■「神はサイコロを振らない」大石英司
2006年3月12日 小説、活字本忽然と消息を絶った旅客機が今、還ってきた。しかし乗員乗客にとって時計の針は十年前を指したまま。歳月を超えて実現した奇跡の再会、そして旅立ちの物語。
ドラマの原作ってことで、丁度文庫にもなったのでゲットして読んでみました。
ドラマは半分ぐらい見たところなんだけど、読み終わって思うのは、ドラマと原作での設定の違いが結構あるんですが、この違いの部分が成功しているな〜と思うのね。
まず主人公の性別が違う。
ドラマでは、小林聡美がリアリストなんだけど情熱の男と恋愛した過去を持ち、その後一人で生きていく覚悟をしちゃったのに昔の男が帰ってきちゃって…という設定を、シリアスにまたコミカルに巧く表現していて、そういう部分が私好きなんだよね。
このあたり黛さんが男性だったらドラマの雰囲気が全然違ってくるからねぇ。
いや、原作の黛さんは、不倫しちゃうようなちょっと馬鹿なでも一途でクールな女性に恋してしまう不器用な男性で、物語としてはこちらはこちらで私は好きですけどね。
ただし連ドラの主人公にするには、ちょっとインパクトにかけるかな、と(笑)。
小説のほうでは、時を越えてきた客たちのうちエピソードを抱えてる人数が多くて、後半かなり散漫になっていた印象があります。
特に、歴史を積極的に変えてやろうと命をかけて発信機(?)を作っていた人のエピソードは、最後のオチ(?)があまりに説得力がなくてなぁ。
そんな個人的なことを理由に予言を無視していいのか!?とかツっこんでしまったよ(^^;。
ま、最後は、お約束通りになって終わり。
ウェディングドレスを残して消えた彼女のシーンは、ちょいと映画「黄泉かえり」を思い出しました。
かなり展開はドラマとは違っている感じなので、ドラマのエンディングがどうやって描かれるのか、ちょっと楽しみです。
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