水の町

2005年1月21日 エッセイ
事務所からデバッグ先の作業場所までは徒歩で10分ぐらいなのだけど、その途中、綺麗な水の流れる川を渡る。

もともとこの地域は水の綺麗な町として有名で、町の真ん中には湧き水の出る池を抱えていることが自慢な場所だ。

で、この川もその湧き水を源泉とする川なんだけど、その中州にはアヒルの家族が住んでいる。

事務所から10分先への出張の楽しみは、このアヒルの親子(だと思う)を見ることだ。

明るいうちは太陽の光を抱き込むようにふくらんだ羽がほこほこと暖かそうで、水上をすべるようにして水草の根のあたりをついばむ様子は熱心で、夜の暗がりでは羽の間に嘴をつっこむようにして眠る姿が愛らしい。

大型の鳥(すずめなどではなく、という意)はそれまでの生活であまり目にすることがなかったから、このアヒルたちを見るのが最初とても新鮮だった。

そして、このアヒルたちの近くでは、鴨の群れ(?)も生息しているらしい。

この時期だけなのか、年間通してここで暮らしているのかはよくわからないのだけど、夜になるとアヒルたちの周りを取り囲むようにして、20羽ほどの鴨も中州に休みに来る。

彼らは日中はどこか餌をとりに出かけているのか、この中州で見かけることが少ないのだが、夜になると寝床としているらしく、戻ってくるようだ。

既に眠っているアヒルのまわりを、低くガアガアと鳴きながら水辺を泳いでいる鴨たちも、なんだかかわいらしくて、寒い夜道でも思わず立ち止まって彼らを眺めてしまうことが多い。

この川のすぐ横は幹線道路で、車の通りも多くバスやトラックも頻繁に見かけるのだけど、ちょっと入った川沿いの小道では、こんなほのぼのな風景も見られるのが、何故だかとてもうれしく感じるのです。

では、また。

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