デビューから30余年。仕事、恋愛、家族…。大切なものを守るため、心で涙を流しながら、闘い、懸命に生きてきた。そして辿り着いた「本当の幸せ」とは-? 今、初めて明かす、波乱の半生

女優としての大竹しのぶは結構好きかもしれない。

実は彼女の生舞台は一回しか見たことがないのだ。

野田さんの舞台に出ていた頃はまだ私が野田さんにそれほどの興味がない頃だったし、私が舞台をよく見るようになってからの彼女の出演作品の大半が、私が超苦手な蜷川演出だったりしたこともあって、なんとなく興味はあるのに観そびれているといった感じ。

それでも女優としての姿に、なんだか天性の女優といったイメージがあるのね。
どちらかというと不器用に見えるのだけど、役を演じるというより、役を生きているような、そんな感覚が迫ってくるっていうか。
このあたりが、私が彼女が北島マヤ@ガラスの仮面に似てると感じる理由なんだろう。

もともと私はさんまさんも好きだし、野田さんも好きなので、彼らと生活をともにした期間をもった女性としても彼女を興味深く思っていて、本書にもそれらの部分が書かれているとのことだったので、手にとってみた。

読後の感想は、非常に公平な人だなぁということ。

例えば、彼女が離婚した原因の一つに、彼女が家庭に納まることをよしとせず女優と生きたいと思ったことが大きな要素であったらしいのだが、それとともにやはり生活する上での夫婦間での価値観の違いが大きいということが記されていた。

そういうことを記す時って、どうしてもやはり相手を批判しがちになることが多いと思うのだけど、本書の中では攻撃的に批判している部分はなかったように思う。
自分の主張、相手の主張のぞれぞれを上げた上で、夫婦生活の続行が難しかったのだということが淡々と書かれていた。

その後彼女は野田さんとも同棲し結局別れるのだけど、やはり同棲を解消する際の記述で相手を攻める姿勢はなかったと思った。

こういう、自伝というか告白ものの本で、こういう姿勢でいられる人って少ないんだよねぇ。
やっぱり多くの場合、自分を正当化する一番簡単な手段として、他人を攻撃することがあるので。

ただ、少し突き放したような理性的な文章で書かれているので、彼女が冷たい人に感じられるかもしれないのだけど、私には逆にとても熱い人だからこそエネルギーを抑えて理性的でいようとしているような、そんな印象を受けました。

読み終わって、是非ともまた生舞台を観たいなぁと思ったのでした。
ギリシャ劇じゃないのもやってくださいよ。>大竹さん

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