■「村田エフェンディ滞土録」梨木 香歩
2005年1月31日 小説、活字本
トルコを舞台に、英国婦人の切り盛りする下宿に生活する考古学博士たちの様子を、日本人の村田の視点から語った滞在記。
物語は村田の日常を描くことで、トルコという国の様子や考古学を学ぶということが見えてくるもので、なかなか面白い世界だと感じました。
一応の主人公は日本人の村田であるので彼が、そこに登場する英吉利人、独逸人、希臘人、土耳古人への、文化的背景の違う人たちによる珍しい視点に対し、驚いたり共感したり首をかしげたりする様子に、シンクロしながら読んでいけました。
人物造詣もさることながら、スパイス的に登場する鸚鵡のあまりにも的確な効果がなんとも楽しく、随所で笑わせてくれたものです。
しかし、クライマックスでは世界情勢は変化し、あの下宿で暮らした多国籍な人々が数奇な運命を辿った姿が描かれていく様子は、涙なくしてはいられないほど悲しいものでありました。
村田と再会した鸚鵡の姿が印象的でした。
物語は村田の日常を描くことで、トルコという国の様子や考古学を学ぶということが見えてくるもので、なかなか面白い世界だと感じました。
一応の主人公は日本人の村田であるので彼が、そこに登場する英吉利人、独逸人、希臘人、土耳古人への、文化的背景の違う人たちによる珍しい視点に対し、驚いたり共感したり首をかしげたりする様子に、シンクロしながら読んでいけました。
人物造詣もさることながら、スパイス的に登場する鸚鵡のあまりにも的確な効果がなんとも楽しく、随所で笑わせてくれたものです。
しかし、クライマックスでは世界情勢は変化し、あの下宿で暮らした多国籍な人々が数奇な運命を辿った姿が描かれていく様子は、涙なくしてはいられないほど悲しいものでありました。
村田と再会した鸚鵡の姿が印象的でした。
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