに異質さを相手に感じる程度には、違った進化を遂げていて、そこが問題なんだけど)。

物語は、一人の宇宙人が殺されるところから始まる。
その事件の解決のために、地球人側の刑事ベイリと、宇宙人側の刑事役Rダニールが活躍する、というお話。

ベイリが、反宇宙人感情を持っているという設定のために、宇宙人側をかなり否定的に思っていて、その感情がどこからくるのかが、彼の人となりの描写として表現されています。
それが、SFとして物語に接している読者に、世界観を無理なく説明していて、そういう部分、私は好きなんだよねえ。

彼の感情の動きや行動に、共感したり、疑問を持ったりしながら、事件を追っていくのは、とても面白かったです。
多分、ミステリとして読んでしまうと、犯人探しに目線が行ってしまうだろうから、それだとこの物語の世界を十分楽しめないんじゃないかしら。

相棒となるダニールの成長?も見所の一つで、彼に聖書の一エピソードを語って聞かせるシーンは、興味深く読めましたね。

クライマックスでは、このロボットシリーズが、ファウンデーションの世界に繋がりそうな予感も見えて、長編シリーズ大好きな私には、わくわくです。

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