ハイジ

2003年6月10日
突然思い立って、ハイジをみた。
昔のアニメで、最近だと懐かしのアニメだとか名シーン特集でクララが立った〜とかやってる、アレである。

学生時代に再放送をみて以来、なにかと気に入っている話で、その後原作となった小説を読んで、やはり気に入った。アニメは、ほぼ原作通りで、細かなエピソードはアレンジされているものの、目立った差がない。多少、小説のほうが、宗教的な要素が強い印象があるけど、日本ではあまりそれらは気にならないと思う。

DVDが普及しはじめて、昔のメジャーなTV作品が軒並みDVD-BOXとして発売された。ハイジもそのラインナップにもれず、全52話のボックス2組で発売、早速手にいれたものだ。

お気に入りの話は、「ゆうれい騒動」。
クララの屋敷で幽霊をみかけたという騒動が起こる。早速、クララがこの騒動で不安になっているとの手紙をロッテンマイヤーさんがクララの父のゼーゼマンさんに出し、早速帰ってきたゼーゼマンさんは友人でもあるクララの主治医と一緒にその正体を暴いた。幽霊は、重いホームシックにかかり、夢遊病にかかっていたハイジだったのだ。

この時、ハイジは元気なく、お医者さんに「山へ帰りたいかい」ときかれ、「いいえ。山の話はしてはいけないの」と無表情に精気のない声で答えるシーンが、とてもグっとくる。

その後、お医者さんの強いすすめで、ゼーゼマンさんはハイジをすぐに山へ帰す段取りをつけ、セバスチャンをお供に、スイスのアルムの山へと送り出す。
ハイジは無事山に帰り、もう戻ってはこないと思い込んでいたアルムおんじと再会を果たす。

この後のシーンだ。

ハイジがおんじの家に戻ってすぐ、水飲み場でモミの木の音をきいて、「街では馬車の音をモミの木の音と間違えたりしたの。…全然違うのに…。馬鹿みたいね」。
この表情や、セリフは、子どものセリフとは思えないぐらいの重みをもって表現されているのだ。

そして、その日の夕食。
おんじといつもの黒パンとチーズと干し肉のご飯を食べて、ハイジが「ここのが一番美味しいわ」という。それに、おんじが「街ではもっと美味しいものが食べられただろうに」と少しちゃかすように言った時、「ソーセージやサラダやスープやデザートとか、いろんなものがあった。でも、ここが一番」とハイジは叫んだ。そして、続けて、「ここがいいの。ここが、山が一番なの!」と。

その思い詰めたような叫び声に、おんじははっとして、ハイジの背中をやさしく叩いて落ち着くのを待ち、一言やさしく「さあ、食べなさい」とだけ言う。

どちらのシーンも、ハイジが街で精神的に不安定になって、山に戻ってもすぐに元には戻らないぐらい、尾をひく体験であることを丁寧に描写していた。
昔のアニメって、作りが丁寧だったよな、というのがとてもわかる代表的なシーンだと思う。

一つの話を一年間52週に渡って作成するという、長いスパンでの物語構成だったからできたことかもしれない。最近は三カ月単位だし。

話は変わるが、先日来DVDでちょこちょこと仮面ライダークウガをみてるけど、これも最近ではめずらしい一年間(ほぼ)52週のドラマだ。

クウガのほうは、オモチャのアイテム増と、(子どもたちを長期間惹きつけるためだと思うのだが、)いろんな変身パターンが用意されている。しかし、それだけでなく、物語の軸になるクウガとその敵との関係や、クウガをとりまく人間模様も丁寧に描写されているように思う。

DQ7もちょっと再燃してる気分だし、ハイジの続きもみたいし…。なんだかちょっと忙しい感じ。

では、また。

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