未来予想図

2004年2月5日 エッセイ
計算尺という言葉を知ってる一般人って、ほとんどいないんじゃなかろうか。
単語という点では、古典SF読みなら、言葉は知っているかもしれない。

自分でSFを読むようになった頃は当時の新刊翻訳ものを主に読んでいた。古典SFの翻訳ものを読みはじめたのは、ここ数年のことだ。
で、数年前に「レンズマン」を読んだ時、計算尺なる意味不明な単語に遭遇することになる。

ああ、丁度いまレンズマンシリーズは新訳版が刊行中だけれども、計算尺が登場するのは旧訳版のほうの話。

レンズマンが単身、宇宙艇に乗り込んで敵の惑星まで偵察にいくというシチュエーションがある。
その航行中、敵惑星の位置を計算するために、彼が利用するのが計算尺、なんである。

計算尺は、計算用の道具だ。

一般的には横長の長方形の物体で、物差しみたいな形状をしている。日本では竹製のものが最初に登場したらしい。

で、その面の部分にはびっしりと数値が刻印されていて、それら数値の組合せで乗算や平方根などが計算できるらしい。

実物をみたことはないのでイマイチうまく説明できないのだが、ともかく現在では関数電卓を使って行うような計算をするのに、当時使われていたそうだ。

そんな原始的な(失礼!)道具を使って、宇宙船の進路を飛行しながら計算していたというのが、もう驚きだ。
だって、宇宙船の創造技術のある世界観で、計算尺!!!(笑)

現代の小説だったら、レンズマンのこの1シーンは全く違うものになっていたと思う。
計算は当然コンピュータが担当しているだろうし、そもそもそういう計算自体を宇宙船の頭脳コンピュータが自動で制御していて、人間がそういう部分に関わることはない。
…といったところか。

古いSFを読むと、当時の作家たちが考え出した未来予想図に出会うわけだが、それらの中にはすでに現在実現してるものもあるし、途方もなく空想的で現在でも実現不可能なものもある。

21世紀には月旅行は気軽にできるとされていたり、宇宙人とコンタクトをとって友好関係を築いたり戦争したり、ロボットは当然二足歩行できて人間の奴隷になっていたり人間に反乱をおこしたり知性を獲得したり、いろんな物語がある。

そんな物語を読んで、夢見る未来。
とりあえず自分が平均寿命まで生きるとして、「海外旅行に行くレベル程度に気軽に月にいけるようになる」「二足歩行ロボットが誕生し、一般家庭に普及するようになる」程度は目にできるのかなあ、いや、できたらいいなあ、なんて思っている。

どうかな(笑)。

では、また。

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