野田さんの新作。

今月の頭から公演は始まっているので、あちこちで評判を見かけた。
でもネタバレを避けたかったので具体的なストーリーは知らないままの感激でした。
ただ、ここしばらくの野田作品を批判していた人だとかも含めて、ほとんどの人が今作を高評価していたので、楽しみにしていたのでした。

舞台は弱小プロレス団体。
そこの看板プロレスラーがひきこもりになっているところから始まる。

最初、野田さんとプロレスっていうのがピンとこなくて、また個人的にもプロレスって全然知らないので、どういう展開になるのかな〜って思っていたんだけど。

リングの中で演出される試合が、八百長なのか、というところから、観客でいること、それが傍観者となること、と発展していく。
暴力を目にすること、それを許容すること、ひいては暴力を許すということ、結果的に暴力を否定しないという意味で肯定している民衆というもの。

近年の野田さんの意識が、激しさをもって明らかにされていました。
途中、たましい@宮沢りえの実況中継シーンでは、ホンキで吐き気をもよおすほどで、見ていてとても辛かった…。

きっと目をそらしてはいけないことなんだろうけれども…、直視するには悲しすぎる現実と虚構…。

観る前から評判がよくて、もう一回ぐらい観れるといいかなあとチケットゲットをがんばろうと思っていたのだけど、今日観劇して…やめようと思いました。

すばらしい物語、演出、強いメッセージ、高いクオリティ。
どれも本当だと思うけれども、公演期間中という短期間でもう一回も観るには、鑑賞に必要な力が私には足りないです。
それだけの力を観客に要求する作品だと思います。

でも、だから、多くの人に知って欲しい作品でもあります。
知って、いろんなことを感じて欲しいし、感じるべき作品でもあると思います。

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