■「Φは壊れたね」森博嗣
2006年5月27日 小説、活字本おもちゃ箱のように過剰に装飾されたマンションの一室に芸大生の宙吊り死体が!現場は密室状態。死体発見の一部始終は、室内に仕掛けられたビデオで録画されていた。タイトルは『φは壊れたね』。D2大学院生、西之園萌絵が学生たちと事件の謎を追究する。森ミステリィ、新シリーズいよいよ開幕。
文庫になるまで待てませんでした(^^;。
一応新シリーズってことで、作中の世界観と時間軸はS&Mの後日(っていうか数年後)が舞台になってます。
んで、読み終わっての感想は、とうとう森さんは普通(謎)のミステリを書く気がうせたのかな?といったところでしょうか(笑)。
もともと森さんのスタイルというかスタンスはメジャー路線じゃないので、S&Mの初期の頃のような「普通のミステリの体裁を装ってます」という物語は、どんどん減っているとは感じてたんだけど、それでも講談社の新書シリーズはかろうじてミステリだと思ってたんだけどな。
ま、読者も担当編集さんも森さんに既になれてきているので、このぐらいミステリから遠ざかった作品でも、耐性があると見込まれてるのかもしれません。
クライマックス(?)で探偵役として喋りだす彼の唐突さだとか、ミステリの謎としてのあの仕掛け(トリック?)だとか、恐らく推理小説ファン(誰だよ、それって)からは非難轟々だろうと推測できます。
んが、シリーズ読みの森ファンであれば、きっと彼はVの彼の子どもかしらん、いやあの探偵はやっぱあっちの探偵だよな(ニヤリ)、とか、深読みというか作者の術中にハマって、あらぬ想像(いや妄想か)を脳内に撒き散らし、それでオナカイッパイになってるはず。
そうなったら、もう、トリックなんてどうでもいいとさえ思ってしまうのでありましょう(^^;。
というわけで、読後のミステリ部分の不可解さと、著者の不親切さも、許容する準備は出来てるぜ、なファンには、早く続きを!といった気持ちしかなくなってしまうのであります。
…いつにも増して、意味不明な文章…。
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