乳白色の髪に真紅の瞳、太古の妖術を自在に操り、魔剣ストームブリンガーで敵の魂を吸い取る、メルニボネ帝国最後の皇帝にして、流浪の皇子エルリック―その数奇な運命を、巨匠ムアコックが流麗かつ壮大に紡ぎ上げた「エルリック・サーガ」が、ついに開幕!メルニボネ帝国の落日と許婚サイモリル姫との悲恋を描く『メルニボネの皇子』と、美しい夢盗人とともに砂漠の民の「神聖乙女」を救う『真珠の砦』の2巻を収録。
初めて読んだのは学生の頃で、借りて読んだんだったかな〜。
とても重く暑苦しい(笑)雰囲気のファンタジーで、天野さんの挿絵が麗しかった記憶が。
今回早川文庫で、過去に刊行された文庫を二冊合本し、ついでに未文庫化作品まで含めて再発行となったのを受けて、手にいれてしまいました。
訳が井辻さんなのはちょっと嬉しい。
彼女の訳文とは相性がいいから、絶対読みやすいしね。
今調べたら、以前の版の訳は安田さんだったらしい。彼の訳文も嫌いじゃないけど、エルリックに関しては井辻さんの文(言葉)のほうが雰囲気があってるような気がする。
再読だというのに、ストーリーは全然覚えてなかったので(^^;、楽しく読みました。
エルリックという、まるでファンタジーの主人公らしからぬ、うじうじした性格が、井辻さんの文章では、病弱で優柔不断で悪魔的な魅力を感じさせて、そのあたり、なんだか本当に作品に対する愛情が伺えて、イイですねぇ(^^)。
しかしがっちりしたファンタジー作品の宿命で、気軽に読める本でもないのが、我侭な私からすると難点(笑)。
時間があるときに、のんびりじっくり堪能しながら読むのがいいですね。
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